「学習性無力感」については↑の動画でも詳しく解説をしております!
- どうして無気力が形成されるのかが分かる!
- 無気力がどのような影響を及ぼすかが分かる!
- どうやって無気力から抜け出すかが分かる!
この記事では、「学習性無力感」という状態を解説しながら、無気力状態が生じる仕組みや無気力が及ぼす様々な影響、そしてそこから抜け出す方法をご紹介します。動画と合わせてご覧いただくことで、「鬱っぽい」症状を改善する技法を学ぶことができます!
無気力から抜け出すための方法を解説!
みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです!
突然ですが、みなさんには次のようなお悩みはありませんか?
- がんばらなきゃいけないとは思っているけれど、気力がわいてこない
- 気分がずっと落ち込み気味で希望が持てない
- なんだかずっとうつっぽい
もしかしたら、
それは学習性無力感と呼ばれる状態に陥っているのかもしれません。
学習性無力感はうつ病と密接な関係があります。
解決せずに放っておくと希望や元気が失われてしまいます。
今日の動画では、そんな学習性無力感について紹介し、無気力が形成される仕組みや無気力が及ぼす様々な影響、そしてそこから抜け出す方法をお伝えします。
動画を見終わるころには
自分の無気力の原因およびそこから抜け出すための方法が見えてくるでしょう。
ぜひ最後までお楽しみください。
学習性無力感とは
学習性無力感とは「自分では事態をコントロールできない」「自分は無力である」と言うある種の挫折経験を繰り返した結果、努力をする意欲を失ってしまう現象です。
自分の力ではどうしようもないと繰り返し認識すると、どうにかしようという意欲を失っていきます。
努力しても状況が良くならなかったのだから、これから先も努力したところで何も変わらないとあきらめてしまうのです。
つまり、事態を変えられないという学習、「コントロール不可能性」の学習こそが学習性無力感の根本原因です。
そんな学習性無力感と最も関連の深い疾患として、うつ病が挙げられます。
学習性無力感の特徴である無気力や意欲の低下はうつ病の中心的な症状です。
そのため、学習性無力感はうつ病の発症メカニズムを説明する有力な1つのモデルになり得るのです。
それでは一体どうして人は、学習性無力感とも呼べる状態に陥ってしまうのでしょうか。
次に、そのメカニズムについて見ていきましょう。
学習性無力感に陥るメカニズム
原因帰属の4つのパターン
学習性無力感に陥りやすいのは、物事の原因帰属のあり方に特定のパターンがある時です。原因帰属とは、出来事の原因を何に帰属させるのか、つまり成功や、失敗の原因を何のせいにするかということです。
多くの人は、自分が関わった出来事の結果に対する原因を無意識に、あるいは意識的に考えています。成功した原因は何だったのか、あるいはどうして失敗してしまったのかと考えることで、今後に生かそうとするのです。
このように成功した原因や失敗した原因について考えることは、その後の学習意欲に大きな影響を与えます。
そんな原因帰属は大きく二つの軸から4つの領域に分けられます。
一つの軸は、原因が内的なものなのか、それとも外的なものなのか。
もう一つの軸は、その原因は持続的なものなのか、あるいは一時的なものなのかというものです。
内的・外的という軸は、原因が自分にあるのか、自分以外にあるのかを決めます。そして、持続的・一時的の軸はその原因が今回限りのものなのか、それともこれから先もずっと続くのかを示します。
この二つの軸によって、原因帰属のあり方は次の四つの種類に分けられます。
- 持続的で内的な原因ならば能力のせい
- 持続的で外的な原因ならば課題の困難度のせい
- 一時的で内的な原因ならば努力のせい
- 一時的で外的な原因ならば運のせい
そして人は、失敗の原因が、
自分以外にあると考える時より、自分に内側にあると考えた時、
そしてその原因が一時的なものではなく持続的なものであると思ってしまう時、
その後の気分に対する悪影響が非常に大きいのです。
学習性無力感が生じる仕組み
では、ここまでの知識をもとに、私たちが学習性無力感に陥っていく際の流れを見てみましょう。
