スキーマ療法とは, 早期不適応的スキーマ,

スキーマ療法とは?早期不適応的スキーマの5領域と18パターン

  • スキーマ療法の基本を分かりやすく解説!
  • 幼少期の感情欲求に起因する「不適応的スキーマの18パターン」がわかる!
  • 「生きづらさ」を根本から変えるヒントが見つかる!
この記事では認知行動療法の進化型とも呼ばれる「スキーマ療法」について、
一般的に分かりやすく解説していきます。

もしもあなたが何らかの「生きづらさ」に苦しんでいるとしたら、
今回ご紹介するスキーマ療法の考え方を是非取り入れてみてください。
前向きな解決策が見つかるかもしれません。

 

「スキーマ療法」について分かりやすく解説!

みなさんこんにちは!

今日の記事では認知行動療法の進化型とも呼ばれる「スキーマ療法」について、それを一般的に分かりやすく解説していきます。

突然ですが、皆さんにはどこか「生きづらさ」を感じてしまうような心の癖はありませんか?

例えば、

  • なぜか人と意見や気持ちがぶつかり合う事が多い
  • なぜか自分を責めるような思考になりやすい
  • なぜか物事のネガティブな面を見てしまう

それ以外にも、染み付いた癖のように、治したくてもなかなか治せないメンタル的な問題があるという方は多いのではないでしょうか。

今日紹介する「スキーマ療法」では、そうした自分の心の癖の奥深くに潜む背景に迫ります。

そして、心の体質改善とも呼べる方法を紹介していきます。

それは、一時的な問題解決ではなく、問題を再発させない方法です。

  • 自分の生き方に漠然と問題を感じている
  • 自分の何かを変えようとしている
  • 自分を変えるための行動を始めようとしている

そのような方にとって、今日の内容は役に立つ内容が多いでしょう。

是非最後までお楽しみください。

スキーマ療法とは

スキーマ療法とは、アメリカの心理学者、ジェフリー・ヤング博士が考案した心理療法で、認知行動療法を発展させたものです。

以前、下記の記事で認知行動療法について詳しく解説しましたが、
認知行動療法を応急処置とすると、スキーマ療法は根本処置です。

関連記事

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認知行動療法

例えば、メンタルの問題を顔にできたニキビに例えると、

認知行動療法はニキビクリームの役割を、
スキーマ療法はサプリの摂取や生活リズムの見直しなど体の内側から治していく体質改善の役割に近いと言えます。

そのため、スキーマ療法は、心の体質改善とも呼ばれるのです。

さて、そもそもスキーマとは、「構造」を意味する英語で、心理学の世界では思考の土台となっている「価値観やルール」のことを指します。

私たちは、誰しもが無意識的にそうした価値観やルールを土台に、物事を判断し、行動します。

その流れをもっと詳しく見ると、

まず五感を通して物事を体験します。すると、すでに持っているスキーマに応じて、自動的に思考が生まれます。そこから喜怒哀楽の感情や身体反応が生じ、そして行動に繋がっているのです。

この一連の流れの中で、最初のスキーマの部分に修正を加えるのがスキーマ療法です。

そして、スキーマ療法の対象となるのは主に、冒頭でも述べたような「生きづらさ」の原因ともなっている「心の癖」であり、それは「不適応的スキーマ」と呼ばれます。

この不適応的スキーマは一般的に、私たちの子供時代に形成されます。
そのため、スキーマの正体を探るためには自分の幼少期の経験を見ていくことになります。

ただ、生まれ持った特徴や、思春期や大人になってからのトラウマ体験からも影響を受け形成されていきます。

そんな不適応的スキーマは、これから紹介するように5つの領域に渡って分類が可能です。

思い当たる節のあるスキーマが無いか、一緒に見ていきましょう。

5つの領域に広がる不適応的スキーマのパターン

これから紹介する5つの領域というのは、私たちが幼少期に持つ5つの根本的な感情欲求が満たされなかった結果それぞれ現れるとされます。

それは、

  • 感情欲求①愛してもらいたい
  • 感情欲求②有能な人間になりたい
  • 感情欲求③感情や思いを自由に表現したい
  • 感情欲求④自由にのびのび生きたい
  • 感情欲求⑤自律のできる人間になりたい

