認知行動療法

心の反応式とは?メンタル維持の3ステップ

ロボ太郎

みなさんこんにちは。ライフハックアニメーションです。

今日の記事では「心の反応の仕組み」について解説していきます。

ところで皆さん、次のような悩みがないか思い浮かべて見てください。

  • 嫌な出来事や苦手な人に遭遇するとネガティブな気持ちになりそれが長い間続き苦しい。
  • 早く気持ちを切り替えた方が良いと頭では分かっていても、なかなか前向きになることができない。
  • 今後のことを考えると不安を感じ集中力が乱され、そして疲れてしまう。

そのような悩みは誰もが感じ得るものですが、
私たちの人生からはなかなか切り離せず、付き纏い続けるようなものでもあります。

ただ、これから解説する「心の反応の仕組み」の知識を使って自分の内面をコントロールすることで、早い段階でその辛さから抜け出していくことができるようになります。

何か一つ、いまかかえている悩みについて、自分ごとに当てはめながら見てみてください。

認知行動療法の考え方とは

私たちは、日々の出来事の中で様々なことを思い、感じ、行動に移していますが、
それらのことは次の一連の流れに当てはめて考えることが可能です。

それは、

出来事→認知(もしくは捉え方)→感情→行動

という流れです。

つまり、私たちは日々さまざまな感情を持ち、行動していますが、それらは偶然的に生じているのではありません。

そうではなく、ある出来事に対して、ある捉え方をし、その捉え方に応じて感情が湧き、その感情に基づいて行動を取捨選択しているというわけです。

この考え方は認知行動療法といった、うつ病治療などでも頻繁に用いられる手法ですが、日常的な悩み全般にも当てはめて有効活用することが出来るものであると私は考えています。

例えば、今抱えている悩み1つについてその一連の流れに当てはめてみてみて下さい。

  • どんな出来事に対しての悩みですか?主観的な解釈を加えず、客観的に出来事としての部分だけに注目してください。
  • その出来事に対してどのような捉え方をしましたか?
  • その捉え方をした結果、どのような感情が生じましたか?
  • 最終的にどのような行動に結びつきましたか?

中核信念、媒介信念、自動思考

さて、これら一連の流れの中で注目する箇所は、出来事に対する捉え方の部分です。

どのような捉え方をするにしても、そもそもの話、なぜそのような捉え方をするに至るのでしょうか?

認知療法ではこの捉え方を3段階で考えます。

それは中核信念→媒介信念→自動思考という3段階です。

中核信念とは

まず私たちには中核信念というものがあります。

これは、幼少期の経験などを通じて出来上がるものです。

例えば、幼少期から親に「頭が悪い」と言われ続けた結果、「自分は頭が悪い」という中核信念を持つようになる可能性があります。

媒介信念とは

次に、媒介信念があります。これは、中核信念をさらに一歩踏み込んだ捉え方のことで、「思い込み」のこととも言えます。

先ほどの例でいうなら、「私は頭が悪い」という中核信念に対して、

「頭が悪いなんて最低」「常に努力しないといけない」「努力しないとダメになる」といった自己評価などは媒介信念に当たります。

自動思考とは

そしてこれに自動思考が続きます。

これは、中核信念・媒介信念を経て自然に湧き出てくる一番初めの思考です。

引き続き先ほどの例で言うならば、

仕事でミスをしたという出来事を前にして、「自分が馬鹿だからだ。」「ミスをするなんて自分は怠けすぎだ。」「能力が低いと思われないようミスを隠さなければ」といった思考として自動的に湧き出てくるケースが考えられます。

