【ノルアドレナリン過剰】頑張りすぎが「うつ」になる理由

この記事では、神経伝達物質の1つである「ノルアドレナリン」の働きについて解説すると同時に、ノルアドレナリンの過剰分泌が鬱に繋がってしまう理由について、またそれを防ぐための心がけについて解説しています。

この記事のポイント
  1. ノルアドレナリンの働きが分かる!
  2. ノルアドレナリンの過剰分泌のデメリットが分かる!
  3. ノルアドレナリンとうまく付き合う方法が分かる!

突然ですが、みなさんはこのような経験はありませんか?

  • かなり集中して頑張れていたのに、突然意欲を失ってしまう
  • 頭がぼーっとして、まとまった思考ができなくなる
  • 頑張れる時にはかなり頑張れるのに、その後に必ずといっていいほど意欲を失うタイミングが訪れる

もし、そのような体験があり、
なんとか改善をしたいと思われているのでしたら、

この記事のテーマでもある

「ノルアドレナリン」

との上手な付き合い方ができるようになると状況は改善されます。

「ノルアドレナリン」とは?

ノルアドレナリンとは

ノルアドレナリンとは、神経伝達物質の一つであり、
その役割を端的に説明するならば、それは

「闘争か、逃走か」

という危機的な状況を切り抜けるために、
人間に爆発的な集中力をもたらすためにあります。

ノルアドレナリンが分泌されると、

心拍数や筋肉の素早さがあがり、
そして脳内はクリアになり情報処理能力が格段にアップします。

ノルアドレナリンの働き

ノルアドレナリンの役割

私たちの日常生活の中で、ノルアドレナリンが分泌されるタイミングとしては、

恐怖や不安、プレッシャーといったストレスにさらされた時が挙げられます。

例えば、

  • 締め切りに間に合わせるために大忙しで仕事をする時、
  • 嫌だけれども仕方なく頑張って取り組んでいる時、
  • 叱責などによって場の雰囲気が張りつめている時

