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ドーパミンクラッシュの原因と3つの対策

ロボ太郎
今日の記事では、「考えてばかりで行動できない」という問題について、その原因から対処策までを解説していきます。
考えてばかりで行動できないといった時に自分を無闇に責めてネガティブになってしまうのを避け、
脳科学的な知識に基づいた確かな対処策を講じていくことができるようになります。

ドーパミンクラッシュとは

突然ですが「考えてばかりで、行動出来ない」ってことありませんか!?

頭では、すぐやらなきゃー!とすごく急いでいるのに、肝心の行動意欲が湧いてこない。だから、そのままズルズルと時間ばかりが過ぎていってしまった。

そして気づいたらもう一日も終わりかけている。そんなふうに1日を無駄にしてしまった自分が情けない。気分も悪いからそのまま寝る。みたいな。

そんな日が何日も続いてしまうもんだから、すっかりやる気も失って、達成の見込みのない計画をただ眺めている・・・

結構ありますよね!

ただ、実はその現象、あなたがダメ人間だからとか、気合が足りないから、とかではなくて、
神経伝達物質やホルモンに原因があるんです。

その仕組みを知ったうえで効果的な対処策をうてば、

行動力を伴った高いモチベーションをどんどん湧き上がらせていくことが出来ます!

そのことについて、今日は解説していきます。是非最後までお楽しみ下さい。

ドーパミンとノルエピネルフィンの役割

ドーパミンとノルエピネルフィン

さて、人間のやる気を司る神経伝達物質として、「ドーパミン」というものがあるのは、ご存知の方も多いかと思います。

このドーパミンは、「なんかいい思いが出来そうだぞ」という、報酬への期待に対して分泌されるホルモンです。そして、このドーパミンのおかげで、私たちはやる気を出すことが出来ています。

一方で、他にも人間のモチベーションを左右するホルモンは存在していて、その一つがノルエピネフリンです。
これは、ドーパミンを元に合成され、副腎皮質から分泌されるホルモンです。その主な役割は、具体的に「何か」というわけではないのですが、物事を広く捉えて「さあ考えよう。考え続けよう」といった持続力をもたらす働きです。

ただ、このノルエピネフリン。ドーパミンを元に合成はされるものの、必ずしも一緒に分泌されるとは限りません。

例えば、ノルエピネフリンは分泌されているけど、ドーパミンは分泌されていないという状態が起こり得ます。

そして、「考えてばかりで、行動出来ない」という状態は、まさにその時なんです。

何らかの理由でドーパミンの分泌が制限されているにも関わらず、ノルエピネフリンばかりが分泌されていると、早く行動しなくてはと頭の中ではさまざまな思考が巡っているのに、行動意欲が十分に奮い立たず、気持ちが空回りして焦燥感ばかりが募るということになってしまうんですね。

そしてこの状態のことを、「ドーパミンクラッシュ」と言います。

ドーパミンクラッシュの原因

ドーパミンクラッシュの原因

では一体どのような時に、この「ドーパミンクラッシュ」は起きてしまうのでしょうか。

その原因には主に2パターンあります。

一つは、DPOがはっきりしていない時。DPOとは、期間、通り道、結果を意味する英語の頭文字をとった言葉です。

すなわち、DPOがはっきりしていない時というのは、どれぐらいの期間で、どういう道をたどると、どういう結果が得られるのか、と言う3点が明確でない時のことです。

この時ドーパミンは分泌されず、代わりにノルエピネフリンの濃度ばかりが高くなってしまうため、「考えてばかりで行動できない」というドーパミンクラッシュの状態に陥ってしまうのです。

そしてもう一つのパターンは、頑張ったのに上手くいかなくてショックを受けている時。この時もドーパミンの分泌がとまってしまうため、代わりにノルエピネフリンの濃度が高くなってドーパミンクラッシュの状態に陥ってしまうわけです。ちなみに、以前の動画で解説している「学習性無力感」に陥っている時もこれと同じ状態であると言えますね。

