「セルフコンパッション」については↑の動画でも詳しく解説をしております!
- セルフコンパッションとは何か、その効果と方法が分かる!
- 自分自身への思いやりがなぜ大切なのかその理由が分かる!
- セルフコンパッションを高める実践方法が分かる!
この記事では、「セルフコンパッション」とは何かについて解説し、その効果と実践方法を紹介しています。動画と合わせてご覧いただくことで、自分自身への思いやりがなぜ大切なのか、その理由を学べます!
「セルフコンパッション」の効果と実践方法について解説!
みなさんこんにちは!
突然ですが、皆さんは次のように自分をついつい責めてしまう癖はありませんか?
- 「みんなに迷惑をかけてないだろうか」
- 「もっと自分が頑張らないといけないのに」
- 「自分のせいで状況が悪くなってしまった」
など。
しかし、そのように思っていると、どんどん自分に自信がなくなってしまいます。
そうすると、「きっとうまくいかないだろう」と、何をするにもネガティブな気持ちになってしまいますよね。
ただ、自分の心を温かく包み込むことで、そのような悩みは解消していくかもしれません。
そこで今世界で注目されているのが、今日の記事のテーマでもある「セルフ・コンパッション」です。
セルフ・コンパッションという考え方を理解すれば、
自分を責めることなくあたたかい気持ちで自分を包み込んであげられるようになります。
その結果として、
いつでもホッと安心し、前向きな気持ちを維持できるようになることでしょう。
是非最後までお楽しみください。
セルフコンパッションとは
セルフコンパッションとは、
自分を意味するセルフと、思いやりを意味するコンパッションとがくっついた言葉で、
文字通りに解釈すると、
自分を思いやるということです。
他人を思いやるのではなく、自分を思いやるというのは、ちょっと不思議な感じがしますね。
自分の悪いところを見つけて、それを責めるのではなく、
良いところにこそ気付き、自分を受け入れてあげる。
そのようにして、
自分に対してあたたかく優しい感情を高めてあげること、
それが、
セルフコンパッションの考え方なのです。
セルフコンパッションと仏教の関係
そんな、セルフコンパッションのベースにあるのは仏教の考え方です。
仏教の考え方によると、
人生で悩んだり苦悩したりするのは、自分の状況に満足していないからです。
大きな成功や完璧に達成することを求めるあまり、
ちょっとの成功では喜びを感じられず、
ほかの人と比較しては、
「自分は劣っている」とネガティブに評価してしまいます。
そのような人は、
心の奥底で「もっと、もっと」という欲求に支配されているため、常に満足できない感情を抱えて生きることになります。
幸せを追求すればするほど、自分を否定する感情が増幅してしまうのです。
そうならないためにも、自分の現状をそのままに受け入れ、そこに満足や安心といったポジティブな感情を持てるようになる必要があります。
コンパッションとは、
文字通りに解釈すると、「思いやる」という意味であることはすでに触れました。
あらゆる人の幸せや、あらゆる人の苦しみがなくなることを願う、といった偏りのない平静で落ち着いた心のありようがコンパッションなのです。
そんなコンパッションを向けるのは他者だけではありません。
他者のために何かをしようとするなら、それを自分に向けることも大切です。
そのような考え方からセルフコンパッションという概念が生まれたのです。
セルフコンパッションによる実証済みの効果
そんなセルフコンパッションの効果として、すでに次の3つのことが実証されています。
効果① 幸福感が高まる
一つ目は、幸福感が高まること。
セルフ・コンパッションが高ければ、人生に対する満足感やポジティブな感情も高まります。
- 「今日も美味しいランチが食べられて幸せ」
- 「お客さんが笑顔になったのでうれしい」
- 「天気がよくていい気分になった」
このようなちょっとしたことに、幸福を感じられるようになったら、セルフコンパッションが高まっていることの証です。
人生に対する満足感が高まり、ネガティブな感情が薄れた状態になっていると言えるでしょう。
効果② ストレスが軽減する
二つ目の効果が、否定的な感情を抱くことがなくなり、ストレスが軽減するということです。
- 「私は仕事ができない…」
- 「あの人は私を嫌っている…」
