ベーガル・トーンとは

【疲れない体になるための秘訣】毎日実践すべき3つのこと

ロボ太郎
突然ですが、一体どうすれば心身ともに最高のコンディションを維持できるようになるのか、興味がありませんか?この記事では人間のメンタルの状態を9つに分けて考え、そのうえで理想のメンタル状態を維持するためにできることとして、
自律神経を整え、交感神経が過剰に活発になることを避け、そして副交感神経を活発化させる方法を紹介しています。

前回の記事では、いくら寝ても疲れがとれないという問題について、
慢性疲労に陥る際のメカニズムに触れ、精神の安定をもたらすうえで欠かすことのできない脳内物質のセロトニンを増やす方法を紹介しました。

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慢性疲労とセロトニン

心と体を健康に保ち、楽しい気持ちと高いモチベーションで日々の生活に取り組めるようになるにはどうすればよいか。そんな課題に対してこのチャンネルは深く掘り下げて解説していきます。

さて、今日の記事では体の状態もメンタルの状態もなかなか安定しない。
そんな課題を感じている方向けに、いったいどうすれば心身のコンディションを調節していくことが出来るのか、その考え方と方法について紹介していきます。

是非最後までお楽しみください。

人間の9つのメンタル状態

まず初めに、人間のメンタルの状態というのは、大きく9つの段階に分けることができます。

それは、

  • パニック
  • 慢性ストレス
  • 一時的ストレス
  • 覚醒
  • 落ち着き
  • 休息
  • 倦怠
  • 無気力

の9段階です。

この9段階のうち、真ん中の2つの状態の範囲、すなわち「意識が覚醒しつつも落ち着いてる」という状態のとき、人のパフォーマンスは最も高くなります。

一方で、両極端に位置するパニック、慢性ストレス、無気力、鬱、といった状態のとき、心身ともにコンディションは悪く、思い通りに行動することが出来なくなってしまいます。

つまり、リラックスして物事に集中できるような、覚醒と落着きの状態の間を行ったり来たりするのが理想的なのです。

ただ、一体どうすれば自らの意思でそれらの間を行ったり来たりすることができるのでしょうか。

自律神経とは?

こちらの記事でも解説した通り、メンタルの状態を調整するのは、もちろん物事の捉え方を変えるといった方法でも可能ですが、

実は、自律神経に働きかける行動を意図的に選択することによっても、それは可能になります。

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認知行動療法

自律神経とは、心臓の動きや肺の動き、また胃や腸といった消化器の動きなど、
私たちが意識することなく自動で動き続け、私たちの生命活動を維持しているいわば「生命維持のための自動装置」です。

私たちは、そんな自律神経のおかげで、寝ている間でも心臓や呼吸が止まったりすることはありませんし、また一体どうやっているのか分からなくても食べ物を食べればそれを消化吸収してエネルギーを確保することが出来ているわけです。

さらに、この自律神経は大きく分けて2つ、アクセル機能を担う交感神経と、ブレーキ機能を担う副交感神経によって成り立っています。

そして重要なポイントは、それらの神経に働きかけることによって、意図的にメンタルの状態を調整できるということです。

さて、交感神経が活発になると、メンタルの状態は先ほどの9段階の上へと向かい、
副交感神経が活発になると、下へと向かいます。

交感神経が活発になるのは、主に活動的な時間のときで仕事の最中や、運動の最中など。また、緊張したりイライラしたりと、ストレスを感じるような時も交感神経が活発になります。

副交感神経が活発になるのは、主にゆっくりしている時間のときで、家でリラックスしたり、睡眠の最中など。また、食後に食べ物を消化している間も副交感神経が活発になります。

つまり、メンタルの状態を上の方へと向かいたいときは交感神経を活発にするような行動をし、下の方へと向かいたいときは副交感神経を活発にするような行動をとればよいというわけです。

ただ、ここで注意したいことは、私たち現代人は一般的に交感神経が過剰に活発になってしまう傾向にあるということです。

そして、交感神経が過剰に活発な時期が限界を超えて長く続いた結果、心身の調整機能がうまく働かなくなり逆に活動的になれない状態になってしまっているということです。

前回の記事で慢性疲労のメカニズムについて紹介しましたが、今回の記事のテーマの交感神経と副交感神経の働きの仕組みからいえば、

「疲れが取れない」という状態はまさに、交感神経が過剰に活発な時期が限界を超えて続いた結果、心身の調整機能がうまく働かなくなってしまったからであることが多いのです。