そして、それらの欲求が満たされないと、それぞれ次の5つの領域に対応して不適応的スキーマが形成されます。

  • 第一領域:「ひとりぼっち・つながれない」スキーマ
  • 第二領域:「自信がない・一人じゃできない」スキーマ
  • 第三領域:「自分より他者優先」スキーマ
  • 第四領域:「がんじがらめ」スキーマ
  • 第五領域:「野放し」スキーマ

さらに、これら5つの領域の中にはさらに細かいスキーマが存在しています。

「愛してもらいたい」という欲求が満たされずに生じる第一領域「ひとりぼっち・つながれない」スキーマの中には、

  • 人はみんな私を見捨てる「見捨てられスキーマ」
  • 人は私を攻撃してくる「不信・虐待スキーマ」
  • 人は私を愛してくれない「愛してもらえないスキーマ」
  • 私は人として欠陥している「欠陥・恥スキーマ」
  • 私はいつもひとりぼっち「孤立スキーマ」

「有能な人間になりたい」という欲求が満たされずに生じる第二領域「自信がない・一人じゃできない」スキーマの中には、

  • 私は一人では何もできない「無能・依存スキーマ」
  • 私は弱い存在ですぐやられる「私は弱者だスキーマ」
  • 誰かに同調できないと安心できない「巻き込まれスキーマ」
  • 私は何をやっても失敗する「失敗スキーマ」

「感情や思いを自由に表現したい」という欲求が満たされずに生じる第三領域「自分より他者優先」スキーマの中には、

  • 嫌われたくないから服従する「服従スキーマ」
  • 自分を犠牲にしても他者を優先すべき「自己犠牲スキーマ」
  • 周りからの評価を異常に気にする「評価されたいスキーマ」

「自由にのびのび生きたい」という欲求が満たされずに生じる第四領域の「がんじがらめ」スキーマの中には、

  • どうせいいことなんてない「否定・悲観スキーマ」
  • 感情を外に出さない方がよい「感情抑制スキーマ」
  • すべてにおいてちゃんとすべき「完璧主義スキーマ」
  • 失敗したら罰を受けるべき「罰スキーマ」

「自律のできる人間になりたい」という欲求が満たされずに生じる第五領域の「野放し」スキーマの中には、

  • 私は特別扱いされるべき「俺様・女王様スキーマ」
  • 我慢なんてしないで好き勝手やるべき「コントロール不能スキーマ」

以上が、スキーマ療法で扱われる不適応的スキーマの18パターンです。

ここまでの話を聞きながら、「それ自分かも」とグッときたものがあれば、そのスキーマを持っているかもしれません。

ただ注意点として、その傾向が「人生の生きづらさ」につながっているわけではないのでしたら、それは個性の範疇であると言えます。

もし、グッときたその傾向が、「人生の生きづらさ」につながっているようでしたら、これから紹介する方法を実践して心の体質改善に取り組んでみましょう。

ちなみに、先ほど紹介した18パターンは動画概要欄にメモしておりますので、
後ほど改めて確認してみてください。

スキーマ療法の3ステップ

スキーマ療法とは, 早期不適応的スキーマ,

まず初めに。自分がもつスキーマとは無理に戦おうとしたり、慌てて取り除こうとしなくても大丈夫です。

実は、スキーマの存在に気づき、自分の中で何が起きているのかに気づくだけで、
その影響力を大幅に弱めることができるのです。

その上で、これからスキーマ療法の方法を3ステップに分けて紹介していきます。

ステップ① 自分の中で起こっていることに気づく

さて、スキーマ療法には「モード」という概念があります。これはその人がある時に経験する瞬間的な心の状態のことを言います。

最初のステップでは、このモードの概念を使って自分の内面で起きていることに気づきます。

登場するモードは2つで、「傷ついた子供モード」と、「傷つける大人モード」です。

先ほどの5つの根本的な感情欲求のいずれかが満たされないでいる状態が強く出ているのが「傷ついた子供モード」。

そして、そんな傷ついた子供モードに対して、さらに責め立てるように強く出てくるのが「傷つける大人モード」。

例えば、Aさんは、根本的な感情欲求の「愛してもらいたい」という欲求が満たされずに大人になりました。その結果、不適応的スキーマとして、第一領域「ひとりぼっち・つながれない」スキーマの中の、人は私を攻撃してくると思ってしまう「不信・虐待スキーマ」を持っているとしましょう。

