双極性障害とは

【双極性障害とは】症状と原因そして診断について(躁鬱病は治る)

  • 双極性障害(躁鬱病)とは何かその症状が分かる!
  • 双極性障害(躁鬱病)の原因から診断が分かる!
  • 双極性障害(躁鬱病)を治すためにどのような治療が行われるのかが分かる!

この記事では、双極性障害(躁鬱病、双極症)と呼ばれる脳の症状について、それが一体どのような症状なのか、また原因から診断・治療について解説をしていきます。

双極性障害・躁鬱病・双極症

双極性障害、躁鬱病

みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです。

今日の記事では、双極性障害、躁鬱病とも呼ばれる脳の症状について解説をしていきます。

人は誰しも、気分の浮き沈みというものがありますが、
その浮き沈みの程度が常軌を逸し、

社会生活に対して支障をきたしてしまうのなら、
それは治療の必要な状態であると言えます。

実は、この症状は何も特別なものではなく、100人に2-3人はいるとされ、
また潜在的な予備軍も含めると、実は私たちの身近に潜む問題であると言えます。

今日の動画では、そんな双極性障害、躁鬱病、双極症とも呼ばれる脳の症状に焦点を当て、
それが一体どういう状態なのか、またその原因およびそうなってしまった時どうすれば良いのかというお話をしていきます。

双極性障害とは

双極性障害の症状

双極性障害とは、気分の浮き沈みを遥かに超えた激しく病的な状態が繰り返し交互に現れる症状のことです。

自分に不可能なことはない、という躁状態と呼ばれる異常な高揚感に見舞われたかと思うと、
そこから一転して今度は自分が生きていること自体が他人に迷惑をかけているといった、鬱状態の間を行ったり来たりします。

このように、躁状態とうつ状態という両極端な間を振り子のように揺れてしまうのが双極性障害です。

双極性障害は、躁鬱病とも呼ばれますが、最近では、障害や病気と名がつくことへの語弊から、
双極症と呼ばれるようになっています。

症状ということは、それは治療して治すことができるというわけです。

双極性障害は、心の問題であったり、性格的な問題であると思われがちですが、
歴とした脳の症状です。

そして、双極性障害には、激しい躁状態が特徴的な一型と、比較的軽い躁状態と長いうつ状態が続く二型とがあります。

躁状態とは

躁状態というのは、例えば次のような状態になる事を言います。

  • 誇大妄想をして万能感に溢れる
  • 睡眠欲求が減少して睡眠時間が短くても活力を感じる
  • 非常によく喋るようになる
  • 思考が高速に回りアイデアが次々に出てくる
  • 一方で注意力が散漫して集中できない

そして、その結果として、

無謀な挑戦や、横暴な態度、後先を考えない破滅的な行為に及んでしまいがちです。

うつ状態とは

一方で、うつ状態というのは例えば次のような状態になることを言います。

  • 眠れない、もしくは寝すぎる
  • 憂鬱な気分が続き、特に朝がひどい
  • 頭が動いてくれないと感じる
  • 何をしても楽しくないし、何事にも興味を持てない
  • 自己否定感、自殺願望などを感じる

など、思考面、感情面、身体面の全てでエネルギー切れのような状態になってしまいます。

そして、

この両極端とも言える状態、そしてそのどちらでも無い安定した状態とを、
数ヶ月のスパン、もしくは人によってはもっと短いスパンで繰り返してしまいます。

躁状態というのは、一見絶好調モードに思えてしまうかもしれませんが、
それは好調とはとても言えるような状態ではありません。

そう状態は自分が何をしでかすか分からず怖い状態で、
うつ状態は生きているのが億劫でつらい状態です。

躁状態の時に引き受けた責任や始めた取り組み、また起こしてしまったトラブルや問題を、
うつ状態の時の自分が尻拭いしていくのはとてもじゃありませんが不可能に近く、

そのことがさらにうつ状態を悪化させてしまう要因になっています。

それでは一体、どうして、そしてなぜ、双極性障害になってしまうのでしょうか。

次に、その原因面を見ていきましょう。

双極性障害の診断(躁鬱病診断)

