- 「孤独感」の正体を脳科学的な知見から学べる!
- どうして孤独を感じてしまうのかがその原因が分かる!
- 孤独感をいかに克服すれば良いのかが分かる!
この記事では、「孤独感」というあの漠然と捉えようのない感覚の正体を、脳科学的な観点から解説をし、それとどのように向き合っていけばよいのか、という話をします。
孤独の正体を脳科学的に理解し解消させる
みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです。
今日の記事のテーマは「孤独感」について、
それを脳による感情的な現象と捉え、どのように対処していけば良いのか、
という事を解説をしていきます。
今日の記事を読む事で、
捉えようがなく解決のしようがなかったあの漠然とした「孤独感」の正体がわかり、
それといかに向き合って行けば良いのかという方法が分かります。
是非最後までお楽しみください。
孤独感とは
孤独感とは一体なんなのでしょうか。
孤独感についてはっきりと言えることは、
孤独感とは物理的に一人でいるときに限って感じる感覚ではないということです。
むしろ、周りを人に囲まれており、
その群衆の中で自分だけが一人取り残されている、と感じるときに生まれてくる感覚ではないでしょうか。
その時の感覚をもっと具体的に掘り下げてみると、そこにはどのような思いあるでしょうか。
例えば、
- 周りと自分との「違い」を見せつけられているという感覚
- 自分のことが、周りには分かってもらえていない、という漠然とした感覚
- 社会との接点を実感できず自分一人が取り残されているような感覚
といったものがそこには潜んでいるのではないでしょうか。
しかし、
いずれにしてもそれらは漠然とした感覚であり、
じゃあ「違い」を無くせばいいのかというと、そういうわけでもありませんし、
じゃあ自分を分かってもらえばそれでいいのか、というとそういうわけでもありません。
一体、この感覚はなんなのでしょうか。
孤独感と脳科学
背側縫線核(はいそくほうせんかく)と孤独感
2016年にマサチューセッツ工科大学の神経科学者のチームが、
マウスを用いた実験で「孤独の感情」と関係する脳の部位を特定したと発表しました。
その実験では、
集団の中で暮らしていたマウスを一匹、
その集団から隔離し一人ぼっちの状態にしました。
すると、
その一人ぼっちにされたマウスの脳の、孤独を感じる部位、
背側縫線核(はいそくほうせんかく)
の神経細胞が活発に活動するようになりました。
そして、
そのマウスを集団の中に戻すと、背側縫線核(はいそくほうせんかく)の神経細胞がさらに活発に活動するようになったのです。
つまり、
一度孤独感を感じてしまった脳は、そのことに敏感になっており、
集団の中に戻ったとしても、その孤独感は無くならず、むしろ強まってしまうということがわかります。
社交性と孤独感の関係性
さらにそれだけではなく、
そうして強まった孤独感を持っている場合、
その孤独感を和らげるために人は社交的になる傾向にあるということもわかっており、
また、いつまでも孤独感を無くすことができないでいると、耐えかねてふとした瞬間にキレる、ということもわかっています。
つまり、
孤独感を癒そうと、社交的になるが、かえって孤独感は強まるばかりで、挙げ句の果てには耐えかねてキレてしまい、
さらに孤独感を強める、という負の連鎖がそこには待ち構えているということが分かります。
孤独感の正体とは
ここまでの記事の内容を簡単にまとめますと、
人は何かしらの出来事をきっかけに「孤独感」というものを感じ始めます。
その時、
脳の背側縫線核(はいそくほうせんかく)という孤独を感じる部位の神経細胞が活発化しており、
その状態で集団の中に入るとさらに孤独感が強まってしまいます。
それだけではなく、
そうした孤独感を和らげるために人は社交的になる傾向にあり、
また、たまり続ける孤独感に耐えかねた時、
応急処置として「キレる」という行動につながります。
「一概にはそうとは言い切れない」という前提のもと言いますと、
社交的に見える人、であったり、キレやすい人、というのは、
その心理の根底には強い孤独感があると言えます。
それでは、
そうした特徴を持つ「孤独感」と一体どのように向き合えばよいのでしょうか。
孤独感を克服する方法
「孤独感」と上手に向き合う方法として、
この動画で大きく分けて2ステップで解説をしていきます。
ただし、その前の大前提として知っておくべきことは、
「孤独感」というのは物理的な問題ではなく、「認知」の問題であるということです。
言い換えるならば、孤独感というのは、
目の前の現実をどのように認知するか次第で克服することが出来るということです。
つまり、
孤独感と向き合うためには、まず心の準備として、
自分の内面環境をゆっくりでいいので変えていく必要があるということを理解する必要があります。
それでは孤独感と上手に向き合う2ステップをご紹介していきます。
ステップ① 孤独感から自分を切り離す
先ほどのマウスの実験からも明らかなように、孤独感を感じ続けていると、孤独感は強まっていく一方です。