私たちの生きる世界は活動的な時間を多くしないとついていけないほどに忙しく、またストレスを感じるようなことも非常に多いため、交感神経を活発化させるしかなく、メンタルの状態の9段階の上の方へと向かいやすいのです。

そのため、自分のメンタルの状態を調整するためには、むしろ副交感神経を活発にしてメンタルの状態をリラックスした状態へと導く方法こそをしっかりと理解し実践するべきなのです。

副交感神経を活発にする方法とはすなわち、ただ休むというのではなく、
脳と体の相関作用の知識に基づいて確かな効果を狙って休むということ。

そのための方法をこれから紹介していきます。

ベーガル・トーンとは

さて、副交感神経というのは、迷走神経に支配されています。

迷走神経というのは、脳の延髄という場所から、目元、耳元、首元を通ってすべての内臓に向かって枝分かれしている神経です。
脳からの指令を体全体に伝えるほか、体の状態を脳に伝えるといった双方向の働きをもつ神経です。

そして、迷走神経を活性化させると、自ずと副交感神経も活性化されます。

この迷走神経の活発度のことを「ベーガル・トーン」と呼びますが、「ベーガル・トーン」を高める取り組みを行うことによって、副交感神経は活発になり私たちのメンタルの状態は落着きと静けさを取り戻すことが出来ます。

するとどうなるのかというと、

興奮状態をもたらすドーパミンやコルチゾールといった神経伝達物質の分泌が抑えられ、代わりに心身にリラックスをもたらすセロトニンの分泌が促進されるのです。

さて、ベーガル・トーンを高めるための方法のうち私たちが日常生活の中で手軽にできる方法を3つ紹介します。

それは、

①ベーガル・トーンを高める呼吸習慣
②交感神経を鎮める正しい睡眠習慣
③心を穏やか保つ習慣

の3つです。

一つずつ解説していきます。

疲れない体を作る方法

①ベーガル・トーンを高める呼吸習慣

実は、呼吸の仕方ひとつで交感神経の活性を鎮め、逆に副交感神経を活性化させることができます。

その方法は簡単で、「しっかり息を吐き切るように呼吸する」ということです。

人は、息を吸うときに交感神経が優位になり、息を吐くときに副交感神経が優位になります。

呼吸が速くて浅く、吐くよりも吸う時間が長くなっている人は交感神経が優位になってばかりいる証拠です。

ベーガル・トーンを高めて副交感神経を優位にするための呼吸の目安は、

「4秒で吸って、6秒で吐く」ことです。

そのため、今日から普段無意識的に行っている呼吸に意識を向け、
いつもより長く吐くということを心掛けてみてください。

②交感神経を鎮める正しい睡眠習慣

活動的な日中は交感神経が優位になり、夜にかけて副交感神経が優位となり、しっかり休んで回復できるようになるためには、健康的な睡眠習慣が欠かせません。

そのためのカギを握るのが、神経伝達物質のセロトニンとコルチゾールとメラトニンです。

セロトニンは精神の安定をもたらし、コルチゾールはストレスに立ち向かうパワーをもたらし、メラトニンは自然な眠気をもたらします。

理想的な流れは、朝目覚めとともにセロトニンが増えてスッキリとした気持ちで一日が始まり、日中にコルチゾールが増えて元気にキビキビと活動し、夜にかけてメラトニンが増えてぐっすりと眠りにつけるという流れです。

そうした理想的な一日の流れを作っていくために、次の3つのことを意識して睡眠習慣を改善してみてください。

  • 夜は日中のように忙しくしない。
  • 夜は明るい光を見ないようにする。
  • 朝はまだ太陽が低いうちに起きる

3つ目について、ワシントン大学の研究によると、まだ太陽が東の空の低い位置にいるときの濃い青と黄色が混じったような陽の光が、最も効果的にセロトニンとコルチゾールとメラトニンの連携を促すということが報告されています。

