アドラー心理学の課題の分離とは

アドラー心理学の課題の分離をもっと詳しく分かりやすく解説!

  1. アドラー心理学で説明される「課題の分離」について理解が深まる!
  2. 課題の分離がなぜ大切なのかが分かる!
  3. 課題の分離に関する疑問を解消することが出来る!

この記事では「嫌われる勇気」でもおなじみのアドラー心理学について、その応用的な知識である「課題の分離」について分かりやすく解説していきます。

課題の分離をもっと分かりやすく!詳しく!

みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです。

今日の記事では、「嫌われる勇気」でもお馴染みのアドラー心理学について、

その重要なコンセプトの1つである

「課題の分離」

を、

もっと詳しく、もっと分かりやすく解説していきます。

このサイトでは、アドラー心理学について、
その基礎となる理論的な話から応用的な話まで、幅広く扱っておりますが、

今日の内容は、その応用的な内容となります。

といっても、
アドラー心理学についてまだ何も知らないという方にとっても理解できるように解説しておりますので、
初学者の方も是非そのままご視聴下さい。

今日の記事を読む事で、

特に対人関係にまつわる悩みに対して、どのような捉え方をすれば悩みから解放されるのか、
そして、社会の中で「自由に生きる」とはどういう事なのかについて、

アドラーがどのように言っているのかを知る事ができます。

是非最後までお楽しみ下さい。

課題の分離とは

課題の分離とは

「課題の分離」

とは、端的にいうならば、それは

自分と他者の課題を分離し、
他者の課題には踏み込まないようにすると同時に他者にも自分の課題に踏み込ませないようにする、

という事です。

ここでいう課題が意味することは非常に幅広く、

人生で直面するありとあらゆるタスクの事であると思うと良いでしょう。

そして、自分と他者の課題を分離するためには、その間の線引きが必要なわけですが、

線引きの仕方は、

その課題について最終的な責任を負うのは誰か?

もしくは、

その課題について最終的な結論を出すのは誰か?

という事について考えて見るとすぐに線引きができます。

課題の分離が役立つ時

この課題の分離の考え方が、実生活上において役に立つのは、

例えば、

  • 自分に対する相手の評価を気にしてしまう時
  • 相手に命令をして強制させたい時
  • 相手からの見返りを求めてしまう時

といったような時です。

相手が自分のことをどう評価するかというのは、他人の課題です。
なぜならば、どのような評価を下すか、という最終的な結論を出すのは相手だからです。

また、

相手に命令したい時や見返りを求める時というのは、自分が他人の課題に踏み込んでしまっています。
なぜならば、その命令に従うかどうか、そして見返りをするかどうかを、最終的に決めるのはその相手だからです。

もしも、自分と他人の課題の分離ができているならば、

他人の評価を気にするということもありませんし、
命令通りに動いてくれない相手や見返りをしない相手にイライラすることもそもそもありません。

逆にいえば、

自分と他人の課題の分離ができていない人同士が出くわした時、
ありとあらゆる対人関係上の問題が発生するとも言えます。

言い換えるならば、

対人関係上の問題というのは、

自分が他人の課題に踏み込んだ時、
もしくは自分の課題に他人を踏み込ませ時に、生じてくるものなのです。

なぜ課題の分離が必要なのか

なぜ課題の分離が必要なのか

それではなぜ課題の分離は必要なのでしょうか。

その事については、すでに部分的には触れました。

それは、課題の分離ができていない事が、ありとあらゆる対人関係上の悩みの原因となっているからです。

しかし、それだけではありません。

むしろ、もっと重要な理由があります。

それは、

課題の分離ができていないと、

自分の一生が「承認欲求に支配された人生」になってしまうからです。

承認欲求とは、端的には、

他者に自分のことを認めてもらいたい、という欲求なわけですが、

「他者が自分を認めるかどうか」

という課題の最終的な結論を下すのは他者なわけですから、
極論、自分にはどうすることもできません。

それにも関わらず、承認欲求にこだわり続けているとどうなるのかというと、

気付いた時には他人のために生きている人生となります。

しかし、

自分以外に自分の人生を生きてあげられる人というのはいるのでしょうか?いませんよね?

つまり、

いくら他人のために生きようと思っても、それは決して叶わぬ事なわけです。

それにも関わらず他人のために生きようとすることは、
そもそも絶対に叶うことのない夢を追い求め続けてしまうようなものです。

そうではなく、

私たちはもっと確かなものを求めて人生を生きる事ができます。

それは、

他人の人生ではなく、自分の人生を生きるということです。

そのためには、自分と他人の課題の分離から始めることがとても重要なのです。

課題の分離って実際問題無理なのでは?

