「アダルトチルドレン」については↑の動画でも詳しく解説をしております!
- アダルトチルドレンとは何か、愛着障害とは何かについて詳しくなれる!
- アダルトチルドレンとなる原因は一体なにかが分かる!
- アダルトチルドレンの自分とどのように向き合えばよいのかが分かる!
この記事では、「アダルトチルドレン」「愛着障害」について解説しています。動画と合わせてご覧いただくことで、不可解なメンタル面の不調の根本部分について、何か発見や気づきがあるかもしれません!
「アダルトチルドレン」「愛着障害」について解説!
みなさんこんにちは!
今日の記事のテーマは、「アダルトチルドレン」です。
「アダルトチルドレン」というのは、いわば親の愛を求める子供心が満たされることなく大人になってしまった状態の人を指し、
その根本には「愛着障害」と言われる、幼少期の「愛着の問題」が潜んでいます。
パーソナリティ障害や、複雑化する発達障害、さらにはうつ病から不安障害、依存症まで、
実はその根本部分にはこの愛着障害が隠れていることが多いとも言われており、
不可解で原因不明なメンタル面の問題の根っこには幼少期の体験があるかもしれません。
また、「愛着障害」には程度の差こそあれ、効率重視の社会の中で子供との愛着作りという発想の優先度が下がってしまった環境の中で育った私たちは、
およそ全体の三分の一の人が軽度の愛着障害であるとも言われており、
「アダルトチルドレン」と呼べる大人は非常に多くいます。
そこで今日の記事では、そもそも「愛着障害」や「アダルトチルドレン」と呼ばれる状態は一体何なのか、またその原因は何か、そして一体どうすれば状況を改善していくことができるのか、
その方法について解説していきます。
この記事を読むことで、不可解なメンタル面の不調の根本部分について、
何か発見や気づきがあるかもしれません。
是非最後までお付き合いください。
愛着障害とは?アダルトチルドレンとは?
愛着障害とアダルトチルドレンの違い
実は、この愛着障害やアダルトチルドレンという言葉は、はっきりとした使い分けがされることなく、似た様な文脈で使われることが多い言葉です。
そこでこの記事では、愛着障害とは病名であり、アダルトチルドレンとは状態を指す言葉として話を進めていきます。
ただ、いずれにしてもそこには幼少期の親との愛着の問題があり、「愛着」とは一体何か、そして親との愛着がなぜ大切なのかを理解することはそのまま、愛着障害やアダルトチルドレンといった言葉を理解する一歩となります。
それではまず、愛着とはどういうものか、どのように形成されるのかについて解説していきます。
愛着の形成とは
愛着の形成とは、親と子など、特別に選ばれたある一人の人物との関係が、疑いようもない信頼と安心の中で強く確立されていくプロセスのことです。
私たちは、成長する過程で、子供が助けを求めたとき、慰めを与え、安心と包容で包むことで、子供はその保育者との間に揺るぎない愛着を育んでいきます。ここで重要なのは、何人もの保育者が関わることではなく、特別に選ばれた保育者との間に、しっかりと愛着を育むことです。
特別に選ばれた保育者を、この記事では仮に母親として話を進めていきましょう。
子供は母親との間に愛着を育むことができると、母親の存在を安全基地として認識します。安全基地があることで、世界は安心できる場所で、人は自分の助けとなってくれるものだと信じることができます。そして、そうした安全基地がいつも近くにあるという安心感によって、子供は好奇心旺盛に外の世界で行動することができるのです。
このような愛着を幼少期に形成できた人は、安定した「愛着スタイル」を持つ人と呼ばれます。
安定した愛着スタイルを持つと、社会生活で必要となる対人関係だけでなく、家庭での愛情生活においても高い適応性を持つことができます。
アダルトチルドレンが生まれる仕組み
しかし、幼少期に愛着関係がうまく築けず、「親に認められたい、愛されたい」という満たされなかった思いを心の奥底に抑圧したまま大人になってしまうと、どうなるでしょうか。
そうした状態は「アダルトチルドレン」と呼ばれ、「愛着回避」と「愛着不安」と呼ばれる状態となって表面化します。
「愛着回避」とは、親密な対人関係を避ける傾向であり、
「愛着不安」とは、親密な関係を持っていても不安になりもっと完全な親密さや、依存できる関係を求めようとする傾向です。