それは次のようなステップで進んでいきます。
- 困難な出来事の経験
- その出来事は自分ではコントロール不可能であるという認知
- その原因を内的で持続的な要因に帰属させる
- それと似たような出来事は将来にわたってコントロールできないだろうという予測
- 学習性無力感に陥る
そして、このような原因帰属の方法を何度も繰り返し行っている人は、日常的に出会うささいな失敗さえも同じように内的で持続的の方向に原因帰属させるようになっていきます。
そして、そういった一連の流れが何度も繰り返されるうちに、どのような出来事もどうせコントロールできないと予測するようになります。
結果として、何事に対しても、自分には状況を変える力がないと思うようになり、やる気もなくなり悲観的になっていきます。努力の有無は結果に影響しないと思ってしまうようになるため、行動することに意欲が湧いて来なくなってしまうのです。
この状況は、「うつ病のストレスモデル」と呼べる状態とよく似ています。
何度も何度も同じようなストレス、それも自分ではコントロールすることができないようなストレスを何度もを加えられると、
結局自分が何か努力したところで状況を変えることなんて絶対にできないと思うようになってしまうのです。
無力感を克服する方法
それでは、一体どうすれば無力感を克服できるのでしょうか?
その方法は自分が持っているネガティブな原因帰属のスタイルを変えることです。
そのために効果的な方法を3つ紹介します。
- 無気力に対する免疫をつける
- 楽観主義を身に着ける
- 認知行動療法アプローチを自分で試みる
一つずつ解説していきます。
①無気力に対する免疫をつける
失敗やストレスに対する免疫をつけるためには、出来事は自分の力でコントロールできるという経験や自信が重要です。
学習性無力感のメカニズムの解説でも触れたように、無気力とは自分の努力の有無は結果に対し何らの影響を及ばさないという「コントロール不可能性」の予測から生まれます。
そのため、無力感の克服には状況は自分の努力次第でコントロールできるという認識が必要なのです。
例えば、ストレスになる場面を自分の努力で切り抜けたという経験は自信につながります。
そして、そうした自分の行動に対する自信は学習性無力感に陥りにくい傾向を作ってくれます。
自信をつけるには、過去に培った自信を思い出す作業も重要です。自信がないと思っていても、それは自信を忘れているだけかもしれません。
また、ストレスのない状態にいるだけでは免疫力が付きません。実際にストレスを感じる状況が自分の免疫力を作ってくれるのです。
そのため、自分を強くするためにあえて困難な状況に挑戦してみるといった心持ちを持つことが、無力感に対する免疫力をつけるための効果的な方法になりえます。
③楽観主義を身に着ける
楽観主義はストレスや鬱から自分を守ってくれます。
原因帰属メカニズムの説明で取り上げたように、失敗の原因を内的なものとみなす人は鬱状態に陥りやすい傾向があります。
失敗した原因が実際には外的なものであったとしても、自分のせいであると考えてしまうのです。
そのため、学習性無力感を克服するには失敗の原因は自分にあるという考え方を修正する必要があります。
そのためには、失敗したのは自分のせいではなくて、自分以外の要因にあるんだと楽観的に捉えるようにすれば良いのです。
そのような楽観的な捉え方は、ある意味で現実を客観的に見ていないということです。
しかし、現代においては物事を楽観的にとられたところで基本的に問題がありません。
身の回りの出来事が自分の命を左右する大昔であれば、楽観的な考えは危険でした。
しかし、今日ではネガティブな評価をもらうことはあっても生命には影響のないことばかりです。死ぬこと以外に怖いものはないと考えていれば、恐怖や不安と直面することもありません。
楽観主義を採用する際には、失敗した場合にどうなるかを考えてみるとよいでしょう。
もしも失敗した時の被害がそれほど大きなものではないのならば、楽観主義で行くとよいのです。
③認知行動療法アプローチを自分で試みる
最後は認知行動療法のアプローチを自分で試みてみるという方法です。
