【アドラー心理学入門講座③】共同体感覚?ライフタスク?理論の全体像とは(嫌われる勇気)

この記事のポイント
  1. 共同体感覚とは何かがわかる!
  2. ライフタスク、ライフスタイルとは何かがわかる!
  3. アドラー心理学の理論的な全体像が分かる!

この記事では、「アドラー心理学入門講座」の第三弾として、アドラー心理学の理論的な全体像について解説を行います。

みなさんこんにちは!

このシリーズでは、「嫌われる勇気」でも一躍有名となった「アドラー心理学」について、
その入門的な内容から応用的な内容までを取り扱います。

アドラー心理学についてまだ何も知らないという方から、
嫌われる勇気やアドラー心理学の入門書を読まれた方にとっても、

その内容の復習および、理解を深め、
より実践的に生活の中で活用していけるようになる知識をお届けします。

今日の記事は、
前回に引き続き、アドラー心理学の理論的背景のお話です。

前回の記事では、

アドラー心理学が別名勇気付けの心理学と呼ばれることもあるように、
その目的が人生の困難に立ち向かう勇気を与える事にあることを示しました。

そして、

その事を「勇気付け」と呼び、
勇気付けの方法として、5つの理論がその土台となっていることをメインに解説しました。

それを踏まえた上で、本日の動画では、

アドラー心理学では、最終的に一体どこへ向かおうとしているのか。
そして、人生で直面する課題とは一体なになのか。

というお話をしていきます。

是非最後までお楽しみください。

共同体感覚とは?

アドラー心理学の目的とは

アドラー心理学の重要なコンセプトの1つに「共同体感覚」というものがあります。

共同体感覚とは、

端的に言うならば世界と自分との間の「つながりや絆の感覚」であると言えます。

個人は全体の一部であり、
またそれと同時に個人は全体と共に生きている事を実感できることが共同体感覚の基本です。

この共同体感覚を持つことこそが、
健全な人間関係を維持し、心の悩みを解消し、自分本来の生き方をもたらしてくれるとしています。

そのため、

アドラー心理学では前回の動画で解説したような5つの理論をはじめ、
そこから派生して生まれた様々なカウンセリング技法がありますが、

その何れにしても、
最終的に目指している到達点はこの「共同体感覚」を持つ事であると言えます。

共同体感覚を構成する4つの感覚

共同体感覚

共同体感覚について補足説明を加えますと、共同体感覚は以下の4つの感覚で成り立っています。

  1. 所属感(ここにいてもいいんだ、という感覚)
  2. 貢献感(私は役に立てている、という感覚)
  3. 信頼感(私は無条件に回りを信じている、という感覚)
  4. 自己受容感(私はありのままに全てを受け入れている、という感覚)

そして、この共同体感覚の範囲は、

一番近い場所で、家族、そこから地域→職場へと広がり、さらに国→地球、最終的には宇宙にまで広げていくものとしています。

つまり、アドラー心理学の世界観は、

この宇宙全体を包括しており、
私たち人間は、その中の部分として調和しながら生きていくことを目指していると言えます。

ライフタスク・ライフスタイルとは?

ライフタスクとライフスタイル

アドラー心理学の重要なコンセプトには他にも「ライフタスク」と「ライフスタイル」いうものがあります。

ライフタスクとは

ライフタスクとは、端的に説明すると「私たちが人生で直面しなければならない様々な課題」のことです。

このライフタスクは、
主に3つの要素で構成されており、

それらは

  1. 仕事のタスク(生産活動についての課題)
  2. 交友のタスク(他者との付き合い方の課題)
  3. 愛のタスク(運命を共にする親密な関係での課題)

です。

そして、
現代アドラー心理学ではこの3つに加えさらに

  • セルフタスク(自分自身とどう向き合うかについての課題)
  • スピリチュアルタスク(自分と世界との精神的な繋がりについての課題)

の2つがあり、
合計5つのタスクでライフタスクは構成されています。

ライフスタイルとは

一方で、

ライフスタイルとは、
これまた端的に説明すると「その人特有の考え方・感じ方・行動基準といった人生への価値観」です。

このライフスタイルは、3つの要素で構成されており、
それらは、

  1. 自己概念(自分とはこういう人間だという考え)
  2. 世界像(世界とはこういうものだというその人の考え)
  3. 自己理想(自分や世界はこうあるべきだというその人の考え)

