- マネジメントの大家ドラッカーの教えのエッセンスを学べる!
- 企業マネジメントの手法をセルフマネジメントに適用させるとどうなるのか知れる!
- セルフマネジメントのための視点やアイデアを獲得することが出来る!
この記事では、「セルフマネジメント入門」と題し、マネジメントの大家ドラッカーの教えを引き合いに出しながら、いかに自分の人生を設計しマネジメントしていくのかというお話をしていきます。
セルフマネジメント入門
みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです!
突然ですが、皆さんは「もしドラ」をご存知ですか?
そう「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら?」が正式名称の、漫画化、映画化もされた、あのベストセラー小説です。
もう今から10年近くも前に出版された本ですが、
かなり話題となった小説でしたので、ご存知の方も多いかと思います。
その小説では、端的には、
企業におけるマネジメントの役割を説くドラッカーの教えを、
高校の野球部の女子マネージャーである主人公が学び、忠実にその教えに従っていく事によって、
見事、無名の高校を甲子園にまで出場させたというお話です。
そして、
今日の記事では、
まさにその「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら?」をもじって、
「もし「あなた」がドラッカーの「マネジメント」を読んだら?」と題し、
自分という個の存在を、1つの企業に見立て、
それをドラッカーの教えに従ってマネジメントするとどうなるのか、というお話、
すなわち、人生のマネジメントについての考察を行なっていきます。
今日の記事を見ることで、
ドラッカーの説くマネジメントへの考え方のエッセンスを学べるだけではなく、
自分の人生を考える上での、新しい視点を確実に手に入れることができることでしょう。
是非最後までお楽しみください。
マネジメントとは?
もしドラ主人公の、女子高生マネージャーは、ドラッカーの「マネジメント」を読んで、
無名の高校を見事甲子園にまで出場させました。
一体、どのようにそんな偉業を成し遂げたというのでしょうか。
その方法を端的にまとめるならば、こうなります。
ドラッカーのマネジメントを読んで甲子園に出場した話
まず、
野球部を、1つの企業と見なしました。
次に、野球部という企業とは一体何かを定義するために、
野球部の顧客は誰かを模索しました。
つまり、野球部は一体誰のための企業なのか、さらにいうならば、
誰のどのような現実を踏まえ、誰のどのような欲求を満たすために、誰にどのような価値をもたらそうとしているのか、
という事を考えました。
その上で、野球部という企業の中での働く人である、
部員、監督、女子マネ、の各々に、
野球部という企業にとっての成果につながる生産的な仕事をさせようとしました。
そのために、
それぞれに責任と働きがいと目標を与え、
それぞれの強みを生かすと同時に、それぞれの弱みを中和させ、
有機的に各々の活動を組織化していきました。
そして、それら一連の活動、つまり「マネジメント」を通じて、
野球部という企業の目的、
すなわち、
顧客である「部員自身、監督、親御さん、学校、地域の人、そのほか関係者」に対して「感動」を与えるという目的、
そしてそのための手段としての「甲子園に出場する」という成果を出そうとしました。
ドラッカーの教えは自己マネジメントにも適用可能か
以上が、ドラッカーのマネジメントを読んだ、主人公の女子高生マネージャーがとった行動であり、
そこにはドラッカーのマネジメントのエッセンスが詰め込まれています。
それは、
企業の目的を定義するには、顧客が必要であるということ。
そして、その目的を達成するためには、働き手たちの強みを巧みに活かして組織化しなくてはいけないという事です。
さて、
それではそうしたドラッカーによるマネジメントの教えは、
「私」という一個人レベルにも当てはめることができるのでしょうか。
「私」とは?(マネジメントを自分に適用)
ここまでの「マネジメント」の話を、「私」という一個人レベルに当てはめるということは、
女子高生マネージャーが、野球部を1つの企業とみなしたのと全く同じように、
「私」という自分の存在全体を、まずは1つの大きな企業とみなしてみるという事です。
そして、次にすることは、
「私」という企業の顧客を考えます。
なぜならば、ドラッカーの言うように、企業を定義するためには、顧客が必要不可欠だからです。
「私」は誰を満足させたいのか?
