パーソナリティ障害とは, パーソナリティ障害 特徴, パーソナリティ障害 種類

10種類のパーソナリティ障害の特徴をそれぞれ解説

「パーソナリティ障害」については↑の動画でも詳しく解説をしております!

  • パーソナリティ障害とは何かが分かる!
  • 10種類あるパーソナリティ障害についてその概略を知れる!
  • パーソナリティ障害かもしれない自分への対処方法について学べる!

この記事では「パーソナリティ障害」とは一体何か、またパーソナリティ障害の種類について解説しています。
動画と合わせてご覧いただくことで、パーソナリティ障害かもしれない自分への対処方法について学べます。

「パーソナリティ障害」について解説!

みなさんこんにちは!

今日の記事では、「パーソナリティ障害」について触れていきます。

どこか人格的に極端な部分の自分がいて、他者とのギャップに苦しみ、
傷つきやすく、人間関係に支障が生じやすい。

もしそのように感じることがおありでしたら、今日の記事で紹介する、
10タイプもあるパーソナリティ障害のいずれかの傾向を持っているかもしれません。

今日の記事では、

一体パーソナリティ障害とは何か、どの様なタイプがあるのか、という基本的な知識を解説し、自分のパーソナリティの傾向と向き合い、自分自身や他者と上手く関わる方法をご紹介します。

パーソナリティ障害は、「障害」という言葉がついてしまっていますが、
人間だれしもが持っている性格の傾向の一つの現れ方でもあり、人間が持つ様々な個性を理解するヒントとなります。