Aさんは、会社の企画会議の中で自分のアイデアを発表しましたが、それに対して否定的な意見が出てきました。この時Aさんは、「自分は今、会議でみんなに責められそうだ!」と、とっさに反応し、否定的な意見を言ってきた相手に対して間髪入れずにまくし立てるように反論しました。その結果、会議の雰囲気が悪くなってしまい、後々自分の発言を後悔しさらに苦しむことに。。。

この時、Aさんの内面で何が起きていたのかというと、

「愛してもらいたいのに愛してもらえなかった」という傷ついた子供と、
その傷ついた子供に対して「お前は愛されない、そして周りはみんなお前を敵だと思っているぞ!」という傷つける大人がいました。

そのため、会議の場で過剰に反応してしまったのです。

これはあくまでも一例ですが、

不適応的スキーマが悪さをする時、その内面には「傷ついた子供」と「傷つける大人」がいます。

ステップ② 健全な大人モードを育てる

ステップ①で、自分の内面にいる「傷ついた子供」と「傷つける大人」の存在に気づいた後は、今度は「健全な大人モード」を登場させます。

健全な大人モードとは、どんな時も味方になり、いつも自分を理解してくれ、そして正しい方向に導いてくれ、自分の幸せを願い、一人の人間として認め、何があっても見捨てずに守ってくれる存在です。

イメージとしては、傷ついた子供と、傷つける大人の間に割り込み、傷つける大人を追い払い、傷ついた子供を抱きしめてあげるのが健全な大人モードの役割です。

そのためには、自分が自分の親になったイメージをもち、

  • どうしたの?
  • 何があったの?
  • どうしたいの?

と傷ついた子供に優しく声をかけてあげましょう。

その上で、

  • これ以上傷つけるな!
  • この場から出て行け!

と傷つける大人を追い払いましょう。

ステップ③ 不適応的スキーマを反転させる

ここまでのステップ1とステップ2によって、不適応的スキーマの威力は弱まっています。

そこで次に、自分の中にある不適応的スキーマを反転させます。

そのためには、

  • 必ずしもそうではない理由
  • スキーマを逆転できる理由

について考えます。

先ほどの例の、人は私を攻撃してくると思ってしまう「不信・虐待スキーマ」を逆転させるには、

必ずしも、人は自分を攻撃してくるわけではないことを自分に言い聞かせ、そう言える理由を探します。
実際その日、会社に来るまでに何人もの人とすれ違ったにもかかわらず、誰からも攻撃されていないことでしょう。

そして「不信・虐待スキーマ」を逆転させ、「人は信じられるし、虐待してくるわけではない」と考えを改めます。その理由として、過去に約束を守ってもらえた時のこと、そして優しくしてもらえた時のことを思い出します。

このように、自分の中にある不適応的スキーマを反転させ、新しいスキーマを作っていくようにします。

以上の3ステップが、スキーマ療法の大まかな流れです。

一度ではだめでも、何度も繰り返す中で徐々に自分のスキーマを上書きすることが可能です。

不適応スキーマではなく、ハッピースキーマを育てていくというつもりで、何度も繰り返すことで、

気づいた時には以前のようには反応しない自分になっていることに気付けるのです。

まとめ

以上いかがでしたか?

