- モチベーション理論の「二要因理論」とは何かが分かる!
- やる気を高めるアイデアを2つの観点から考えれば良いことがわかる!
- モチベーションを高めるコツが分かる!
この記事では、モチベーション理論の1つである「二要因理論」について解説をすると同時に、
自分のやる気を高めるためには、①動機要因を増やす事と、②衛生要因を改善する事、の2つの観点から取り組めば良いということを解説していきます。
ハーズバーグの二要因理論とは
アメリカの臨床心理学者、フレデリク・ハーズバーグ博士は、
会社の社員200人を対象に、
仕事に対してどのような事に幸福や満足を感じているか、
またどのような事に逆に不幸や不満を感じているか、という、アンケート調査を行いました。
そこで得られた結果をもとに実証研究を重ね、
博士は人の欲求には大きく分けて2つの種類があるという、
二要因理論というものを提唱しました。
動機付け要因と衛生要因
この二要因理論では、人間の満足度の要因には「動機付け要因」と「衛生要因」の2つがあるとします。
「動機付け要因」とは、達成・承認・責任・昇進といったマズローの欲求段階説での、自己実現欲求・承認欲求・社会的欲求の一部が当てはまります。
「衛生要因」とは、会社の制度・監督・給与・作業条件といった、マズローの欲求段階説での、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求の一部が当てはまります。
そして、
この理論の面白いポイントは、
動機付け要因の方は、満足度の要因となる一方で不満足度の要因とはならず、
衛生要因の方は、満足度の要因とはならない一方で不満足度の要因となるということです。
つまり、
直感的には物事に対して満足しているか・満足していないかということは、
ある特定の事柄の質の良し悪しに関係していると思えますが、
実はそうではなく、
満足するか、満足していないかということの原因は、全くの別の要因にあったという事です。
二要因理論とモチベーション
それでは、この二要因理論から学べる事とは一体何なのでしょうか。
それは、「物事に対する満足度が高ければモチベーションも一緒に高まる」とするならば、
モチベーションを高めるためには、2つの事を気にすれば良いという事です。
つまり、
まず、満足度を高めるような動機付け要因を増やす事、
そして不満足をもたらしているような衛生要因を改善するという事です。
そのため、
今、自分がしている事や取り組もうとしている事について、
- それが自分の人生にどのようなメリットをもたらすのか
- それを達成したらどうなるのか
- それをする事によって喜ぶ相手は誰か
といった動機付け要因を見つけて満足度を高めるようにしてみましょう。
また、
- 仕事場や勉強部屋の環境をもっと良くできないか
- 仕事や勉強をする時間をもっと気持ちの良い時間帯に移せないか
- そのほかにもなにか不満足の原因となっているような事を取り除けないか
といった衛生要因を改善できはしないかを考えてみましょう。
二要因理論に基づくと、満足をもたらすものと、不満足をもたらすものとは、
全くの別物であるため、
このように、満足度を高めるようにする工夫と、不満足度を改善するようにする工夫とを分けて考えて、
それぞれに適切なアプローチをしてみましょう。
満足度が高まれば、それに伴いモチベーションも高まる事でしょう。
何か一つでもご参考になる点がございましたら幸いです。
二要因理論およびモチベーション理論についてもっと深掘りしてみたいという方にはこちらの書籍がおすすめです。
また、当記事の内容は、3分で高めるモチベーションシリーズの一環として、
動画でも手短に解説をしていますので、
復習もかねて是非そちらもご参考になっていってくださいね♪
最後までご愛読ありがとうございました。
参考文献:
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(2009) 【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践 ダイヤモンド社
池田貴将(2017)図解 モチベーション大百科 サンクチュアリ出版
鹿毛雅治(2012) モティベーションをまなぶ12の理論 金剛出版
エドワード・L. デシ, リチャード フラスト(1999) 人を伸ばす力―内発と自律のすすめ 新曜社