それら2つに共通するのは対人関係上での問題に悩まされるということでありますが、
- ストレスに敏感
- 健康に優れない
- 精神的に危機に陥りやすい
といった特徴を持つようになってしまいます。
それではいったい何が原因で「愛着障害」は引き起こされ、「アダルトチルドレン」へとなってしまうのでしょうか。もう少しその原因について掘り下げて考えてみましょう。
愛着障害になる原因とは何か
その原因を端的に言うなれば、それは幼少期に特定の人物との親密な関係性が築けなかった結果、心の中に「安全基地」とも呼べる場所が形成されなかったことにあります。
安全基地とは、そこに戻りさえすれば完全に守られる場所のことです。
この安全基地の感覚がどのように作られるのかというと、時期としては主に生後半年から一歳半までの間、母親との十分なスキンシップを取り続け、求めさえすれば無条件にいつでも応えてもらえ守ってもらえるという、母親との強固な心理的結びつきによってです。
こうした物心がつくはるか以前の体験によって脳の奥深くに組み込まれる、安心感や信頼感とも呼べるものが、愛着の正体であり架空の安全基地として大人になっても心の奥底に残り続けます。
しかし、なんらかの原因によって、こうした安全基地の感覚が培われないまま幼少期を過ぎてしまう人も多くいます。
それは例えば、
- 死別などの理由による愛着対象の不在
- 愛着対象からの虐待や無視
などです。そうした原因が認められる時、それは「反応性愛着障害」と呼ばれ、程度としては重い愛着障害へとつながる可能性が潜んでいます。
しかし、そうした明らかともいえる原因が見当たらない人であっても、アダルトチルドレンと呼べる状態の大人は実は多くおり、3人に1人は軽度の愛着障害であると言われています。
その原因は冒頭でも述べた通り、この合理主義的な社会の中で、「愛着」という一見非効率的な営みへの軽視の結果、どこか満たされない心を抱えたまま幼少期を過ごしてしまった人が多くいることが原因であると考えられています。
つまり、「アダルトチルドレン」と呼ばれる状態は意外と身近なものであり、根本的な原因が分からないメンタル面の問題には、この愛着の問題が隠されているかもしれないのです。
「アダルトチルドレン」の自分とどう向き合うべきか
それでは、自分が「アダルトチルドレン」の傾向を持っている時、いったいどのように自分と向き合えばよいのでしょうか。
この記事では、その方法として、3つご紹介したいと思います。
- 自分で安全基地を作る
- 社会的役割と責任を持つ
- 自分が自分の親になる
順番にご説明しましょう。
1. 自分で安全基地を作る
愛着障害とは、ここまでご説明した通り、無条件の安心感や信頼感とも呼べる架空の安全基地を自分の心の奥底に作ることができなかった問題であるともいえます。
であるならば、愛着障害を克服するうえで重要な安全基地を、大人になった今、自分で作ってしまいましょう。
安全基地の条件には、このようなものがあります。
- 安全感を保証する
- 感受性、共感性がある
- 応答性がある
- 安定性がある
そして一番大切なのが、これら4つの条件が整った「何でも話せる」という状態です。
何でも話せる人を持つことが心身の健康のためにも、愛着障害の克服にも必要なのです。
友達、家族、恋人、パートナーなど身近な人や、教師、カウンセラーなどの専門家でも、OKです。大切なのは、傷つけられたり、説教されたり、秘密を漏らされたりする心配なく「何でも話せる」ことです。
ただ、身の回りに安全基地となる存在を全く持たない人もいると思います。そんな時は、本やネットの世界でもOKです。自分を表現し、それに対して応答してもらえる「ブログ」や「SNS」は安全基地となる要素を十分に備えています。
2. 社会的役割と責任を持つ
自分がやるべき役割を担い、それを果たそうと奮闘するうちに、周囲の人との関係が安定し、さらには親密な人との愛着関係も次第に安定していくことがあります。
それは例えば、仕事場であったり、サークル活動、そのほか自分が属するコミュニティにおいて、自分の立場や責任を認識し、それをまっとうする中で、他者との間に「安心感」や「信頼感」が形成されていきます。
そうした「安心感」や「信頼感」というのは、自分の心の中に架空の「安全基地」を作っていくことにつながります。
