水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の働きの違いと食品について

この記事のポイント
  1. 食物繊維の基本的な役割が分かる!
  2. 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維について学べる!
  3. 食物繊維の効果的な摂取の方法について学べる!

この記事では、私たちの健康にとっては欠かすことのできない食物繊維の基本的な話をしています。この記事を読むことで、食物繊維の働きから種類、そしてどのように摂取するのが効果的なのかについて一度に学ぶことができます。

現代人は慢性的な食物繊維不足

健康オタクシリーズ!このシリーズでは、栄養素や食品の知識に詳しくなって普段の食生活から健康になっていくことを目指すシリーズです。

突然ですが、みんさんはちゃんと「食物繊維」とっていますか?

ランチでミニサラダを食べたから自分は大丈夫などと思ってしまってはいませんか?

実は現代人のほとんどは慢性的な食物繊維不足です。

食物繊維はその摂取がなかなか難しいことからもおろそかにされがちな栄養素の1つですが、
これから解説をしていくように、そのメリットは非常に大きく、
積極的にとっていくことに越したことはありません。

今日の動画ではそんな「食物繊維」についてその役割から、効果的な取り方、そして不足した場合どうなってしまうのかというお話をしていきます。

是非最後までお楽しみください♪

食物繊維の役割について

食物繊維とは

食物繊維とは、「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されますが、その役割を一言で言うならばそれは

「腸の清掃係」

と呼べます。

以前は、消化もされずエネルギーにも変わらないため、食べ物のカスとみなされ重要視されて来ていませんでしたが、食物繊維が持つ重要な働きが明らかになるにつれて、五大栄養素に次ぐ第六の栄養素と見なされることも多くなっています。

すでに述べた通り、

食物繊維は消化しずらいため、三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質のようにはエネルギーに変わることなく、分解されないまま腸へと送られます。

そうして腸へと送られた食物繊維は水分を吸収して膨張することで便の体積を大きく、そして柔らかくしています。

エネルギーに変わらないから意味がないのではなく、逆に分解されないまま腸まで届けられるからこそ意味があるのが食物繊維です。

2種類の食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

そんな食物繊維には、実は2種類あり、それは「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」です。
水溶性食物繊維は読んで字のごとく水に溶ける食物繊維であり、不溶性食物繊維は逆に水に溶けない食物繊維です。

水溶性食物繊維とは

水溶性食物繊維は、ネバネバ、ヌルヌルとした粘性と水分保持力が強いのが特徴です。

腸に溜まったゴミは発酵して毒素を噴出しますが、水溶性食物繊維がそのネバネバでそのゴミを包み込んで外に排出してくれます。

また、食べ物に水溶性食物繊維が含まれていると、消化された食べ物が腸を通過するスピードが遅くなるため、

糖質の消化吸収速度も遅くなり、急な血糖値の上昇を抑えてくれます。

また、悪玉コレステロールなどの余分な脂質も吸着して排出するだけでなく、腸内の粘膜を守って善玉菌を増やす効果も持っています。

不溶性食物繊維とは

そして不溶性食物繊維の方は、水に溶けにくいため、胃や腸で水分を吸収してどんどん膨張します。

そうして膨張した不溶性食物繊維は、腸を刺激して便通を促してくれます。

このように食物繊維には異なる種類がありますが、
いずれにも共通するのは、乳酸菌やビフィズス菌といった体に良い作用をもたらす腸内細菌の餌になるということです。

私たちの健康における腸内細菌の重要性についてはこちらの動画で解説をしておりますが、
食物繊維を日頃から積極的にとっていき、腸内細菌を健康に育てていくという視点が大切です。

食物繊維が含まれる食品と摂取量目安

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の食品

水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維は食材の中に一緒になって含まれているのですが、

水溶性食物繊維をとりやすい食品としては、
こんぶ、わかめ、こんにゃく、果物、里芋、大麦、オーツ麦

不溶性食物繊維をとりやすい食品としては、
穀物、豆類、きのこ、ごぼう、などです。

そんな食物繊維の摂取量目安について、厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準」によると、成人女性で18g、成人男性では20g以上と定められていますが、

現状は1日10g前後程度の摂取量が平均で、ほとんどの人が食物繊維不足であると言えます。

ランチでサラダセットを頼んだから大丈夫というレベルの話ではなく、

納豆に、ごぼうに、海藻、アボカド、きのこ、大麦、オーツ麦、といったように、
食物繊維が豊富に含まれている食品を日々の献立の中に積極的に取り入れていかなくてはいけません。

食物繊維が不足するとどうなるのか

食物繊維が不足すると

さて、

現代人のほとんどが慢性的な食物繊維不足であるとは言いましたが、現実問題として食物繊維が不足しているとどのような弊害が生じうるのでしょうか。

まず言えることは、食物繊維が足りないと便の量が少なくなるので、便秘になりやすくなります。
それはつまり、ゴミを腸の中に溜めたまま放置することになるので、悪玉菌が増え体にとって有害な物質を作り出します。

また、腸内細菌にとっての餌である食物繊維が足りないことは、腸内環境を悪化させることにつながり、
肌荒れや免疫力の低下につながります。

他にも、食物繊維は満腹感ももたらせてくれるため、食物繊維のない食事は食べすぎにつながりやすく肥満の原因になります。

また、食物繊維がない場合、糖質の吸収を遅らせるものがないため、血糖値の乱高下が激しくなり、食後の眠気やだるさの原因にもなります。

このように、

食物繊維は体を動かすエネルギーとはならないため、おろそかにされがちですが、
食物繊維が果たす役割というのは決して無視できるものではなく、

むしろ必要不可欠であると言えます。

食物繊維の効率的な摂取方法

それでは最後に、食物繊維を効果的に摂取していくためのアドバイスをいくつかしていきます。

精製されていない炭水化物を選ぶ

生成されていない炭水化物をとる

まず、以前糖質の解説でも触れた通り、炭水化物とは糖質と食物繊維が合わさったものです。

ダイエット・糖質・炭水化物
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そのため、お米やパンなどの炭水化物から食物繊維は摂取できますが、