認知行動療法のアプローチを行うには、まずABC理論を理解しておくとよいでしょう。
ABC理論とは、A(事実)にB(認知)が入ることでC(感情、行動)が生まれる というものです。
無気力な人は、B(認知)の部分に「~でなくてはいけない」や「~にちがいない」「~じゃないとだめだ!」のような固定的・断定的な言葉が入りやすい傾向にあります。
しかし、そもそもの話、完璧であることなんて難しいわけですから、
そのような白黒つけようとする認知のあり方は、かなりの確率でネガティブな感情を引き起こします。
そのため、何事も白黒つけようとするのではなく、「必ずしも~ではないのでは?」と冷静になって自問するようにしましょう。
そのように自分が持つ原因帰属のスタイルを変えるということは、自分の中にある物事に対する認知のあり方を変えると言う事でもあります。
その意味で、こちらの認知行動療法のアプローチはとても効果的なのです。
ちなみに、認知行動療法の技法に関してはこちらの記事で詳しく解説をしておりますので、ご興味のある方は是非合わせてご覧ください。
まとめ
今日の動画では学習性無力感の紹介とその克服方法を解説しました。
学習性無力感とは
- 困難な事態に直面する
- 何とか乗り越えようと試みるがうまくいかない
- 原因は自分の中にあり、これからも変えられないことと思い込む
これら3つのステップを連続して繰り返した結果、「自分は無力だ」と感じてしまうことです。
そして、その無力感が、ある特定の物事に対するものから、人生全般に対する無力感へと発展していってしまった時、うつ病とも呼べる状態に陥ってしまうのです。
今、何事に対しても無気力で、そんな無気力状態の自分が嫌で嫌でたまらないという人は、
今日紹介した学習性無気力のメカニズムを振り返り、
一体自分は何が原因でこうなってしまったのかを明らかにし、
自分の中にある原因帰属のパターンを修正するように試みてみましょう。
そうする中できっと、無力感に陥る以前の元気な状態へと戻り、
頑張ることへの喜び、挑戦することへのワクワク感を取り戻していくことができるでしょう。
この動画の内容が何か一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の動画でお会いしましょう。
- 学習性無力感とは
- 自分では事態をコントロールできないと言うコントロール不可能性の学習の結果陥る無気力状態のこと
- 無気力や意欲の低下はうつ病の中心的な症状であり、学習性無力感はうつ病の発症メカニズムを説明する有力な1つのモデルになる
- 学習性無力感に陥るメカニズム
- 学習性無力感は、物事の原因帰属のあり方に特定のパターンがあるときに生じる
- 原因帰属の4つのパターン
- 持続的で内的な原因ならば能力のせい
- 持続的で外的な原因ならば課題の困難度のせい
- 一時的で内的な原因ならば努力のせい
- 一時的で外的な原因ならば運のせい
- 物事の原因を、持続的で内的な原因とみなすとき人は学習性無力感に陥りやすい
- 学習性無力感を克服する方法
- 自分のネガティブな原因帰属のスタイルを変える
- 無気力に対する免疫をつける
- ストレスになる場面を自分の努力で切り抜けたと言う経験をはっきりと認識し増やしていく
- 楽観主義を身に付ける
- 失敗の原因を自分以外のせいにしてしまえば良い
- 物事を楽観的に捉えれば学習性無力感に陥るなくなる
- 失敗したときの被害がそれほど大きなものではないのならば、楽観主義で行けば良い
- 認知行動療法アプローチを自分で試みる
- 原因帰属のスタイルを変えると言う事は、自分の中にある物事に対する認知のあり方を変えると言う事
- 何事も白黒つけようとするのではなく、「必ずしも~ではないのでは?」と冷静になって自問
- 自分のネガティブな原因帰属のスタイルを変える
P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。
参考書籍:
大芦 治(2013)無気力なのにはワケがある 心理学が導く克服のヒント NHK出版
岡本 浩一(2004)スランプ克服の法則 PHP研究所