の3つです。

ライフタスクとライフスタイルの関係性

そして、

ここまで説明をしてきた、「ライフタスク」と「ライフスタイル」の関係性はというと、

ライフタスク、すなわち人生の課題は、ライフスタイル、すなわち人生への価値観によって決定されると言うことです。

つまり、

自分が人生を通じて解決していく課題は、
実は自分が決めたライフスタイルによって決定しているのであり、

であるならば、

自分のライフスタイルを変えれば、自ずとライフタスクも変わるということです。

言い換えるならば、人生で解決していく課題は自分で自由に設定していくことができるということです。

それでは次に、

ここまでの内容で取り扱った「共同体感覚」、「ライフタスク」、「ライフスタイル」の3つに加え、
前回の動画で扱った5つの基礎理論に関して、

アドラー心理学における全体的な位置付けのお話をします。

アドラー心理学の全体像

アドラー心理学の全体像

ここまで解説をしてきた「共同体感覚」「ライフタスク」「ライフスタイル」「5つの基礎理論」のそれぞれを、
アドラー心理学を構成する4つの要素であると仮定すると、

それらの位置付けは、山登りの図に例えて説明が可能です。

まず、

目指すべき場所として、山の頂上に「共同体感覚」というものがあります。
つまり山を登りきった場所で世界を眺めながら、その中で調和しながら君臨する自分を実感することを目指しているという事です。

しかし、

山の頂上に向かうには、当然山を登っていく必要があります。

この山はゴツゴツとしていて歩きづらく、
それだけではなくクマや蜂など、その過程で乗り越えなくてはならない障害物がたくさんあります。

この山登りの過程で直面する様々な課題が、「ライフタスク」に例えられます。

そして、

実はこの山の頂上に行くための道は無限にあり、
どの道を選ぶかは山を登る本人が自由に決めて良いことになっています。

このどの道を選んで頂上に向かうかというのが、
アドラー心理学での「ライフスタイル」に当てはまります。

しかし、どの道を選んでもいいと言っても、どの道も、その道なりの困難な課題があります。

そこで、

この課題を克服していくための万能ツールとして、
前回の動画で解説した「5つの理論」があり、

この5つの理論を組み合わせて駆使していくことで、
どんな課題を前にしてもくじけない「勇気」が手に入り、着々と山の頂を目指していけると言うわけです。

アドラー心理学の概略まとめ

以上まとめると、

目指す場所は、「共同体感覚」。
そこに至るまでに直面する課題は「ライフタスク」であり、どの道を通って目的地まで行くかを決めるのが「ライフスタイル」。

そして、その過程で出会う様々な課題を解決していくためのアイテムが「5つの理論」であると言うわけです。

アドラー心理学入門講座③まとめ

以上いかがでしたか。

この動画では、アドラー心理学の重要な考え方である、

  • 5つの基礎理論
  • 共同体感覚
  • ライフタスク
  • ライフスタイル

について、その理論的な枠組みとして、

人生という山を登る話に例えて解説をしてきました。

アドラー心理学の本領は、

その個別具体的な技法にあると言えるのですが、
今日の動画ではそういった具体的なハウツーの話はできておりません。

しかし、

今日の話を理解しておけば、

今後、
アドラー心理学関連の情報に触れた際も、全体の中で一体どこの部分の話をしているのかが分かり、
より一層理解を深めることに繋げられるのではないでしょうか。

何か、一つでもご参考になる点がございましたら幸いです。

また、アドラー心理学について深掘りして学びたいという方にはこちらの書籍が本格的でおすすめす。

こちらのアドラー心理学入門講座は、動画でも解説をしていますので、
復習も兼ねて是非こちらもご覧ください♪

最後までご覧いただきありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう♪

参考文献:
岸見 一郎, 古賀 史健 (2013) 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え ダイヤモンド社
アルフレッド アドラー(2012)個人心理学講義―生きることの科学 (アドラー・セレクション), 岸見 一郎訳 アルテ
アルフレッド アドラー(2016) 生きるために大切なこと 桜田 直美訳 方丈社
岸見 一郎(1999) アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために ベストセラーズ
八巻秀(2015) アドラー心理学 人生を変える思考スイッチの切り替え方 ナツメ社
岩井 俊憲(2014)人生が大きく変わる アドラー心理学入門 かんき出版