それでは、「私」という企業の顧客は一体だれなのでしょうか。
それはやはり「私」ではないでしょうか。
自分の人生を自分以外の人が生きることは不可能という事が自明なことからも、
やはり自分の人生というのは、究極的には自分のためのもの以外にはあり得ず、
「私」という存在全体を企業とみなすならば、当然その顧客は「私」になります。
さて、「私」という単語がたくさん出てきており、こんがらがってしまいそうなので、
この動画では、これ以降「私」という存在を便宜上3つのレベルに分解して捉えます。
3つのレベルの「私」
それは、
- 顧客としての「私」
- 働く人としての「私」
- マネジメント役としての「私」
の3つのレベルの私です。
言い換えるならば、
- 評価主体としての「私」
- 行動主体としての「私」
- 思考主体としての「私」
の3つのレベルの私です。
つまり、
自分の人生をマネジメントするというのは、
マネジメント役の私によって、働く人としての私をマネジメントし、顧客としての「私」の欲求を満たし新たな価値を与える
という事です。
となると、次に必要となってくるのは、
- 顧客としての「私」への理解
- 働く人としての「私」への理解
- マネジメント役としての「私」への理解
の3つの理解です。
自分をいかにマネジメントするのか
「私」をマネジメントするというのは、
すでに述べた通り、
顧客としての「私」、働く人としての「私」、マネジメント役としての「私」
という3つの「私」に対する理解を深めていくということに他なりません。
つまり、
顧客としての「私」のニーズを満たすように、マネジメント役としての「私」が試行錯誤をめぐらし、働く人としての「私」が実務を担って活動できるようにしていくということです。
顧客としての自分を理解する
まず、顧客としての「私」を理解するにはどうすれば良いのでしょうか。
その問いに対して、ドラッカーはこう答えます。
顧客を理解するとは、顧客の現実と欲求と価値を理解することである。
と。
つまり、
顧客の現実を踏まえ、欲求を知り、価値があるとみなすことを知るという事です。
このことは、そのまま自分にも当てはめられます。
つまり、
自分の現実を踏まえ、自分の欲求を知り、自分が価値あると認めていることを理解するということです。
そのことをすることによって初めて、自分の人生という1つの企業の方向性を見定めることができると言えます。
働く人・マネージャーとしての自分を理解する
次に、
働く人としての「私」、そしてマネジメント役としての「私」を理解するにはどうすれば良いのでしょうか。
その問いに対して、ドラッカーはこう答えます。
マネジメントとは、人の強みを活かして成果を上げさせることである。成果を上げさせるためには、仕事に対する働きがいが必要で、働きがいには責任が必要である。
と。
つまり、
自分の強みは一体なになのか、という事をまずははっきりと知り、自分が責任をもって、やりがいを感じながら取り組められているかどうかを知るという事です。
また、その強みを活かす事を通じて、
先ほどの顧客としての「私」の現実と欲求と価値に見合うような成果を出すようにするという事です。
そして、ドラッカーはマネジメントを担う人についてこのようにも語っています。
人を管理する事に関する諸々の能力は後からいくらでも身につけることができるが、それだけでは十分ではない。マネジメントを担う者には、とある根本的な資質が必要不可欠である。それは「真摯さ」である。才能では決してなく、「真摯さ」が必要である。
と。
言うなれば、この動画を見る中で、自分の人生について、あれこれと思考を巡らすというのは、
まさにマネジメント役としての「私」の役割であるわけですが、
そうしたマネジメント役としての「私」に第一に必要とされることは「真摯さ」であるということです。
つまり、
自分の人生に対して「真摯に」向き合っているかどうか。ということです。
まとめ
以上をまとめると、
自分の人生というものを、1つの企業とみなした時、
そこには、
- 顧客としての「私」
- 働き手としての「私」
- マネジメント役としての「私」
の3つのレベルの「私」がいるわけですが、
自分の人生をマネジメントしていく、という観点からは、
まず顧客としての「私」のニーズを知り、そのニーズを満たすべく、
マネジメント役としての「私」が人生に対して真摯に向き合い、そして諸々の手はずを整え、
働き手としての「私」が実際的な活動を行なっていくように仕向けていくということです。
セルフマネジメントで人生と真摯に向き合う
以上いかがでしたか?
この記事では、
「もし「あなた」がドラッカーの「マネジメント」を読んだら?」
と題し、
企業経営におけるマネジメントの役割を説いたドラッカーの教えを、
自分という存在を1つの企業とみなすことで、個としての人生に適用させた時、
一体どのような考察ができるのかというお話をしてきました。
自分の将来について考える時であったり、はたまた自分のこれまでを振り返ったりする時には、
この記事で触れてきたような、
自分というお客様を満足させるために自分は何をすべきなのか、
などといった発想は今まで持ち得なかったかと思います。
しかし、
既に述べた通り、自分の人生を自分以外の人が生きられない以上、
自分という名のお得意様を最大限満足させることを至上命題に、
試行錯誤を重ね、そして実際の行動計画を立て実行していくというのは、
究極的には理に叶っているといえます。
それは、あたかも企業が組織立って目標にむかって突き進むのと近い状態であると言えるのではないでしょうか。
何か、1つでもお役に立てておりましたら幸いです。
また、当記事の内容は動画でも解説をしておりますので、合わせてご視聴くださいますとより理解を深める事ができます。
最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
- 企業マネジメントの手法を自分に適用させるとは
- 自分を1つの企業とみなす
- 自分にとっての顧客は誰か?
- 自分の顧客は誰?
- 自分の顧客は自分
- 自分の人生は自分以外には生きることが出来ないから
- 顧客を知るには
- 顧客の現実と欲求と価値観を知る
- 自分の現実と欲求と価値観は何か?
- 自分の顧客は自分
- 3つのレベルの自分
- 顧客としての自分(評価主体)
- 働く人としての自分(行動主体)
- マネジメント役としての自分(思考主体)
- 自分をマネジメントするとは(セルフマネジメント)
- 3つのレベルの自分への理解が前提
- 顧客としての自分のニーズを満たすように、マネジメント役としての自分が試行錯誤を巡らす
- 働く人としての自分が自分のニーズを満たせるように手配していく
- マネージャーとしての役割
- 人の強みを活かして成果を上げさせる
- 成果を上げさせるためには仕事に対する働きがいが必要
- 働きがいには責任が必要
- 自分の強みは何か、自分は責任を感じているか、働きがいを感じているか
- マネージャーには「真摯さ」が必要不可欠
- 人生に対して真摯に向き合っているか
参考文献:
岩崎 夏海(2015) 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』新潮社
ピーター・F・ドラッカー(2001) 『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』 上田 惇生訳 ダイヤモンド社