- 「どうせ何をやっても無理だ…」
このように自分を責める原因となるのは、自分を否定する感情です。
そんな否定的な感情が少なくなれば、不安な感情を抱くことが少なくなりますので、結果としてストレスが少なくなります。
効果③ レジリエンスが高まる
そして三つ目の効果が、レジリエンスが高まるということです。
レジリエンスとは、「再起力」という意味で、精神的なダメージから回復できる能力のことです。
例えば、何か大きな困難に直面したとしても、
セルフコンパッションが高まることはそのまま、困難な状況をはねかえす力となるのです。
ちなみに、「レジリエンス」については、こちらの記事でもっと詳しく解説をしておりますので、是非合わせてご覧ください。
それでは、次に、ここまで解説をしてきた「セルフコンパッション」について、
その具体的な実践方法を紹介していきます。
セルフコンパッションの実践方法
実は、セルフ・コンパッションというのは、足し算をするように自分への思いやりを付け加えることではありません。
そうではなく、引き算され減らされていた自分への思いやりを取り戻し、本来の自分の姿へと回復していく、それがセルフコンパッションです。
そのように自分への思いやりを減少させてしまっていた原因は、
- 自分を批判すること
- 自分を孤立させること
- ネガティブな感情と一体化してしまうこと
の3つです。
こうした3つの原因を一つ一つ解決していけば、自然と自分への思いやりを取り戻していくことができます。
そのための方法は、次の3ステップを踏んでいく事です。
- 自分に対して優しく接する
- 自分だけが、と思わない
- ネガティブな感情と一体化しない
一つずつ解説していきます。
ステップ① 自分に対して易しく接する
最初のステップは、自分に対して優しく接することです。
自分が仕事を要領よくできず、まわりに迷惑をかけてしまったとき、
仕事のスピードが遅いせいだと、その原因を自分の能力に求めてしまうと、自己批判に陥るだけです。
そこで、
スピードは遅かったけれども丁寧な仕事ができた、時間はかかったけど書類の書き方を覚えることができたなど、自分の仕事の中で良かった点に注目します。
そのように考えることで、
自分の能力を一方的に責めることがなくなるでしょう。
ステップ② 自分だけが、と思わない
二つ目のステップが、「自分だけが」と思わないようにすることです。
失敗や困難は、自分だけではなく誰もが直面していることです。
それを乗り越えて幸せになりたいという気持ちも、人間誰しもが持っている感情です。
例えば、
自分だけが営業のノルマを達成できなかったとしましょう。
ネガティブな感情に支配されていると、
「自分は仕事に恵まれないのに、他の人は簡単に契約をとれている」
というように、
自分だけがダメだと思い込むようになってしまいます。
その結果、
自分だけが他者から切り離されているように感じる「孤独感」にさいなまれます。
しかし、
「大変なのはみんな同じだ」
そう思うだけで、
他者とつながっている感覚が回復し、孤独感が薄れていきます。
そして、
自分に対しても他人に対しても、優しい気持ちで接することができるようになるのです。
ステップ③ ネガティブな感情と一体化しない
最後に3つ目のステップが、ネガティブな感情と一体化しないということです。
ネガティブな感情にとらわれたとき、頭が混乱し感情のままに行動してしまいます。
例えば、
苦手な上司のもとで働いていると、ストレスがたまって、不平不満を言ったり、ほかの人に八つ当たりしたりしてしまうという感じです。
大切なのは、そのような状態に決してならず、精神のバランスを保つ事です。
上司の小言それ自体は「音」に過ぎません。自分に対する批判はあくまで意見の一つでしかありません。自分が抱いている感情は出来事の解釈の結果生まれた脳内現象に過ぎません。
そのように、状況を客観的に分析し、ネガティブな感情と距離をおくことで、怒りや不満や不安に支配されることがなくなります。
以上の、
- 自分に対して優しく接する
- 自分だけが、と思わない
- ネガティブな感情と一体化しない
の3つを心がけることで、自然と自分への思いやりの気持ちを回復させていくことができるのです。
慈悲の暝想
そして、最後に、それら3つのことを同時に行える方法として、「慈悲の瞑想」というものがありますので簡単に紹介します。
まずはじめに、