そうした安全基地の感覚を、社会の中でも持てるようになることで、アダルトチルドレンである自分を克服していくことにつながっていくのです。
3. 自分が自分の親になる
身近な人の保護や導き、本やネットの世界も期待できないという場合、 愛着障害を克服するための究極の方法は「自分が自分の親になる」という方法です。
「誰か」に認められたい、「誰か」に否定されることが辛いと感じるならば、その「誰か」に左右されるのを止めてしまいましょう。 自分が自分の親となり、親としてどうアドバイスするかを考え、自分の中の親と相談しながら生きていきます。そうするなかで「私はこれでいいんだ」と納得することができれば、自暴自棄な考えや否定的な気分に陥るのを避けることができます。
「自分は自分」と受け入れ、さらには、自分にとって重要な他者に受け入れられるプロセスをもう一度やり直すことで
- 他者に受け入れられなかった
- 同時に自分を受け入れることにも躓いてしまった
といった愛着障害の原因を、少しずつでも克服していきましょう。
必要な時には人に頼ることができ、だからといって相手に従属するのではなく、対等な人間関係を保つことができる状態
つまり愛着障害を克服するということは、「一人の人間として自立する」ということなのです。
まとめ
以上、いかがでしたか?
今日の記事では、愛着障害や「アダルトチルドレン」とは一体どのようなもので、何が原因で、どうすれば克服できるか、について紹介してきました。
かの文豪、夏目漱石も、川端康成も、太宰治も、愛着障害を抱えていたと言われています。愛着障害は、自分の人生をオリジナルに生き抜く原動力となりえます。
そして、愛着の問題は、後天的なものであり、乗り越え克服し、新しい愛着のスタイルへと変えていくことができる問題です。
自分の愛着スタイルと向き合い克服することで、愛着障害により感じてきた悲しみや苦しみを、愛する喜びに変えていくことができます。
自分は愛着障害かもしれない、アダルトチルドレンかもしれないと感じる方は、今日紹介した方法をメモして、前向きな一歩を踏み出していきましょう。
この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
- 愛着障害は病名であり、アダルトチルドレンとは状態を指す
- 親の愛を求める子供心が満たされることなく大人になってしまった状態
- 幼少期の親との愛着の問題があり、愛着とは何かについての理解が解決への1歩となる
- 愛着回避と愛着不安と呼ばれる状態となり表面化する
- 愛着とは、愛着の形成とは
- 親と子など特別に選ばれたある1人の人物との関係が疑いようもない信頼と安心の中で強く確立されていくプロセス
- 心の奥底に安全基地とも呼べる場所が形成される
- 物心がつく遥か以前の体験によって脳の奥深くに組み込まれる安心感や信頼感が愛着の正体であり安全基地となる
- アダルトチルドレンになる原因
- 死別などの理由により愛着対象が不在
- 愛着対象からの虐待や無視
- その他軽度のアダルトチルドレンは3人に1人いると言われている
・効率重視の社会の中で愛着形成の軽視が問題
- アダルトチルドレンの自分と向き合う方法
- 自分で安全基地を作る
・何でも話せる関係性を作る - 社会的役割と責任を持つ
・安心感や信頼感を得られる居場所を自分で確立していく - 自分が自分の親になる
・自分は自分と受け入れ、私はこれでいいんだと納得する
・自分にとって重要な他者に受け入れられるプロセスをもう一度やり直す
- 自分で安全基地を作る
P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。
参考書籍:
岡田 尊司(2011) 愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ 光文社新書
岡田 尊司(2016) 愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる 光文社新書
アスク・ヒューマン・ケア研修相談室 (1997) アダルト・チャイルドが人生を変えていく本 アスク・ヒューマン・ケア
アスク・ヒューマン・ケア研修相談室 (1997) アダルト・チャイルドが自分と向きあう本 アスク・ヒューマン・ケア