ネガティブになる流れ

さて、ここまでの話をまとめると次のようになります。

まず出来事があります。

この出来事に対してある捉え方を私たちは行いますが、それは

中核信念を土台にして、媒介信念を経て湧き出る自動思考によってなされます。

そして、その自動思考の結果として感情が生じ、それに基づき私たちは行動を取捨選択しているのです。

それでは一体どうすれば、ここまでの知識を使って、

ネガティブの連鎖に陥った状態から抜け出したり、
ポジティブからネガティブへと急降下してしまうことを避けることができるようになるのでしょうか。

認知の歪みを矯正する方法

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「認知の歪み」とは心の癖みたいなもの。それを供する方法を紹介していくよ。

その方法というのは一枚の紙に新しい折り目をつける作業に似ています。

紙に一度ついた折り目というのは、次からもそこが簡単に折れますよね。
そして、無くすことはなかなか難しいものです。

しかし、その既にある折り目は消すことは確かに難しくても、新しく折り目を作り何度も何度もその新しい方の折り目で折っていくことで、
徐々に新しい折り目の方で折れ曲がるようになっていきます。

物事の捉え方というのも実はこれと似ていて、それは「心の癖」とも呼べるような代物です。

それでは一体どうすれば、そんな「心の癖」を一新し新しい思考パターンを獲得していくことができるのでしょうか。

その方法として、次の3つのステップを地道に繰り返すことを推奨します。

ステップ①メタ認知の意識を持つ

「メタ認知」とは、自分が認知していることを客観的に観察することを言います。

メタというのは、「高次元の」を意味する言葉ですので、
メタ認知とは高次元、つまり高いところから自分を認知することを意味しています。

なぜ「メタ認知」が必要になるのかというと、新しい「心の癖」を作り上げるためには、既にある「心の癖」の存在にまず気づき無意識的に反応してしまうのを防ぐ必要があるからです。

といっても、メタ認知の方法というのは何も新しいものではありません。

既に解説してきている「心の反応の仕組み」に沿って自分の内面を観察するのです。

ある出来事に対して自分が一体どのような感情を発生させているのか。
その結果としてどのような行動を選択しているのか。
その一連の流れを生み出している「捉え方」は一体どのようなものなのか。

について情報を整理してみるのです。

「メタ認知」ができていないとどうなるのかというと、

既に出来上がっている「心の癖」に従い、出来事に対して自動的に反応してしまい心の癖づけを逆に強化することになってしまいます。

ネガティブの連鎖に陥り落ち込んでしまっている時、この「心の反応の仕組み」に沿って出来事に対する自分の反応の仕方を観察することは、気持ちを落ち着け前向きな気持ちに切り替わるキッカケになるのです。

ステップ②捉え方を変え気持ちを切り替える

ステップ①で出来事に対して自分が一体どうネガティブに反応してしまっているのかについて理解できた次は、感情・行動より前の段階の「捉え方」の部分に着目します。

心の反応の仕組みの一連の流れからも分かるように、同じ出来事を前にしても、
その出来事に対する捉え方が変われば、必然的に結果として生じる感情も選択される行動も変わってくることが分かります。

ただ捉え方というのは先ほど解説した通り、

中核信念→媒介信念→自動思考(第一の捉え方)

となっており、咄嗟の反応としてある特定の捉え方が生じてしまいます。

ただし、そのように咄嗟の反応として生じる捉え方を採用しなくてはいけないなどという必要性はありません。

後出しでも良いので、捉え方を再選択すれば良いのです。

普段自分が行っている捉え方によって、ネガティブに陥り不利益を被っているのなら、
そうではない捉え方を採用したほうが自分にとってメリットがあるはずです。

具体的な方法として私が推奨しているのは、

「必ずしも〇〇ではないのでは?」と自問する方法です。

〇〇の部分には、自分をネガティブなパターンに陥れている時の捉え方がはいります。

そのような捉え方に対して、「必ずしも〇〇ではないのでは?」と真っ向から反論した上で、〇〇ではない新しい捉え方を採用します。

このとき念頭に置いて欲しいことは、物事には必ず2つ以上の捉え方があると言うこと。
そして、認知の仕方というのは自然に任せることもできるし、自分で考え出すこともできるものということです。

