コロナウイルスの影響もあり、おうち時間がかなり増えておられる方は多いのではないでしょうか?
家にいる時間が増えたことによって、プライベートで自由に使える時間が増えたとメリットを感じられる方もいる一方で、
家に居過ぎるせいで逆にだるさを感じるようになったという方も多いことでしょう。
それに限らず、「慢性疲労症候群」という症状がありますが、
その言葉の意味からも想像できるように、慢性的な疲労感を持ち続けている人は今社会の中で増え続けています。
十分に休んでいるはずなのに、朝の目覚めは悪く、体が重く、やる気も湧いてこない。そんな症状を慢性的に感じてしまうのです。
それはコロナウイルスの影響でおうち時間が増えたことだけが原因ではありません。
実は、脳の仕組み的に現代人はそうした慢性的な疲労を感じやすいようになっています。
であるならば、そうした慢性的な疲労をもたらすような脳の仕組みの存在を知り、
またその上で適切な対処策を学べば、状況は改善されるはずです。
この記事では、そんな身近に潜む慢性的な疲労感に焦点を当て知識をお伝えしていきます。
慢性疲労のメカニズム
まず初めに、なかなか疲れがとれないという、慢性的な疲労に陥る際のメカニズムについて、
脳の仕組みの観点から紹介します。
最初だけ、少しややこしい説明になりますが、ついてきて下さいね〜
まず、脳があります。
私たちはこの脳の働きによって、物事を計画したり、実行したり。
はたまた、ストレスを前にしても気持ちを落ち着けたり、怒りを感じたとしても面に出さないようにグッとこらえたりと。
その活動範囲は大変広く、少なくとも私たちが意識的に行うことはすべて脳の働きによるものです。
ただし、この脳というのは、無尽蔵の体力を持っているというわけではなく、当然疲れます。
しかし、疲れたままということは決してなく、主に睡眠によって回復します。
例えば、まだ悩みなども特にない子供時代の時のこと。
一日中遊び続け、布団に入った瞬間に寝てしまうほどに脳が疲れていたとしても、
一度ぐっすりと寝てしまえば、元通り元気にシャキッとした状態に戻っていたはずです。
それが、本来あるべき正常な脳の姿です。
ただし、私たちは大人になるにつれ、色々なことを経験し、様々なストレスにさらされるようになると、そうした脳の回復機能が正常に働きずらくなっていきます。
そして、まさに、「寝ても疲れがとれない」という慢性的な疲労状態に陥ります。
この時、脳内で一体なにが起きているのかというと、
簡単に言ってしまえば、
目の前にストレスとなる原因が無かったしても、ずっとストレスを感じ続け、脳が休まるタミングを見失い疲弊しているのです。
どうしてそのようなことになってしまうのでしょうか。
それは、精神的なストレスを感じた時に活性化する脳の部分が、記憶を司る領域と繋がっており、
たとえ目の前にストレスとなる要因がなかったとしても記憶の中からストレスを感じた時のことを引っ張りだしてきて、
まるで目の前にストレス要因があるかのように脳が働いてしまうからです。
この仕組みは、例えば将来のことについて考える際などにも同様に働きます。
将来のことを考えると言えども、その時ストレスを感じるようなことを思い描いてしまうと、どうしても脳は疲れてしまうのです。
するとどうなるのかというと、脳の中で嫌な事が湧き上がってくる度にドンドン疲れてしまい、疲れてしまうからもっと嫌な事が湧き上がってくるといったように、「疲労の悪循環」とも呼べる状態に陥ってしまうのです。
しかし、そんなことをいったら、慢性的な疲労に陥ることは避けようのないことに思えてしまいますよね。
現代社会では、ある程度のストレスはどうしても避けようのないものですし、
将来のことだって考えてしまうに決まっています。
ただ、私達の脳には、そうした働きを抑制し、精神のバランスを取ろうとする働きが備わっています。
それがこの動画のメインテーマでもある「セロトニン」による働きのおかげなのです。
セロトニンの働きとは
セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一つで、
