先延ばしを克服する

先延ばし癖のメカニズムと克服の方法とは?その心理と対策について

  1. 先延ばしのメカニズムが理解できる!
  2. 自分の先延ばし癖の原因がどこにあるのかが分かる!
  3. どうすれば先延ばしを克服できるのかが分かる!

この記事では、人間の「先延ばし」のメカニズムを解説し一体どうすれば先延ばしの悪い癖を克服し、テキパキとするべき事を進められるのか、というその方法を紹介します。

先延ばしの心理的メカニズム

みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです。

突然ですが質問です。

みなさんは「先延ばし」をしてしまう事について悩んではいませんか?

いや、先延ばしをしてしまう事に悩んでいない、
という人がいないくらいにこの問題は世の中的に蔓延しているとも言えます。

そこで今日の記事では、

自身でも自らを生粋の先延ばし人間であると自負し、その人生を「先延ばし」の解明に捧げてきたピアーズ・スティール博士が提唱する、

先延ばしの方程式を紹介し、

一体どうすれば自分の先延ばし癖を治すことができるのかというお話をしていきます。

是非最後までお楽しみ下さい。

先延ばしの方程式

先延ばしの心理的メカニズム

先延ばしの方程式とは、どうして人は先延ばしをしてしまうのか、というそのメカニズムを計算式で解き明かせるようにしたものです。

それをまず簡単に紹介しますとそれは、

行動意欲 = 価値x期待/衝動性x期間

となり、導かれる数値が高ければ高いほど、
先延ばしをする確率が下がります。

逆に言えば、数値が低ければ低いほど先延ばしをしてしまう確率が高いという事です。

まず、この式が意味するところを簡単に解説します。

課題に対して「価値」を感じているか

価値

まず、価値とは、する事に対して自分が感じている「楽しさ」のことです。

つまり、

それをすることに対して楽しさを感じているようなら価値は高いことになりますが、逆に、「つまらない、退屈」などと思っている場合、自分にとってその事の価値は低いという事になります。

課題に対して期待を抱けているか

期待を高める

次に、期待とは、する事を自分は達成できるかどうかという事に対する自信の程度のことです。どうせ失敗するや、どうせうまくいかないと思っている場合、この期待の数字は低くなります。

以上2つの要素が、先ほどの式の前半部分となります。

つまり、人は、

する事に対して「楽しさ」を感じており、かつそれを達成できる確率が高いと思えれば思えるほど、そこから導き出される数字は高くなり、

結果として行動意欲は高まります。

ゲームをする、という行動に、先延ばしが起きにくい理由は、まさにこの価値x期待の数字の高さから納得もできますよね。

さて、それでは次に後半の解説です。

衝動性が高いかどうか

衝動性を抑える

後半は、前半の数字を割ることになるので、前半とは逆に、数値が高くなればなるほど、全体の数値は下がり、結果として先延ばしもしやすいことになります。

まず、

衝動性とは、目の前の欲望に負けてしまいやすいかどうかという事です。
例えば、2週間後に試験を控えているから、今日から試験が終わるまではゲームをしないでおこう思い実際に我慢できる人は衝動性が低くなります。
しかし、
その逆で、ゲームを控えておこうと思うには思ったとしてもいざ家に帰ってしまうと結局ゲームをしてしまう人は衝動性が高いということになります。

ついついネットサーフィンをしてしまう、なぜか他の事を始めてしまうという場合にはこの衝動性が高い部類の人に当てはまります。

期間の長さはどうか

期間について

そして、最後に期間とは何かというと、

簡単には締め切りまでの期間という事です。

例えば、1日後に試験がある場合の時間の数値を1とするならば、試験2週間前はその数値は14で、1ヶ月前は約30となります。

試験2週間前ではなかなかやる気が出なくても、翌日、さらには前日に徹夜で一気に仕上げてしまうというのは、この部分の数値によって説明が可能です。

以上の2つが後半の2つで、

目の前の欲望に飛びついてしまう傾向にあり、かつする事の締め切りまでの期間が長ければ長いほど、2つを掛け合わせた数値は高くなります。

そして、

前半の2つを掛け合わせた数字を、後半の2つを掛け合わせた数字で割ります。
そこから導き出される数値が高ければ高いほど、先延ばしをしにくくなります。一方で、そこから導き出される数値が低ければ低いほど先延ばしをしやすくなります。

つまり、

価値x期待の数値が高ければ高いほど先延ばしはしずらくなりますが、
衝動性x期間の数値も高いと、結果として導き出される数値が低くなりますので、先延ばしをしやすいという事になってしまいます。

どうすれば先延ばし癖を克服できるのか

先延ばしを克服する方法

さて、それでは一体どうすれば先延ばしをせず、しようと思った事をテキパキと進めることが出来るようになるのでしょうか。

その答えは、全て先ほどの式に凝縮されてします。

つまり、
価値と期待の数値を高め、衝動性と期間の数値を小さくしていけばいいのです。

価値を高めるには

価値を高めるとは、楽しいと思える事をするという事です。もし、楽しくない事をしているのなら、それを楽しいと思える要素を探す事が改善策になります。

楽しさを感じるポイントは人によって異なります。

シンプルにゲームやテレビドラマを見るような楽しさもありますが、

人のためになっているであったり、新しい発見に溢れているなど、
自分の価値観的な一致から生まれる「やりがい」などもこの「楽しさ」と呼ぶことが出来るでしょう。

期待を高めるには

次に、期待を高めるとは、自分には出来ると思えるようにするということです。
ポイントは、難易度設定にあります。
ボリュームのある事は達成までにしなくてはいけない事が多く、その難易度を高く感じてしまいやすくなります。
そのため、するべき事というのをどんどん小分けにしていき、
「その程度のことなら簡単に出来る」と思えるようなレベルの事の積み重ねによって1つの大きな事を達成できるように計画する事がポイントです。