さて、

ここまでの内容では、アドラー心理学における重要なコンセプトの1つの

「課題の分離」とは何か、

そして、どうして「課題の分離」が大切なのか、

という2点について解説をしてきました。

おそらく、今この時点では「ふむふむなるほど」という感じではないでしょうか。

しかし、

この動画を見た後しばらくすると主に以下のような疑問点が生まれてくるかと思います。

それは

  1. 課題の分離をすると自己中な人ばかりになるのでは?
  2. 課題の分離をすると人間関係は味気ないものになってむしろ人生はつまらなくなるのでは?
  3. 親子関係においても課題の分離は成り立つのか?
  4. 課題の分離なんて言うことはできても、実際するのは無理なのでは?

ということです。

しかし、アドラーは、これらの質問に対しても、課題の分離の必要性について一切曲げることなく、
華麗に説明をしています。

1つずつ見ていきましょう。

①課題の分離をすると自己中な人ばかりになるのでは?

課題の分離と自己中心的な人

この疑問に対してアドラーは、むしろそれは逆であると言います。

つまり、

自己中心的な人こそ、課題の分離ができていないわけです。
さらに言うならば、他人のことを「自己中な人」と指摘する人こそ、課題の分離ができておらず自己中心的であるとも言えます。

一般的に「自己中な人」と言われるのは、
自分の都合に合わすよう相手に求める人であると言えます。

そのような人は、
相手に自分の都合に従うよう求めると言う点で、相手の課題に踏み込んでいるので、課題の分離ができていません。

もし課題の分離ができていれば、相手に自分の都合に合わせるように求めることなどしないからです。

むしろ、課題の分離ができていると、自己中心的な人ではなく、
みんながそれぞれ世の中の中心点なのだ、という認識を持つに至ります。

その認識に至った人のことをそれでも自己中な人と呼ぶのなら、
そのように呼ぶ人こそが自己中であることに気づかなくてはいけません。

②課題の分離をすると人間関係は味気ないものになるのでは?

課題の分離と人間関係

この疑問については、アドラーはこのように回答します。

それは

「課題の分離こそが健全な人間関係の入り口である」

と。

課題の分離というのは、何も

私は私、あなたはあなた、だからお互い関わり合わないようにしましょう!

という事を言っているのではありません。

そうではなく、

お互いにお互いのことを尊重しあった上で、意思の疎通をはかっていきましょう

という相手と自分に対する態度なわけです。

課題の分離ができていないと、

ある人は相手のことを操作しようとし、
ある人は相手に操作されることを甘んじて受け入れることになります。

そのような操作し操作される関係が、健全な人間関係と呼べるでしょうか。

③親子関係においても課題の分離は成り立つのか?

課題の分離と親子関係

この問題についてアドラーはこのように言います。それは、

「親子こそ課題の分離が大切である。」

と。

なぜならば、親子というのは、DNAレベルでの関係のみならず、血縁関係という文化的な関係にも縛られています。

つまり、距離が近くなりすぎやすいのです。

親子といえども、心も体も脳も別々なわけですから、
親が子供の、もしくは子供が親の人生を生きることは不可能です。

それにも関わらず、

課題の分離ができていないと、

それは、過保護・過干渉、もしくは全く逆の、虐待・無視・放棄、となり、
挙げ句の果てには、親子もろともに自分の人生を見失います。

親は、子供の課題に足を踏み込まないようにしないといけません。
また子供もまた親の課題に足を踏み込まないようにしなくてはいけません。

その上で、親にできることは、子供を見守るということ、
そして何か助けてほしい時はいつでもサポートする準備ができているということを、伝えることです。

親子関係において、「課題の分離」というのはむしろ意識的に行っていくべきです。
なぜならば、そもそも精神的・物理的な距離が近く、課題の分離以前の状態に陥りやすいからです。

④課題の分離なんて言うことはできても、実際するのは無理なのでは?

課題の分離は難しい

そして、最後に、

この問題については、このように答えます。それは

「『課題の分離が出来ない』、という人は、課題の分離をしない方が楽だと考えているから。」

と。

この主張の理屈については、アドラー心理学における基礎理論の1つの「目的論」が関わってくるので、
この動画では詳しくは解説できません。

ただ、要点だけを述べるならば、

「課題の分離が出来ない」という事を言い訳に使っているだけ、ということです。

例えば、このような高校生がいたとしましょう。

  • 学校が終わったら、大学受験のこともあるし、本当は早く帰って家で勉強がしたい。
  • だけど、学校帰りに友達と一緒にカフェでお話しをするのがいつものこと。
  • いくら「課題の分離」が大事だなんて言っても、私一人だけ家にすぐ帰るのは友達に嫌われてしまうかもしれないし、なによりも裏切るような感じで無理。
  • 道徳的な問題として無理。

と。

しかし、その考えは、アドラーに言わせてみれば、

その高校生は、

大学受験のために勉強をする

という目先の課題から逃げるための口実に、
友達との関係性を持ち出し、課題の分離をしないでおこうとしているだけなのです。

課題の分離は、今すぐ、誰にでも出来ることです。
なぜならば、相手と自分の課題を分離するかどうを最終的に決めるのは、他でもない自分自身だからです。

課題の分離とは嫌われる勇気を持つ事

嫌われる勇気とは課題の分離

以上いかがでしたか?