- 精神のバランスを整える働き
- スッキリとした覚醒状態をもたらす働き
- 自律神経の交換をスムーズにする働き
などがあります。
逆に、脳内のセロトニンが不足してしまうとどうなるのかというと、
- 精神のバランスをとる働きが弱まるため、情緒不安定になる
- 意識にモヤがかかったようにスッキリとしなくなる
- 自律神経の交換がスムーズにいかなくなるため、寝つきづらく、そして起きづらくなる
というように、良くないことばかりです。
そして、
そのようにセロトニンが不足した状態が続いていると、
先程の「疲労の悪循環」に歯止めが効かなくなり、寝ても覚めても疲れが取れない慢性疲労の状態になってしまうのです。
もしあなたが今、まさにそうした状態に陥っていると思うのなら、
きっと脳内のセロトニンが不足し、疲れやすい脳になってしまっています。
そのため、これから紹介する方法を実践して脳内のセロトニンを増やすとりくみをしてみましょう。
セロトニン神経を活発化する方法とセロトニンを増やす食べ物
セロトニンは、脳内にあるセロトニン神経から分泌されます。
このセロトニン神経が活発に働けばセロトニンが十分に分泌され、精神のバランスは保たれ、「疲労の悪循環」に陥ることを避けることが出来ます。
といっても、それは難しいことではありません。ちょっとした習慣を生活の中に取り入れるだけです。
さて、セロトニン神経が活発化するのは次の行動をとった時です。
セロトニン神経を活性化する方法①太陽の光に当たる
人間の脳には、目の網膜から入った太陽光を電気信号として受け取り、セロトニン神経を活発化させる仕組みが備わっています。
目安は、朝起きたら外に出て、5分以上明るい場所にいることです。
注意点としては、室内の光ではその効果はありません。
というのも、太陽光は光の強さを表す指標として1万ルクスもの強さがあるのですが、蛍光灯の光というのは通常500ルクス以下程度ですので、その程度の光の強さだとセロトニン神経が活発化しないのです。
ちなみに、たとえ曇りや雨だとしても、室内よりはかなり明るいので、セロトニン神経を活発化させることに繋がります。曇っていても外に出ることには効果があるのです。
そのため、毎日の習慣として、外に出て5分以上は明るい場所にいるようにしましょう。
セロトニン神経を活性化する方法②リズム運動をする
実は、セロトニン神経はリズミカルな動作を行うことで活発化させることが出来ます。
そうした、私達が日常的に行うリズム運動には例えば、
- 歩くこと
- 食べ物を噛むこと
- 呼吸すること
などがあります。
特に効果が期待できるのは、そうした日常的なリズム運動を、気持ちを落ち着かせて意識的に取り組んでみる事です。
歩く時には歩く動作に意識を向け、食べる時にはゆっくり噛んで食べ、一日に数分でも良いのでゆっくり呼吸に集中する時間を確保するなどです。
セロトニンを増やす食べ物
そしてもう一つの方法が、セロトニンを増やす食べ物を意識的に摂取する事です。
セロトニンの合成に必要なものは、
- トリプトファン(アミノ酸の一種)
- ビタミンB6
- 炭水化物
です。
トリプトファンを豊富に含む食品は、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品、またアボカドやピーナッツなど。
ビタミンB6を豊富に含む食品は、豚肉、青魚、レバー、玄米、にんにくなど。
また、それらをバランスよく含んだ食べ物としてバナナがあります。
バナナや納豆や牛乳などは調理をしなくても手軽に摂取できる食品ですので、
是非毎日の食事メニューに取り入れてみて下さい。
まとめ
ここまでの内容を簡単にまとめます。
十分に休んでいるはずなのに、朝の目覚めは悪く、体が重く、やる気も湧いてこない。そんな時は、慢性疲労の状態を疑いましょう。
慢性疲労になるのには、脳の仕組みが関わっています。
肉体の疲れは一般的に休むことで回復しますが、
脳の方はたとえ目の前にストレスの原因が無かったとしても、嫌な事を思い出したり、将来の事で不安を感じたりしても疲弊します。