まずは孤独感を感じ続けてしまうという、負の連鎖から自分を切り離す必要があります。
ここでいう「孤独感を感じ続ける」というのは、
その孤独感と自分とを同一視しているということです。
つまり、孤独感を感じている状態を、自分であると思っているということです。
しかし、既に述べたように、
孤独感というのは、
脳の特定の部位が活発に活動した結果として生じる感情現象に過ぎません。
単なる感情現象を、自分自身だと思う必要はないのです。
それは、部分的に過ぎないことを、あたかも全体的な話であると錯覚しているだけだとも言えます。
もし、孤独感を感じている時は、このように思ってみましょう。
「あー、私の脳にある孤独スイッチが押されて緊急警報ベルがうるさく鳴り響いているぞ。まあでも、時間が経てば静かになるだろう。それまでの辛抱だ。」
と。
また、このように思うのも効果的です。
「人間は進化の過程で、一人になると生存確率が下がるから、一人にならないように脳のレベルで警報が鳴る仕組みを発達させたのだ。昔と今とでは全然生活の環境が違うのに、いまだに警報が鳴るのは誤作動だなあ。早く現代に適応してくれ私たちの脳。」
このように、考え方は色々ありますが、
方針としては自分の孤独感を自分から離れたところで観察できるような考え方を採用してみましょう。
そうすると、孤独感の中に埋没して「孤独=私、だから孤独感を感じ続ける」といった負の連鎖から自分を断ち切ることが出来るようになります。
まずは文字通り、自分の脳を落ち着ける必要があるということです。
ステップ② 「違い」ではなく「共通点」に注目する
孤独感に悩まされる、というのは、ここまで解説したように孤独感の負の連鎖にはまってしまっている状態であると言えますが、
そもそもその負の連鎖を加速させている正体は一体なんなのでしょうか。
それは自分と他者との「違い」の認知です。
ここでいう「違い」というのは、かなり広い意味での「違い」であり、
価値観の違い、状況の違い、見た目の違い、など様々な違いがあります。
例えば、言葉となって表面化する時は、「みんな〇〇なのに、私は」という表現がよくあることでしょう。
このように、「違い」の認知が孤独感の負の連鎖を加速させているのならば、その逆をすれば負の連鎖を止められる事が分かります。
つまり、「違い」ではなく、「共通点」を認知するということです。
極論的ですが、
自分もみんなもその根本では「孤独」を感じているのだ、
と思ってみてもよいでしょう。
そうすれば「孤独感」というのは自分だけのものではなく、
皆が感じている事なので、なにも特別視しないでも良いと思える気持ちになれます。
また、シンプルに、
私もあの人も、
- 目がある、鼻がある、口がある
- 喜怒哀楽がある
- スマホをもっている
- SNSを見て一喜一憂してる、
- 日本で暮らしてる
- 同じニュースに心を痛めている
- 同じ社会問題に直面している
というように、ジャンルや抽象度はバラバラでいいので、とにかく共通点と言えるものを沢山見るようにしてみましょう。
自分と他者との間の「違い」を3つ見つけたのでしたら、
その10倍の30個の「共通点」を見つけるようにしましょう。
喜怒哀楽がある、というレベルでの共通点探しをすれば、「違い」よりも「共通点」の方がはるかに簡単に見つかるという事に気づきます。
以上のように「違い」ではなく、「共通点」を優先して認知する習慣を身につければ、
孤独感というのは徐々に薄れていくようになります。
孤独感を解消するために
以上いかがでしたか?
この記事では、
「孤独感」に悩まされている人を対象に、
「孤独感」という感覚の正体を脳科学的観点から解説し、
その上で、孤独感とどのように向き合っていけばよいのか、
というお話をしてきました。
もし今、特には孤独感に悩まされていないという人も、
この現代社会は、
「違い」
というものを殊更強調する傾向にありますので、
どんな人であってもふとした事がきっかけで「孤独感の負のサイクル」に入ってしまいやすい環境であると言えます。
もしそうなってしまった場合は、この動画の内容を思い出してみて、
まずは大前提として、
孤独感とは「認知」の問題であるということを自分に言い聞かせましょう。
その上で、
ステップ① 孤独感と自分とを切り離す
ステップ② 違いではなく共通点を優先的に見るようにする
という事を心がけてみてください。
ちなみに余談ですが、
失恋の際などの「寂しさ」というのは、
この記事で解説した「孤独感」とは、重なっている部分もありますが、厳密には異なりますので、
また別の記事で解説をしようと思います。
なにか一つでもご参考頂けましたら幸いです。
ちなみに、孤独感についてもっと詳しく知りたい方にはこちらの書籍がおすすめです。
また当記事の内容は、動画でも解説をしておりますので、
復習も兼ねて是非ご覧ください。
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう♪
参考文献:
大嶋 信頼(2019) 『誰もわかってくれない「孤独」がすぐ消える本』PHP研究所
水島 広子(2014)『「むなしさ」を感じたときに読む本』KADOKAWA / 角川マガジンズ