などです。

このような時、脳内はストレスにさらされており、

そうした「不快」なことから自分自身を守るために、

ノルアドレナリンが分泌され、身体能力や脳機能を著しく向上させ、
その状況を素早く切り抜けれるようにしてくれているのです。

このように聞くと、

ノルアドレナリンは現代社会を生き抜く上で、
最高のパートナーになりそうに思えますが、

この記事のタイトルにもある通り、

ノルアドレナリンを分泌させ、頑張り続けることは非常に危険なのです。

ノルアドレナリンと「うつ」

ノルアドレナリンの過剰分泌の危険性

すでに解説した通り、
ノルアドレナリンは、人間の身体・脳機能を著しく向上させてくれるため、
集中力は高まり仕事や勉強の効率は捗ります。

しかし、

本質的には、ノルアドレナリンは短期集中型のホルモンであり、
長期的に分泌され続けることはそもそも念頭におかれていません。

そのため、ノルアドレナリンが分泌され続けてしまうような環境下に、
長期間いると、

ノルアドレナリンが出っ放しの状態になってしまい、
それがいつまでも続くと枯渇してしまうのです。

ノルアドレナリンの分泌が枯渇してしまうと、

今度は逆に、

燃え尽き、
意欲は全く出ず、
気分は落ち込み鬱になってしまいます。

また、そうした最悪の状況に至る一歩手前の状態として、

注意力と集中力の著しい低下

という状態にもなってしまいます。

現代社会は、一億総ストレス社会と言っても過言ではなく、
意識するしないに関わらず、

ノルアドレナリンを分泌させながら、
みんながみんな自分に鞭を打ちながら頑張っている状況です。

そのため、

ノルアドレナリンとの付き合い方をわきまえていないと、

「まだまだ頑張れそうだ」という「盲目的な気合」の一言で、
ノルアドレナリンを分泌させ続け、最終的には燃え尽きてしまうことになりかねません。

ノルアドレナリンとの上手な付き合い方

ノルアドレナリンとの上手な付き合い方

それでは次に、

ここまで解説してきたような、ノルアドレナリンの過剰分泌と枯渇を避けるために、
日頃からどのようなことを心がけると良いのか、

ということについて解説をしていきます。

①「楽しければ忙しくても大丈夫」は幻想

ノルアドレナリンの分泌を抑える必要性

まず一つ目に、

ノルアドレナリンの分泌をストップさせる時間を確保する必要があります。

仮に、どんなに楽しい仕事をしていたとしても、

そこに締め切りや、約束、仕事の質の管理など、

多少なりとも脳や肉体に負担をかけるような要素がある以上、
かならずノルアドレナリンは分泌されています。

つまり、自分で「仕事」と定義していることに取り組んでいる限り、
少なくともノルアドレナリンのパワーに頼っている部分があると思ったほうが良いでしょう。

そうしたストレス環境下から完全に解放される時間を確保しない限り、
ノルアドレナリンは分泌され続け、枯渇への道を一直線に辿って行ってしまっています。

そして、そうならないためにも、
「しっかりと休む」という一見当たり前のことが、非常に大切です。

仕事関連のスマホの電源は切り、仕事も時間外や休日には持ち越さず、
また勉強についてもダラダラとずっとし続けるのは良くありません。

メリハリをもって完全に休憩する時間を確保し、
ノルアドレナリンの分泌が回復する時間を持つことが大切なのです。

②ドーパミン型モチベーションと、ノルアドレナリン型モチベーションとを組み合わせる

ドーパミンとノルアドレナリンの違い

ドーパミンの分泌をうまく活用したモチベーション術については、別の記事で解説していますが、

簡単に説明をすると、

ドーパミン型のモチベーションは、
楽しさ・ご褒美・褒められる、といった「快」の刺激を求めて行動するという性質があり、より長期的にモチベーション効果が持続します。

ドーパミンを分泌させてモチベーションをアップ!ドーパミンの効果についてまとめています。また、出し方・増やし方・分泌のさせ方について解説をし、人間のモチベーションをいかに高めていくかという点について紹介をしています。...

一方で、

ノルアドレナリン型のモチベーションは、
恐怖や不安、叱られる、といった「不快」の刺激を避けるために行動するという性質があり、

モチベーション効果は強烈ですが、短期的にしか続きません。

そのため、

ノルアドレナリン型の短期的なモチベーション効果のみに頼っていては、
やる気を失う時が来るのは時間の問題となってしまいます。

そうした事態を避けるためにも、仕事や勉強の際には、

ドーパミン分泌によるモチベーションアップ効果と、
ノルアドレナリン分泌によるモチベーションアップ効果とを、
うまく組み合わせていくと良いでしょう。

③食生活に気をつける

ノルアドレナリンと食べ物

ノルアドレナリンの生成には、必須アミノ酸の一種である「フェニルアラニン」が不可欠です。

必須アミノ酸とは、
他のアミノ酸からは生合成できないアミノ酸であり、直接取り入れる必要があります。

フェニルアラニンは、

肉類・魚介類・大豆製品・かぼちゃ・卵・乳製品・チーズ・ナッツ類(アーモンドや落花生)

に多く含まれています。

つまり、

普通の食事をしていれば足りなくなるということはありませんが、

あくまでも普通の食事をしていればの話で、

偏食であったり、極端なダイエットをしている場合などには、不足する可能性があります。

そのため、上記のようなタンパク源やナッツ類の摂取をしっかりと行うことを心がけましょう。

ノルアドレナリンの働きについて

ノルアドレナリンと鬱

以上いかがでしたか?

この記事では、神経伝達物質の1つでもあるノルアドレナリンについて、
その主な役割について解説をしてきました。

そして、

いかにノルアドレナリンが「諸刃の剣」としての側面を持っており、
ノルアドレナリンの爆発的な覚醒効果に頼って、自分に鞭を打ち続けていると、

早かれ遅かれ、

燃え尽き、
意欲は全く出ず、
気分は落ち込み鬱になってしまう

という危険性についても触れてきました。

そうならないためにも、

  1. 100%心の底から休める時間を確保する
  2. ドーパミンが分泌するような長期的なモチベーションも味方につける
  3. 食生活に気をつける

という3点を意識的に生活の中に取り入れていくようにしましょう。

何か一つでもご参考になる点がございましたら幸いです。

ノルアドレナリンや、他の神経伝達物質の働きについてもっと詳しくなって、
日常生活に役立つような知識を手に入れたいという方には、

こちらの書籍がおすすめです。

また、当記事の内容は動画にても解説していますので、
復習も兼ねて是非ご覧ください♪

参考文献:
樺沢 紫苑(2016) 脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法 文響社
野口 哲典 (2011) マンガでわかる神経伝達物質の働き ヒトの行動、感情、記憶、病気など、そのカギは脳内の物質にあった!! SBクリエイティブ
田中 正敏(2017)ストレスの脳科学 予防のヒントが見えてくる 講談社