するとどうなるのかというと、脳の中で嫌な事が湧き上がってくる度にドンドン疲れてしまい、疲れてしまうからもっと嫌な事が湧き上がってくるといったように、「疲労の悪循環」とも呼べる状態に陥ってしまうのです。
ただ、本来であれば、私達の脳内ではセロトニンが分泌されることで、そうした精神的なバランスの崩れを調整してくれるため、「疲労の悪循環」と呼べるほどまでにはなりません。
しかし、生活習慣的に外に出て太陽光にあたることが少なかったり、運動習慣が無かったり、食生活が乱れていたりすると、セロトニンの分泌が正常に行われません。
その結果、精神のバランスは崩れ、脳はストレスを感じ続け、「疲労の悪循環」に陥ってしまいます。
そこで対処策としての1つは、セロトニン神経が活発化する行動を生活習慣に取り入れることです。それは、たとえ曇りや雨でも毎日5分は外に出て明るい光のもとにいるということ。そして、歩く、噛む、呼吸などといったリズム運動を意識的にゆっくり行うようにするということ。
対処策のもう一つは、トリプトファンやビタミンB6など、セロトニンの合成のために必要な栄養素を意識的に摂取すること。
以上です。
最後に、「メンタルの塔」との関連づけをしておしまいにします。
メンタルの塔とは、このチャンネルで特に一押ししている、
心と体の健康維持に役立つイメージです。
今回の動画で紹介した、慢性疲労のメカニズムとセロトニンの知識は、
自分の中で居心地の良い精神状態を維持し、そしてネガティブな状態から抜け出せなくなってしまうことを防ぐための知識として、とても大切です。
現代社会は、人類の歴史の中で見てもかなり特殊な状況であり、
その特殊さに気づかないまま日々を過ごしていると誰であっても気づいた時にはメンタル的に病んでしまいやすい状況です。
今回紹介したような知識は自分を守る盾となるはずです。
この記事の内容がなにか一つでもあなたのお役にたてておりましたら幸いです。
- 慢性疲労とは
- 十分に休んでいるはずなのに、朝の目覚めは悪く、体が重く、やる気も湧いてこない。
- 慢性疲労のメカニズム
- 脳の感情を司る部位が記憶を司る部位と繋がっており、嫌なことなどを思い出すたびに疲れてしまう
- 体は休憩したら休まるが、脳は勝手に想像して勝手に疲れてしまう
- 疲労の悪循環に陥る
- セロトニンの働き
- 精神のバランスを整える働き
- スッキリとした覚醒状態をもたらす働き
- 自律神経の交換をスムーズにする働き
- セロトニンが不足するとどうなるか
- 精神のバランスをとる働きが弱まるため、情緒不安定になる
- 意識にモヤがかかったようにスッキリとしなくなる
- 自律神経の交換がスムーズにいかなくなるため、寝つきづらく、そして起きづらくなる
- セロトニンが不足した状態が続いていると、先程の「疲労の悪循環」に歯止めが効かなくなり、寝ても覚めても疲れが取れない慢性疲労の状態になってしまう。
- セロトニン神経を活発化する方法とセロトニンを増やす食べ物
- ①太陽の光に当たる
- 人間の脳には、目の網膜から入った太陽光を電気信号として受け取り、セロトニン神経を活発化させる仕組みが備わっている
- 朝起きたら外に出て、5分以上明るい場所にいるとよい
- ②リズム運動をする
- 歩くこと
- 食べ物を噛むこと
- 呼吸すること
- そうした日常的なリズム運動を、気持ちを落ち着かせて意識的に取り組んでみる
- ③セロトニンを増やす食べ物
- セロトニンの合成に必要な栄養素
- トリプトファン(アミノ酸の一種)
- 牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品、またアボカドやピーナッツ
- ビタミンB6
- 豚肉、青魚、レバー、玄米、にんにく
- 炭水化物
- トリプトファン(アミノ酸の一種)
- それらをバランスよく含んだ食べ物としてバナナ
- セロトニンの合成に必要な栄養素
- ①太陽の光に当たる
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