もちろん、お昼ごろに起きてしまっても、ずっと家にいるよりは陽の光を浴びるほうが良いのですが、できれば明け方の陽の光を浴びるということを心掛けてみてください。

③心を穏やかに保つ習慣

心を穏やかに保つ方法というのは、たくさんありこのチャンネルでもこれまで多く紹介してきていますが、交感神経を鎮めて副交感神経を優位にするという観点から一つ紹介します。

それは、できるだけ毎日の出来事をシンプルにして想定内のことを増やすということです。

  • スケジュールを詰め込みすぎ
  • 仕事を増やしすぎ
  • 物が多すぎ

そういった「しすぎ」なことが、日々の生活の中にイレギュラーのことをもたらし、
せっかくゆっくり休もうにも、脳を興奮状態にしてしまうことが多くあるはずです。

何か物事を改善しようとするときというのは、「増やす」という方に意識が向かいがちですが、実はそんな時こそ「減らす」という方に意識を向けることで、余裕が生まれメンタルの状態を安定させることにつながります。

「減らす」というのは不安を感じるかもしれませんが、
減らすことで余裕が生まれ、回復力が高まって心身のパフォーマンスは高まりますので、

必要な時に心のアクセルを踏めるようになるためにも、ブレーキを踏んでパワーを温存するという視点を持つようにしてみてください。

まとめ

今回の内容を簡単にまとめます。

まず、人間のメンタルの状態は大きく分けて9段階で、それは

  • パニック
  • 慢性ストレス
  • 一時的ストレス
  • 覚醒
  • 落ち着き
  • 休息
  • 倦怠
  • 無気力

の9段階です。

人は、アクセル役の交感神経が活発になると上の状態へ向かい、ブレーキ役の副交感神経が活発になると下の状態に向かいます。

ただ、普段から忙しく休まる暇もないような人は限界を超えて交感神経が活発になり続けた結果、心身のコンディションの調整機能がうまく働かなくなり、下の状態の無気力・鬱状態へと落ち込むという流れに陥りがちです。

そのため、それを防ぐためにも日ごろから副交感神経を活性化させてメンタルを落ち着いたリラックスの状態に持っていく取り組みが大切です。

副交感神経は、迷走神経の支配下にあり迷走神経の活性度のことをベーガル・トーンといいます。このベーガル・トーンを高める取り組みを行うことで、副交感神経が高まりメンタルの状態も落ち着けることができます。

その方法として、3つ。

  1. 吐く息を長くする呼吸法
  2. 早起きして朝日を見る睡眠習慣
  3. 想定内の出来事を増やすシンプルな生活習慣。

を是非試してみてください。

最後に、メンタルの塔との関連付けをしておしまいにします。

メンタルの塔とは、このチャンネルで特に一押ししている心と体の健康維持に役だつイメージです。

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メンタルの塔とは

この記事では、メンタルの状態を9つに段階分けしましたが、メンタルの塔では地上の10階と地下の10階とに人の心の状態を段階分けしています。

メンタルの塔では、理想のメンタルの状態を「自分にとって居心地のよい地上と地下の間を行ったり来たりしている状態」としておりますが、

まさに今回の記事で扱ったように、交感神経と副交感神経のそれぞれを活性化させることで、自在に上に行ったり下に行ったりすることができます。

もちろん、心と体の問題ですので、機械仕掛けのようにコントロールすることは不可能ですが、それでもそうした知識と発想を持つことで、

過度に興奮して疲れてしまったり、または過度に落ち込んで鬱状態になってしまうことを予防し、また克服していくことにつながるはずです。

この記事の内容が何か一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

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    • パニック
    • 慢性ストレス
    • 一時的ストレス
    • 覚醒
    • 落ち着き
    • 休息
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  • メンタルの状態を調整する方法
    • 自律神経に働きかける行動を意図的に選択することによって可能になる。
    • 交感神経が活発になると、メンタルの状態は先ほどの9段階の上へと向かい、副交感神経が活発になると、下へと向かう。
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    • 吐く息を長くする呼吸法。
      • 4秒で吸って6秒で吐く
    • 早起きして朝日を見る睡眠習慣。
      • 朝日を浴びると効果的
    • 想定内の出来事を増やすシンプルな生活習慣。
      • 増やすのではなく「減らす」

この記事の内容は動画でも解説しています。

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