この記事が見終わるころには、
他人と違う理由、傷つきやすさの原因、そしてそれを受け入れる方法が分かってくるでしょう。

是非最後までお楽しみください。

パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害_とは

パーソナリティ障害とは、
考え方や行動のパターンの偏りから、家庭生活や社会生活をうまく営めない状態のことです。

物事の受け止め方や行動の仕方には個人差があるため、それ自体は問題ありません。
自分や他人の「性格や個性」として受け入れてあげればいいだけのことです。

ただ、
性格の傾向が極端になると人間関係にひずみが生じます。

たとえば、
プライドが高すぎるとどうなるでしょう。

他人にちょっと指摘されただけで、
「私のことをバカにしている!」と怒りがおさまらなくなる、

何か分からないことがあっても、
「無能だと思われたくない」と考え、誰にも質問できない、

こうなると、
仕事が上達しない、大きなミスをする、周囲からの信頼を失うなどの悪循環になってしまいます。

他にも例えば、自分に自信がなく、何をするにも他人より劣っていると信じ込んでいる人も、
同じような問題が生じます。

本当はいろいろなアイデアを持っているのに、
「自分のアイデアなんて大したことはないだろう」と思ってしまう。

チームや会社に大きな成功をもたらす、すばらしいアイデアであるのに、
それが誰にも伝わらないまま、時間だけが過ぎていきます。

それは、自分にとっても会社にとっても大損害です。
自己評価が低いと、自分だけではなく、周囲にも影響を与えてしまうのです。

ここで押さえておきたいことは、
パーソナリティ障害とは、ある傾向が極端に偏ってしまうバランスの問題であることです。

自分に強いこだわりを持っており、
「自分はこうである」というある種の強迫観念にとらわれています。

自分が抱いている強迫観念と異なる結果や反応に直面したとき、
傷ついたり苦しんでしまう
ことが、パーソナリティ障害の特徴なのです。

そして、パーソナリティ障害の傾向がある人は、
傷つきやすい自分を守るために極端な言動をするため、人間関係が壊れやすくなってしまいます。

そんなパーソナリティ障害は、実は10個ものタイプに分けることができます。
そこで次に、それぞれのタイプについて簡単に紹介していきます。

パーソナリティ障害の10タイプ

パーソナリティ障害の共通点は、
「自分に強いこだわりを持っている」「とても傷つきやすい」ということです。

その傾向を細かく見ていくと、
反応の違いにより、次の10タイプに区分されます。

1.境界性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_境界性

感情の起伏がはげしく、愛情を求めすぎるタイプです。

人に見捨てられることを過度に恐れ、愛情を示されるとこのうえなく喜びますが、
少しでもそっけなくされると、ひどく落ち込んでしまいます。

幸せと不幸の両極を激しく往来するため、
心が疲弊しやすく、愛情飢餓感が高まると、自傷行為に走ることがあります。

2.自己愛性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_自己愛性

自分を特別視するあまり、際限なく賞賛を求めるタイプです。

自分は特別な存在であり、たえずよく見られる、賞賛されることを求めています。

自分に自信を持っているように見えますが、
非難されることに弱く、ちょっとした失敗をきっかけに、奈落の底に突き落とされてしまいがちです。

3.演技性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_演技性

理想の自分を演じるために、ウソをつき他人を利用してしまうタイプです。

相手の関心を惹きつけることを一番に考えるため、
物事を大げさに言ったり、ときにはウソをついたりします。

普段は自信に満ち溢れ、活動的であるものの、
突然、寂しさや空虚さに襲われ、気分が沈みやすい傾向があります。

4.反社会性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_反社会性

他者への態度が冷酷で、ルールを破りがちなタイプです。

他人に対する共感性がまったくなく、平気で裏切ったり傷つけたりします。

反社会的パーソナリティ障害がある人は、法を守るという観念が弱く、
犯罪を繰り返す、反社会的な組織に属すなど、アウトローが多いことも特徴です。

5.妄想性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_妄想性

根拠なく人を疑い、裏切られることを恐れてしまうタイプです。

相手に裏切られるという妄想に取りつかれ、人間関係を楽しむことができません。

配偶者や恋人が、異性と少し話しただけで嫉妬の炎が燃え上がり、
あらゆる手段を尽くして、接触を絶たせようとしてしまいます。

6.失調型パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_統合失調型

頭のなかだけで生きており、浮世離れしているタイプです。

頭のなかだけで生きているため、世間とはかけはなれた言動をとることが特徴です。

個性を発揮できる環境があると、特定の分野のカリスマとして活躍できる一方、
それに恵まれないと、現実との接触を断ち、ひきこもってしまいます。

7.シゾイドパーソナリティ障害

パーソナリティ障害_ジゾイド

人と関わることなく孤独に生きることを望むタイプです。

他人と接触することを望まず、自分の世界にひきこもってしまいます。

恋人や配偶者を得ることに興味がなく、大自然のなかでひっそりと暮らしている人も少なくありません。

8.回避性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_回避性

失敗や嫌われることを恐れ、一人の世界にひきこもってしまうタイプです。

根拠なく失敗すると思い込んでいるため、何か否定されるとチャレンジ精神を完全に失ってしまいます。

自分は人に愛されないという思い込みから、
好意を寄せてくれる人を拒絶する、子供を持つことを避ける傾向もあります。

9.依存性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_依存性

自分の意思を持てず、他人にすべてをゆだねてしまうタイプです。

見捨てられることを過度に恐れるため、自分の考えを抑え込み、周りに合わせてしまいます。

他者に対する依存度が高いことから、いい相手に出会えると幸せになれますが、
相手に恵まれないと、暴力をうけたり金銭を搾取されたりしてしまいます。

10.強迫性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害_強迫性

義務感やルールに縛られるあまり、人間関係を築くのが苦手なタイプです。

完璧主義が度を超しているため、仕事で高い評価を得ることもありますが、周囲に苦痛を与えることも少なくありません。

臨機応変に対応したり、リラックスすることが苦手なため、
自分を過度に追い詰めてしまい、突然の無気力に襲われることもあります。

———-

以上がパーソナリティ障害と呼ばれる10個のタイプそれぞれの概要です。

もしこの記事をご覧になっているあなたが、自分はそのうちの1つに当てはまっているかもしれない、と思われたのなら、その障害について個別に解説された書籍などを手に取って読んでみることは、自分への理解を深めるための効果的な手段です。

また、はっきりと当てはまるわけではなくても、グレーゾーンとも言える状態の場合もあります。いずれにせよ、どこか他人とは違う自分を理解できずに苦しんでいるのなら、

自分の当てはまるタイプについて理解を深めることは解決の糸口へと繋がります。

さて、それでは次に、パーソナリティ障害の傾向があると感じたとき、どのように対処すれば良いのかについて、どのタイプにも当てはまる方法を紹介していきます。

もし自分がパーソナリティ障害かもしれないと思ったら

自分の傾向に気づくところから始めてみる

パーソナリティ障害_アプローチ

パーソナリティ障害の傾向がある人は、
自分自身の性格の極端な部分に気づいていません。

極端な部分は、その人のパーソナリティの一部に組み込まれているため、
自分も周りも気づけないのです。

他者とのギャップに苦しめられ、傷つきやすく、人間関係が上手く築けない、そう思ったとき、
一体どのように対処すればいいのでしょうか。

結論から述べますと、
自分にそのような傾向があることを理解する、ここから始めればいいのです。

そこで、この記事ではどのタイプにも効果的な4つのアプローチ方法を紹介します。

アプローチ① 自分を観察する方法を知る

一つ目が、
自分を観察する方法を知ることです。

さまざまな専門的なアプローチ方法が開発されていますので、
専門家の診断を受けることも一案ですが、

性格の極端な部分に心当たりがあるなら、
次のような方法で自らアプローチすることも可能です。

  • 気になった点をノートに書き出してみる
  • 信頼できる親や友人に悩みを打ち明ける

どのようなことで怒りを覚えたのか、さびしさを感じたのか、うれしかったのか、
それらを言語化することで、自分の性格の傾向や現状が見えてくるでしょう。

アプローチ② 自分の人生を振り返ってみる

二つ目が、
自分の人生を振り返ってみることです。

人間関係で傷つきやすい人は、
人生を歩むうえで無理をしていることがあるはずです。

  • 社交的な性格じゃないのに無理に人に合わせていないか
  • 人と交わることが好きなのに、人と距離を置いていないか
  • 自由に振舞いたいのに、気を使いすぎていないか