双極性障害かどうかを診断することは非常に難しいのですが、
ここでは大まかな目安として自己診断の着眼点を紹介します。

強い躁状態とうつ状態が繰り返されるのなら一型。
軽躁状態と長いうつ状態が繰り返されるのなら二型と判断されます。

躁状態の診断

① 気分が持続的に高揚し興奮状態になる状態が少なくとも1週間以上、ほぼ毎日続いている

② 以下の項目のうち少なくとも3つ以上が当てはまる

– 自尊心が肥大化する
– 睡眠欲求が減少している
– 普段よりも多弁になっている
– 思考が高速化し色々な考えが湧いてくる
– 注意がいつもより散漫になっている
– 焦りをいつもより感じる
-良からぬ結果につながる活動に夢中になる

③ 社会生活的に障害を起こしている

軽躁状態の診断

① 気分が持続的に高揚し興奮状態になる状態が少なくとも4日以上、ほぼ毎日続いている

② 以下の項目のうち少なくとも3つ以上が当てはまる

– 自尊心が肥大化する
– 睡眠欲求が減少している
– 普段よりも多弁になっている
– 思考が高速化し色々な考えが湧いてくる
– 注意がいつもより散漫になっている
– 焦りをいつもより感じる
-良からぬ結果につながる活動に夢中になる

③ 明らかな能力的な変化がある

④ 社会的・職業的に致命的な支障をきたすほどではない

うつ状態の診断

① 以下の症状のうち5つ以上当てはまる

– 抑うつ気分が続く
– 興味や喜びの感情がなくなっている
– 体重の増減があり食欲に異常がある
– 寝れない、もしくは寝過ぎてしまう
– 焦燥感にかられている
– 慢性的な疲労感を感じている
– 無価値観に苛まれている
– 思考力・集中力が低下している
– 希死念慮がある

(参照)【精神科医が解説】双極性障害(躁うつ病)の症状・診断・治療について(元住吉こころみクリニック)

双極性障害になる原因とは

双極性障害の原因

双極性障害が発症する原因を一つに特定することはできません。
なぜならば、そこには様々な要素が複雑に重なり合っているからです。

ただ、

そうした複雑な要素をあえてシンプルに図式化するとこのようになります。

まず、
生まれ持った性格、気質、遺伝的な問題があります。

ここに、幼少期から成人期にかけての成長過程での体験や教育といったものが加わり、
ストレスに対する強さ・弱さというものが後天的に作られていきます。

そしてさらに、社会生活の中でのストレスであったり、身体的な病気、また体調の変化というものが加わり、
結果として脳内の状態が変化し、双極性障害が発症します。

双極性障害が発症するまでには複雑な要素がありますが、
発症の引き金となるのは、「大きなストレス」であるとされています。

双極性障害になりやすい性格

また、双極性障害になりやすい性格としては、循環型気質という性格が挙げられており、
これは、

社交的で親しみやすく、ユーモアもあり活動的であるといった熱しやすい一方で、
気弱で穏やかで、寂しがり屋な側面も持っている人に多いとされています。

また、

双極性障害というのは、ある特定のラインを超えた瞬間から発症というようなものではなく、
そこに至るまでのグレーゾーンとも呼べる状態があります。

双極性障害と診断されるレベルで両極端な間を行ったり来たりするまでには行かなくても、
気分がとても高まる時期と、気分がとても下がってしまう時期を繰り返しがちという方は、