この記事では、
アドラー心理学における重要なコンセプトの1つである「課題の分離」について、

その解説および重要性、またよくある疑問についての回答をアドラーの代わりに行ってきました。

課題の分離ができれば、人生におけるあらゆる悩みから解放され即座に自由になれるとアドラーは言います。

なぜならば、

人生におけるあらゆる悩みは、対人関係に由来しており、
対人関係から生まれる悩みはどれも、相手と自分の課題を分離できていない事が原因だからです。

つまり、課題の分離ができれば、対人関係の悩みはなくなり、
必然的に人生における悩みもなくなります。
そして、自分の人生を好きに生きられるという自由が残ります。

ただ、

自分の人生を好きに生きる、というのはそれはそれで困ったものでもあります。
しかし、自由とはそういうものであるとアドラーは教えてくれているのです。

さて、この記事の内容は以上となりますが、
このサイトでは、アドラー心理学について基礎的な内容からその基礎を活かした実践的な内容までを取り扱っています。

アドラー心理学で説明されている諸々のことが、
この世界の真実なのかどうかはともかくとして、

少なくともアドラー心理学の考え方は、この色々な意味で複雑な現代社会を生き抜くための武器となりうる考え方です。

もしご興味のある方は是非他の記事もご覧くださいね。

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また、当記事の内容は、
動画にても解説をしておりますので、復習も兼ねて是非そちらもご覧ください。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

  • 課題の分離とは、自分と相手の課題を切り分け、お互いに相手の課題に踏み込まないようにする事
    • 課題の分離のためには次の質問を考えてみるとすぐ分かる
    • 「その課題の最終的な責任を負うのは誰か?」
    • 「その課題の最終的な結論を下すのは誰か?」
  • 課題の分離ができていないと、他人の人生を生きることになる
    • 課題の分離ができていないと承認欲求に支配される
    • 他人が自分を認めるかどうかは他人の課題(自分には極論どうすることも出来ない)
    • 課題の分離をすることで初めて自分の人生というのを自由に生きられる
    • 課題の分離ができると対人関係における「悩み」からも解放される
  • よくある疑問
    • 自己中心的な人が増えるだけでは?
      • むしろ逆で、自己中心的な人こそ課題の分離ができていない
      • 他人を自分の都合に合わそうと操作しようとしているから
      • また、自己中心的だと他者を批判する人こそ実は課題の分離ができていない
    • 人間関係が味気なくなり人生がつまらなくなるのでは?
      • 課題の分離は健全な人間関係を築くための入り口
      • 違いを尊重し合う関係、健全な関係のためには適度な距離感が必要
    • 親子関係でも成立するのか?
      • 親子間でこそ課題の分離は重要
      • 親子というのは距離が近くなりすぎる
      • 親が子供の課題に介入しすぎると過保護・過干渉
      • またそこから逆に発展して虐待・無視・放棄にもつながる
      • 親も子供も自分の人生を歩むことができなくなり共倒れに
    • そもそも難しいのでは?
      • 課題の分離が難しいという人は、難しいということを言い訳に使っているだけ
      • 目的論では、あらゆる行動には目的がある
      • 課題の分離は難しいからしないというのは、それによって目を背けている人生の課題があるから
  • 課題の分離ができればあらゆる悩みから解放される
    • あらゆる悩みは人間関係に由来しているから
    • 課題の分離ができればあらゆる人間関係上の悩みから解放される
    • 残るのは自分の人生をどういきるかという自由
    • しかし、その自由はそれはそれで困り者

参考文献:
岸見 一郎, 古賀 史健 (2013) 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え ダイヤモンド社
アルフレッド アドラー(2012)個人心理学講義―生きることの科学 (アドラー・セレクション), 岸見 一郎訳 アルテ
アルフレッド アドラー(2016) 生きるために大切なこと 桜田 直美訳 方丈社
岸見 一郎(1999) アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために ベストセラーズ
八巻秀(2015) アドラー心理学 人生を変える思考スイッチの切り替え方 ナツメ社
岩井 俊憲(2014)人生が大きく変わる アドラー心理学入門 かんき出版
岸見 一郎,古賀 史健(2016) 幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII ダイヤモンド社

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