そして、

今度は衝動性と期間の数値を小さくしていきます。

衝動性を抑えるには

衝動性を低くするとは、目先の欲求に飛びつかないようにするという事です。
そのための一番良い方法は、まさにその目先の欲求を、目先から消してしまう事です。

つまり、ゲームやスマホ、テレビ、漫画など、視野の中にそれらが入ってきてしまうから耐え難く感じてしまうわけです。

そのため、そうしたものを隠して、そもそも見えないようにします。

また、するべき事というのを1つに絞るのも効果的です。
今日するべきことはこの1つの事だけ、と絞る事ができれば、集中力が散漫して他の事に気を取られてしまう確率を下げることができます。

ただ、

ピアーズ・スティール博士も言うように、この衝動性というのが一番厄介で、かつ式全体に及ぼす影響力も高いため、

自分の衝動性の克服の仕方については、また別の動画をまるまる1つ使って解説しようと思います。

期間について

そして、最後に期間ですが、

これについては2つのアプローチがあります。

1つは、期間が短くなって、少し焦りを感じ始めた頃から取り掛かるという方法です。
締め切りまでの期間が長いうちはそもそも行動意欲を感じにくいという事を認め、締め切りを直に感じるようになってから行動に移すという作戦です。

もう1つは、意図的に締め切りまでの期間を短くしていくという方法です。

例えば、受験生でしたら、毎月なにかしらの模試を受ける事を計画し、それに合わせて成績を上げていけるように計画するのも効果的です。

また、いついつまでに、ここまでを達成して報告します、と自ら締め切りを上司などに宣言し、それを守るように頑張るということも効果的です。

このように、締め切りまでの期間が短ければ短いほど行動意欲は高まるので、そうした人間の性質をうまく活用するようにします。

先延ばしの3つのタイプ

先延ばしの3タイプ

さて、いかがでしょうか?

一般的には、

する事が退屈でやる気が出ない、と思ってしまいやすいタイプの人は1つ目の「価値」の要素を高められないか検討してみましょう。

どうせ失敗するから、と思ってしまいやすいタイプの人は、2つ目の「期待」の要素を高められないかを検討してみましょう。

そして、

誘惑に勝てない、と思ってしまいやすいタイプの人は、3つ目の衝動性の要素をなんとか小さくできないかを検討してみましょう。

この記事では、式を構成する1つ1つの要素をいかに改善するかという方法について軽く触れる程度でしたが、

このサイトでは、そのためのアイデアを今までにいくつも記事にして公開しています。

今日の記事のような、人間のモチベーションのありかを式によって解明するというアプローチとは異なりますが、

どれも今日紹介した要素を改善するアイデアとなりうる内容です。

ご興味のある方は是非ほかの記事もご覧になっていってください。

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先延ばしを克服する方法まとめ

先延ばしを克服する方法まとめ

以上いかがでしたか?

最後に簡単に全体のまとめを行なってお終いにします。

人間の先延ばしに関して、世界的な権威でもあるピアーズ・スティール博士によると、

人が先延ばしする確率というのは次の式で説明することが可能です。

それは、

行動意欲=価値x期待/衝動性x期間

であり、結果として導かれる行動意欲の数字が高ければ高いほど先延ばしをする確率は低くなります。

つまり、この式の結果を高くすれば良いわけです。

そのためには、課題に対して感じる価値と期待を高め、自分の衝動性を抑えられるよう改善し、また期間を意図的に短くするように工夫します。

人によって先延ばしをしてしまう原因は異なりますが、

自分のケースをこの式に当てはめて考えてみることで、
自ずと改善策というのは見えてくることでしょう。

この記事の内容が何か1つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご視聴ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

P.S.
また、当記事の内容は動画でも解説をしていますので合わせてご視聴頂けますとより理解を深める事ができます。

  • 先延ばしの方程式
    • 行動意欲 = (価値x期待)/(衝動性x期間)
    • 行動意欲が高いと先延ばしはしずらく、低いと先延ばししやすい
    • 価値x期待を高め、衝動性x期間を小さくすれば良い
  • それぞれの要素の説明
    • 価値とは
      • する事に対して自分が感じている「楽しさ」のこと
      • 楽しいと思えることをすると価値は高まる
      • 楽しいと思えるポイントを見出すことが重要
    • 期待とは
      • する事を自分は達成できるかどうかという事に対する自信の程度
      • 自分には出来ると思えるように難易度設定を工夫する
      • するべきことをどんどん小分けにすると良い
    • 衝動性とは
      • 目の前の欲望に負けてしまいやすいかどうか
      • 気を散らすものを隠して見えないようにする
      • するべきことを1つに絞り集中力が散漫しないようにする
    • 期間とは
      • 締め切りまでの期間
      • 期間を長くとらず短くとれるように工夫する
      • 試験の予約をする、上司に期限を自主宣言する

参考文献:
ピアーズ・スティール(2012)ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか 池村千秋訳 CCCメディアハウス

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