気分循環性障害という気分障害である可能性も高く、
双極症に移行しやすいとされています。

ただ、双極性障害というのはあくまでも脳の障害であり、治療することが可能な症状です。

それでは一体どのように治すのでしょうか。

次に、双極性障害治療に関しての簡単な知識をご紹介します。

精神科における双極性障害の治療に関して

双極性障害の治し方

精神科における双極性障害の治療は、現時点では薬物療法と心理社会的治療とが中心となっています。

つまり、薬による治療と、心理的、社会的な治療とを合わせながら行なっていきます。

薬物治療について

薬による治療に関しての詳しい解説はここではできません。
なぜならば、クスリの組み合わせには多くの選択肢があり、人によって効果も異なるからです。

ただ大まかに言うならば、
気分を安定させる薬をメインに、精神機能に働きかけるクスリを状況に応じて処方していきます。

また、注意点としては、

同じうつ状態であっても、うつ病と双極性障害のうつ状態というのは性質の異なるものであり、
治療方法も異なるということです。

実は、双極性障害を診断して特定するのは難しく、
最初はうつ病と診断され、後ほど双極性障害であったと診断されるケースが多くあります。

双極性障害の人にうつ病の治療をしてしまっては双極性障害の症状を大きくしてしまうため注意が必要です。

心理社会的治療について

そして、もう一つの主軸が

心理社会的治療となります。

心理社会的治療として、ここでは認知行動療法と対人関係・社会リズム療法を紹介します。

認知行動療法とは

認知行動療法とは、うつ状態に陥りやすい考え方のクセを自覚して修正できるようにする方法です。

うつ病になりやすい否定的な自動思考のパターンとしては次のようなものがあります。

  1. 過剰な一般化(一つの事を全てに当てはめてしまう思考のクセ)
  2. 「全て」か「無」の思考(白黒つけないと気が済まない思考のクセ)
  3. 他人軸思考(他人の気持ちや意図ばかりを考えてしまう思考のクセ)
  4. 〇〇すべきだ思考(絶対に〇〇でなくてはいけない、と決めかかってしまう思考のクセ)
  5. ネガティブな思い込み思考(私はダメな人間だ、などと決めつけてしまう思考のクセ)

このような思考のクセを治していくのが認知行動療法です。

また、自分のネガティブな思考パターンを変えていく方法については、
こちらの記事でも解説をしていますので是非合わせてご視聴ください。

関連記事

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マイナス思考を克服

対人関係・社会リズム療法

そして、

対人関係・社会リズム療法とは、対人関係療法と社会リズム療法とを合わせた療法です。

これは、人間関係の不調や、生活リズムの乱れが、双極性障害を再発・悪化させる引き金となるのを防ぐためです。

対人関係療法では、双極症の人をとりまく現在の人間関係を中心に、カウンセリングを重ね、対人関係のパターンを変えていきます。
社会リズム療法では、寝る、起きる、食べる、動く、といった日常のリズムを整え、乱れないようにしていきます。

先ほど述べた、認知行動療法も合わせ、それらの対人関係療法、社会リズム療法については、
この記事の長さではこれ以上解説できないので、

今後一つずつ深掘りして解説していく予定です。

まとめ

双極性障害の診断まとめ

以上いかがでしたか?

今日の記事では、双極性障害、躁鬱病、双極症とよばれる症状について解説をしてきました。

双極性障害という存在を知らないまま、
躁状態とうつ状態との間を行ったり来たりするのは、

当の本人はもちろんのこと、身の回りの人たちも、一体どうすれば良いのか分からず辛い思いをしてしまいます。

しかし、双極症への対処はしっかり存在しており、
正しい知識と正しい対処をしていく中で必ず状況は改善されます。

この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

 

P.S.
当記事の内容はYoutube動画でも解説をしておりますので合わせてご視聴頂けますとより効果的に理解を深めることができます。

  • 躁鬱病とは
    • 気分の浮き沈みを遥かに超えた激しく病的な状態が繰り返し交互に現れる症状
    • 躁状態
      • 誇大妄想をして万能感に溢れる
      • 睡眠欲求が減少して睡眠時間が短くても活力を感じる
      • 非常によく喋るようになる
      • 思考が高速に回りアイデアが次々に出てくる
      • 一方で注意力が散漫して集中できない
    • うつ状態
      • 眠れない、もしくは寝すぎる
      • 憂鬱な気分が続き、特に朝がひどい
      • 頭が動いてくれないと感じる
      • 何をしても楽しくないし、何事にも興味を持てない
      • 自己否定感、自殺願望などを感じる
  • 躁鬱病になる原因
    • 生まれ持った性格、気質、遺伝的な問題
    • 成長過程での体験や教育
    • 社会でのストレス、身体的病気や体調
    • それらが複雑に連関し脳内の状態が変化し躁鬱病が発症する
  • 躁鬱病になるやすい性格
    • 循環型気質
      • 社交的で親しみやすい一方で気弱で穏やか
  • 躁鬱病の治療
    • 薬物療法と心理社会的治療
    • 認知行動療法
    • 対人関係・社会リズム療法

参考文献:
加藤 忠史(2018)これだけは知っておきたい双極性障害 躁・うつに早めに気づき再発を防ぐ! ココロの健康シリーズ 翔泳社
野村 総一郎(2017) 新版 双極性障害のことがよくわかる本 講談社
貝谷 久宣((2013)よくわかる双極性障害(躁うつ病) (こころのクスリBOOKS) 主婦の友社
加藤 忠史(2009)双極性障害―躁うつ病への対処と治療 筑摩書房

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