それでは一体どうすれば、そんな「ドーパミンクラッシュ」になってしまうことを避け、そして予防できるのでしょうか。その方法を次に紹介していきます。

ドーパミンクラッシュを避け予防する方法

①DPOを明確にして目標設定を見直す

DPOをはっきりする

一つ目の方法は、DPOを明確にするということ。すなわち、

いつまでに、という期間
どのように、という方法
何が得られるか、という結果

の3点が明確な目標を設定するということです。

実際、「これをやったら素晴らしい未来が待っている」「あともう少し頑張ればご褒美がもらえる」と思えるだけで、脳の「線条体」という部分が活性化してドーパミンの分泌が促されます。

そのため、なんとなく目標を立てるのではなくて、DPOを意識した目標立てをしてみましょう。

化学的根拠のある、効果的な目標の立て方についてはこちらの動画でも解説しておりますので、併せてご視聴ください。

②成長マインドセットに変わる

成長マインドセットとは、結果よりもプロセスを重視し、プロセスの中で経験するあらゆる困難を成長のチャンスと捉える考え方のことです。

実際、成長マインドセットの人というのは、ドーパミンの分泌量が多いことが分かっており、そうで無い人よりも様々なことに高い意欲でもって取り組んでいくことが出来ます。

そして、この成長マインドセットというのは、今は持っていなくても、
意志の力で身につけていくことができるものであるということも分かっています。

何か困難を前にしたり、ストレスを感じるような場面に遭遇しても、
そのことを通じて自分は人間としてさらに成長しているのだと、繰り返し何度も意識的に捉えることで、徐々に成長マインドセットへと切り替わっていくことができるのです。

そのため、自分は「まだまだ現在進行形で成長を続けている」というように、
成長マインドセットを意識するようにしてみましょう。

③歩く

実は歩くというシンプルな動きをするだけで、ネガティブに陥って乱れる精神を落ち着けられるだけではなく、ドーパミンの分泌が促される事が分かっています。

ドーパミンクラッシュに陥った時といのは、頑張りたいのに頑張れない、と言う状態に陥っています。そして、自分を責める気持ちから感情が暴走してしまいがちです。

この時、脳の扁桃体という快・不快、喜び、悲しみ、怒りなどの感情を司る部位が活性化し過ぎています。その結果、扁桃体の活性を抑制する前頭前野が疲弊し、思考力や判断力、意欲や関心などが著しく低下してしまうのです。

しかし、歩くと言う単純な動作をするだけで、この扁桃体の活性を沈め制御できることがわかっています。

さらにそれだけでなく、ドーパミンの分泌も促すことにつながり、前向きな気持ちへと切り替わるキッカケにすることができるのです。

そのため、考えてばかりで行動できないと言う時、色々と策を講じてもどうしても動けず落ち込んでしまうのなら、代わりに外に出て歩くと言うことをしてみましょう。

まとめ

以上いかがでしたか?今日の内容を簡単にまとめると次のようになります。

「考えてばかりで行動出来ない」という時、それはドーパミンクラッシュという脳の現象によって説明が可能です。

ドーパミンクラッシュとは、モチベーションを司るドーパミンの分泌が減る一方で、思考の継続を促すノルエピノルフィンの分泌が続いている時、

行動意欲は湧いてこないのだけど、思考ばかりは活発に働いているという、まさに「考えてばかりで行動出来ない」という状態の事です。

そのような状態に陥る主な原因には2パターンあります。

1つは、「いつまで」「どのように」「何が得られるか」を意味するDOPがはっきりしていないため、ドーパミンの分泌がうまく促されない時。
もう一つは、頑張ったのに出来なかったというショックな経験をした時に、報酬の獲得が無謀に思え、ドーパミンの分泌が一気に落ち込んでしまう時。

そのような時、まさに「考えてばかりで行動できない」というドーパミンクラッシュの状態に陥ってしまいます。ただし、それは脳科学的な理由によるものですので、それ相応の対策を打つことで状況は改善されます。

そのための方法として3つ紹介しました。

①DOPをはっきりさせる
「いつまで」「どのように」「何が得られるか」というDOPを明確にした目標設定をしましょう。

②成長マインドセットに変わる
結果よりプロセスを重視し、何を経験しても常に自分は人間として成長し続けているのだという意識を積極的に持つようにしましょう。

③歩く
歩くだけで感情の暴走を鎮め、ドーパミンの分泌を促す事ができます。考えるばかりで何も出来ないという時は、歩くことでモチベーションを蘇らせるキッカケを掴みましょう。

是非これらの方法を試してみて下さい。

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