そのことを念頭に、「絶対に〇〇だ。」といった凝り固まった思考を自ら否定し、
ネガティブの連鎖から解放してくれるような〇〇ではない新しい捉え方を編み出し、
そちらを自らの意志で再選択するようにしましょう。

ステップ③行動を選択する

心の反応の仕組みの中では変えられるものと変えられないものとがあります。

変えられないものは、出来事と感情です。

出来事は事実ですので変えられません。
感情は捉え方に応じて自動的に発生してしまうので、これも直接的には変えることができません。

一方で、捉え方と行動の2つは変えることができます。

捉え方の変え方についてはステップ2で解説した通りですが、行動自体も取捨選択することが可能です。
そして、どのような行動を選択したかというのは、その後の捉え方と感情とに影響を与えます。

例えば、非常にネガティブな捉え方をして絶望的な気持ちになっていたとしても、
勇気を出して試しに少し行動してみると、思っていたよりも絶望的な状況ではないことに気づき、前向きな気持ちに切り替わるということはよくある話です。

試しに選択してみた行動によって、予想していたのとは異なる出来事に遭遇した結果、新しい捉え方と新しい感情が発生してきたというわけです。

そしてそのこと自体が「心の癖」の新しいパターンを作ることへと繋げていくことが可能なのです。

ただ、問題なのはネガティブ度が高い時というのは、気持ちを奮い起こしてポジティブな行動をとるというのはなかなか難しいものです。

そこで私が推奨するのは「リラクセーション法」という、認知行動療法としても実際よく使われる手法です。

その方法は何も難しいものではありません。

少しの間ゆっくりのペースで深呼吸を繰り返すという方法です。つまり、深呼吸という行動を選択するというわけです。

その結果、気持ちを落ち着け自分の内面を冷静に分析するキッカケを掴むことができるはずです。

一番避けるべきことは、ネガティブの負の連鎖の中に埋没してしまい、
自分を追い詰めるようなネガティブな自動反応のなすがままになってしまうことです。

気持ちを奮い起こしてポジティブな行動を選択することが出来ない時は、
ひとまず深呼吸をゆっくり時間をかけて行うという行動を選択してみてください。

メンタルの塔との関連づけ

さて、今日解説した「心の反応の仕組み」についてですが、この知識が「メンタルの塔」にどう関連づけられるかを解説します。

「メンタルの塔」というのは、このチャンネルで紹介する知識を一つのイメージの中でまとめていくための支柱となる概念です。

こちらで解説しております。

メンタルの塔とは

https://youtu.be/ME0E8rm1HTM 「メンタルの塔」とは何かについて紹介していきます。 メンタルの塔とは「メンタルの塔」とは、人間の精神状態を地下10階から地上10階[…]

メンタルの塔とは

さて「心の反応の仕組み」への理解が役に立つ時というのは、

メンタルの塔の地下にうずくまってしまい地上にあがる事が出来なくなってしまっている時。

そして、地上の階にいてもネガティブな出来事を前にした時、まるで転がり落ちるかのように地下の階へと転落してしまいそうな時です。

私たちの人生は良いことばかりではないということは言うまでもないでしょう。

生きている限り、どうしても辛い出来事はあるでしょうし、苦手な人との遭遇も避けられないものです。

ただ、そのことでネガティブに陥り、楽しく生きたいのにそう出 来ないのは辛いことです。

今日紹介した「心の反応の仕組み」への理解は、そうした外部から襲ってくるネガティブな攻撃から自分を守る盾となり得るものです。

どんな出来事を前にしても、その出来事に対する捉え方と、最終的にどのような行動を選択するかということは、自分の自由な意志一つで決定できるという事実をいつも胸に、

ネガティブの連鎖から自分を解放する知識として活用してください。

この記事の内容が何かひとつでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

このページの内容は動画でも解説しておりますので、是非合わせてご視聴ください♪

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