次のフレーズを心の中で唱えてみましょう。
- 「私が幸せでありますように」
- 「私の苦しみがなくなりますように」
- 「私が健康でいられますように」
このように、自分を慈しむ言葉をかけてあげることで、自分自身に愛情が注がれ、
良いところと悪いところの両方を受け入れられるようになります。
そうなることで、何かに失敗したり、上手くいかなかったりしても、
その経験から得た学びなど、ポジティブな点に気づけるようになるのです。
次に、フレーズを唱える中で湧き上がってくる自分の感情に気づき、それを優しく受け止めてあげます。先ほどのフレーズを、しばらく繰り返し唱え、湧き上がる感情を何度も受け入れてあげます。
そして気持ちが落ち着いてきたら最後に、お世話になった人、好きな人、嫌いな人、自分とは無関係な人まで、自分以外のあらゆる人に慈しみの対象をひろげていきます。
自分に対してしたように、他人に対しても慈しみの言葉をかけることで、
自分にも他人にも優しく接することができるようになります。
そうする中で、ストレスで感情がかき乱されることもなく、
落ち着いた心穏やかな状態を保つことができるようになるのです。
まとめ
以上いかがでしたか?
今日の記事では、今世界的にも注目を集めている「セルフコンパッション」についてご紹介しました。
すぐ自分を責めてしまい、ネガティブな感情にとらわれ、疲れ果ててしまうのは、自分に対する思いやりがかけているからかもしれません。
自分に対する思いやりが欠けるため、自分を責めるばかりで、自己肯定ができなくなってしまっている。
それを理解し、自分に優しく接することを心がければ、
おのずと心が穏やかになり、他人にも優しく接することができるようになるでしょう。
そんなセルフコンパッションは、仕事だけではなく、家族や恋人との時間など、さまざまな場面で活用できます。
記事の中で触れたように、
人間は上手くいかないことがあると、ネガティブな感情にとらわれやすくなります。
そのような感情を完全に消し去るまでには、時間がかかるかもしれません。
しかし、記事の中でも紹介した3つのステップ、そして「慈悲の瞑想」を繰り返しおこなうことで、次第に自分にも他人にも優しく思いやりをもって接することができるようになるでしょう。
ちなみに、今日の記事と関連して、以下の記事もおすすめですので是非合わせてご覧ください。
この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
- セルフコンパッションとは
- 自分に対してあたたく優しい感情を高めてあげること(自分への思いやり)
- 新しく付け加えるものではなく、失っていたものを回復するもの
- セルフコンパッションの実証済みの効果
- 幸福感が高まる
・日常的なことに対しても満足し幸福感を感じることができるようになる - ストレスが軽減する
・否定的な感情を抱くことがなくなる - レジリエンスが高まる
・困難な状況を跳ね返す力が高まる
- 幸福感が高まる
- 自分への思いやりが減少してしまっている原因
- 自分を批判しているから
- 自分を孤立させてしまっているから
- ネガティブな感情と一体化してしまっているから
- セルフコンパッションの実践方法
- ①自分に対して優しく接する
- ②自分だけが、と思わない
- ③ネガティブな感情と一体化しない
- 「慈悲の瞑想」について
- 次のフレーズを心の中で唱える:
・「私が幸せでありますように」
・「私の苦しみがなくなりますように」
・「私が健康でいられますように」 - このフレーズを繰り返しながら自分の感情に気づき、その感情を何度も受け入れる
- そのフレーズの対象(私)を身近な人から見知らぬ人、嫌いな人にまで広げていく
- 次のフレーズを心の中で唱える:
P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。
参考書籍:
有光 興記, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (2019) セルフ・コンパッション:最良の自分であり続ける方法 ダイヤモンド社
クリスティーン・ネフ, 石村 郁夫 (翻訳), 樫村 正美 (翻訳) (2014) セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる 金剛出版