今日の記事では、スキーマ療法について紹介しました。

自分の中にあるスキーマというのは、その存在に意識的にならない限り到底気づけないものです。
そのため、今更疑う余地のない当たり前の事として自分の奥深くに潜んでいるかもしれません。

ただ、そのスキーマが「人生の生きづらさに」つながっているのでしたら、今日紹介したスキーマ療法の考え方を是非取り入れてみてください。

ちなみに、今日の記事と関連して、

こちらの動画でも、認知行動療法の考え方に基づいたメンタル改善の方法を解説しております。是非合わせてご覧ください。

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この記事の内容がなにか一つでもあなたのお役にたてておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

 

・スキーマ療法とは
 ・アメリカの心理学者、ジェフリー・ヤング博士が考案した心理療法
 ・スキーマとは、思考の土台となっている「価値観やルール」のこと
 ・スキーマ療法の対象となるのは主に、「生きづらさ」の原因ともなっている「不適応的スキーマ」
 ・幼少期に感情欲求が満たされないと、
  それぞれの領域に対応して18パターンの不適応的スキーマが形成される

 ・スキーマ療法で扱われる不適応的スキーマの18パターン
  ・第一領域「ひとりぼっち・つながれない」スキーマ
  (「愛してもらいたい」という欲求が満たされずに生じる)
   ・人はみんな私を見捨てる「見捨てられスキーマ」
   ・人は私を攻撃してくる「不信・虐待スキーマ」
   ・人は私を愛してくれない「愛してもらえないスキーマ」
   ・私は人として欠陥している「欠陥・恥スキーマ」
   ・私はいつもひとりぼっち「孤立スキーマ」

 ・第二領域「自信がない・一人じゃできない」スキーマ
  (「有能な人間になりたい」という欲求が満たされずに生じる)
   ・私は一人では何もできない「無能・依存スキーマ」
   ・私は弱い存在ですぐやられる「私は弱者だスキーマ」
   ・誰かに同調できないと安心できない「巻き込まれスキーマ」
   ・私は何をやっても失敗する「失敗スキーマ」

 ・第三領域「自分より他者優先」スキーマ
  (「感情や思いを自由に表現したい」という欲求が満たされずに生じる)
   ・嫌われたくないから服従する「服従スキーマ」
   ・自分を犠牲にしても他者を優先すべき「自己犠牲スキーマ」
   ・周りからの評価を異常に気にする「評価されたいスキーマ」

 ・第四領域「がんじがらめ」スキーマ
  (「自由にのびのび生きたい」という欲求が満たされずに生じる)
   ・どうせいいことなんてない「否定・悲観スキーマ」
   ・感情を外に出さない方がよい「感情抑制スキーマ」
   ・すべてにおいてちゃんとすべき「完璧主義スキーマ」
   ・失敗したら罰を受けるべき「罰スキーマ」

 ・第五領域「野放し」スキーマ
  (「自律のできる人間になりたい」という欲求が満たされずに生じる)
   ・私は特別扱いされるべき「俺様・女王様スキーマ」
   ・我慢なんてしないで好き勝手やるべき「コントロール不能スキーマ」

・スキーマ療法の3ステップ
 ・ステップ① 自分の中で起こっていることに気づく
  ・不適応的スキーマが悪さをする時、
   その内面には「傷ついた子供」と「傷つける大人」がいることに気づく
  ・「傷ついた子供モード」 :感情欲求のいずれかが満たされないでいる状態
  ・「傷つける大人モード」 :傷ついた子供モードに対して、
               さらに責め立てるように強く出てくる
 ・ステップ② 健全な大人モードを育てる
  ・「健全な大人モード」:どんな時も味方になり、いつも自分を理解してくれ、
              そして正しい方向に導いてくれ、 自分の幸せを願い、
              一人の人間として認め、
              何があっても見捨てずに守ってくれる存在
  ・自分が自分の親になったイメージをもち、
    「どうしたの?」「何があったの?」「どうしたいの?」
   と「傷ついた子供」に優しく声をかけてあげ、「傷つける大人」を追い払う
 ・ステップ③ 不適応的スキーマを反転させる
  ・必ずしもそうではない理由・スキーマを逆転できる理由について考え、
   自分の中にある不適応的スキーマを反転させる

 

 

参考書籍:
伊藤絵美 (監修)(2018)心の体質改善「スキーマ療法」自習ガイド アスクセレクション アスク・ヒューマン・ケア
ジェフリー・E. ヤング (著), マジョリエ・E. ウェイシャー (著), ジャネット・S. クロスコ (著), 伊藤絵美 (翻訳)(2008)スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ 金剛出版