白米や精白小麦粉、パスタ、またクッキー、クラッカー、シリアルまで、
精製加工されている炭水化物にはもうほとんど食物繊維は残されていません。

そのため、食物繊維の摂取のことも考えるならば、普段の食生活に組み込む炭水化物は、なるべく精製されていない食材を用いると良いでしょう。

水溶性と不溶性とを組み合わせると良い

水溶性と不溶性を合わせてとる

また、

食物繊維は水溶性と脂溶性とを合わせて摂取することでその効果を倍増させます。

イメージとしては不溶性の食物繊維が腸内にバリケードを築き、そこに水溶性の食物繊維がゼリー状にくっ付くことで、理想の状態に至ります。

そのため、サプリメントなどで食物繊維を摂ることが可能ではありますが、大抵のサプリは水溶性か不溶性かのどちらか一方になっているため、

やはり理想としてはサプリからよりも、食品から水溶性・不溶性の食物繊維を一緒に撮ることが好ましいと言えます。

果物はそのまま食べる

果物はそのまま食べる

また、

果物にも食物繊維は含まれていますが、市販の野菜ジュースやフルーツジュースというのは、ほぼその食物繊維ん部分が取り除かれてしまっています。

またスムージーなどを作るためにミキサーにかける場合もミキサーの刃によって不溶性の食物繊維の部分を木っ端微塵に破壊してしまいます。

水溶性の食物繊維はそれでもとれますが、先ほど述べた通り食物繊維は水溶性・不溶性の両方があって効果的になるため、やはり果物もジュースにするのではなく素材のまま食べるのが最も好ましいと言えます。

食品別含有量

食物繊維が豊富な食品一覧

最後に、比較的食物繊維が豊富に含まれている食品とその含有量についてですが、

  • 大豆には一人分50gあたり9g(ただしほとんど不溶性)
  • アボカドには一人分100gあたり5.6g(水溶性1.7、不溶性3.6)
  • 納豆には一人分50gあたり3.4g(水溶性1.2、不溶性2.2)
  • ごぼうには1人分40gあたり2.3g(水溶性0.9、不溶性1.4g)
  • オートミールには1人分50gあたり4.7g(水溶性1.6g、不溶性3.1g)

含まれています。

これらは比較的豊富に含まれている食品たちなわけですが、
それだけでも1日の摂取目標の約20gを達成するのはギリギリのラインなので、

日頃から特に意識して食物繊維をとっていくことを考えていないと、
どうしても不足してしまうことがわかります。

食物繊維の働きまとめ

食物繊維の役割まとめ

以上いかがでしたか?

今日の記事では、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ第六栄養素と呼ばれることもある食物繊維について解説をしてきました。

食物繊維は、その重要性とは逆に、現代の食生活の中では摂取しづらくなってしまっている栄養素です。

人間の主要なエネルギー源でもある炭水化物は、先ほども述べた通り加工される過程で食物繊維部分が取り除かれてしまっているため、

なるべく白米よりは玄米を、パンよりは全粒粉パンを、フレーク系のシリアルよりはオートミールなどを意識して食べていくことで、エネルギー源にもなるし食物繊維もとれるしで一石二鳥です。

食物繊維を積極的にとっていくことで、

腸内環境は整い、食べすぎも防げ、食後の血糖値の上昇はおだやかになります。

いいことづくめでありますので、

是非今日から毎回の食事の中に食物繊維がちゃんと含まれているかどうかをチェックするようにしましょう。

この記事の内容が何か1つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

P.S.
当記事の内容は動画でも解説をしておりますので合わせてご視聴いただけますとより効果的に理解を深めることができます。

要点メモ
  • 食物繊維とは
    • 人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体
    • 一言で言うならば「腸の清掃係」
  • 2種類の食物繊維
    • 水溶性食物繊維
      • 水に溶ける(ネバネバ・ヌルヌル)
      • 溜まったゴミを体外へ
      • 血糖値の上昇を抑制
      • 余分な脂質を吸着
    • 不溶性食物繊維
      • 水に溶けない
      • 胃腸で水分を吸収
      • 腸を刺激して便通を促す
  • 食物繊維が不足すると
    • 便の体積が減り便秘気味になる
    • 腸内細菌への餌がなくなり腸内環境が悪化する
    • 肌荒れ、免疫力の低下
    • 満腹感が得られないため過食・肥満につながりやすい
  • 食物繊維の効果的な摂取方法
    • 精製されていない炭水化物(褐色)を選ぶ
    • なるべく水溶性と不溶性の食物繊維を合わせて摂取する
    • 果物はそのまま食べる
  • 食物繊維が豊富に含まれている食品
    • 大豆には一人分50gあたり9g(ただしほとんど不溶性)
    • アボカドには一人分100gあたり5.6g(水溶性1.7、不溶性3.6)
    • 納豆には一人分50gあたり3.4g(水溶性1.2、不溶性2.2)
    • ごぼうには1人分40gあたり2.3g(水溶性0.9、不溶性1.4g)
    • オートミールには1人分50gあたり4.7g(水溶性1.6g、不溶性3.1g)

参考文献:
アール ミンデル(2004)『完全版 ビタミン・バイブル』 丸元 淑生訳 小学館
ティム・スペクター(2017) 『ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷 玲美訳 白揚社
牧野 直子(2016)『世界一やさしい! 栄養素図鑑』 新星出版社
中村丁次(2017) 『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』朝日新聞出版