現在からスタートし、幼少期まで過去にさかのぼりながら振り返っていきます。

そうすると、
自分が無理するようになった出発点が見えてくるかもしれません。

アプローチ③「退行的言動」に立ち向かう姿勢を持つ

三つ目が、
退行的言動があれば、それに立ち向かう姿勢を持つことです。

退行的言動とは、
拒食や過食、自傷行為、他者への暴力、薬物乱用、犯罪行為など、様々な形であらわれます。

退行的言動が際立つ場合は、
自分ひとりで対処することは難しいでしょう。

  • どうして手首を切ろうとしてしまったのか
  • どうして配偶者に暴力をふるってしまったのか
  • どうして薬物の摂取をやめられないのか

退行的言動の背後にある現実的な問題を知ると同時に、
そのような言動を止めなければなりません。

場合によっては、
専門家に相談する、病院に入院するなど、生活環境を変える必要もあります。

アプローチ④ 些細なことでも相談できる環境を作る

四つ目が、
些細なことでも相談できる環境を作ることです。

パーソナリティ障害の傾向がある人は、
コミュニケーションをとることが苦手で、感情を上手く言葉にできません。

失敗を人に知られたくないため、
不安なことや失敗したこと、上手くできないことを、周囲に伝えられません。

そこで、

  • 日ごろの会話で些細なことを話題にするようにする
  • 自分が上手くできないことを周りに伝えるようにする
  • 同僚や先輩に相談することを習慣化する

そうすると、
パーソナリティの極端な部分をカバーしてもらえるかもしれません。

———-

  1. 自分を観察する
  2. 自分の人生を振り返る
  3. 退行的言動に立ち向かう
  4. 相談できる環境を作る

この4つを意識して振舞うと、
気持ちが楽にあるだけではなく、周囲に理解や支援が得られやすくなります。

まとめ

パーソナリティ障害_まとめ

以上、いかがでしたか?

今日の記事では、
パーソナリティ障害と向き合う方法をご紹介しました。

パーソナリティ障害の人は、他者とのギャップに苦しみ、些細なことで傷つきやすく、人間関係をうまく築けないことに悩み、苦しんでしまいがちです。

またパーソナリティ障害と呼べるまでではなくても、そのグレーゾーンとも呼べる場所にいる人は多くいます。さらに、人間は誰しもが自分のパーソナリティに極端な部分を持っているとも言え、そうした自分の極端な部分への理解は人生の生きづらさを克服していくヒントになります。

今日の記事で紹介した対策方法は、パーソナリティ障害に当てはまる人だけでなく、そのグレーゾーンとも呼べる場所にいる方にとっても非常に効果的な方法です。

ただ、ひとつ注意していただきたいのは、
生活や仕事に支障が出る、周りに被害を与えてしまう場合は、専門家の支援が必要です。

あまりに生きづらい状況が続く、またはそのような家族がいる人は、
1人で抱え込まずに専門家の支援を受けるようにしましょう。

この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

  • パーソナリティ障害10種類
    • 1.境界性パーソナリティ障害:感情の起伏がはげしく、愛情を求めすぎるタイプ
    • 2.自己愛性パーソナリティ障害:自分を特別視するあまり、際限なく賞賛を求めるタイプ
    • 3.演技性パーソナリティ障害:理想の自分を演じるために、ウソをつき他人を利用してしまうタイプ
    • 4.反社会性パーソナリティ障害:他者への態度が冷酷で、ルールを破りがちなタイプ
    • 5.妄想性パーソナリティ障害:根拠なく人を疑い、裏切られることを恐れてしまうタイプ
    • 6.統合失調型パーソナリティ障害:頭のなかだけで生きており、浮世離れしているタイプ
    • 7.シゾイドパーソナリティ障害:人と関わることなく孤独に生きることを望むタイプ
    • 8.回避性パーソナリティ障害:失敗や嫌われることを恐れ、一人の世界にひきこもってしまうタイプ
    • 9.依存性パーソナリティ障害:自分の意思を持てず、他人にすべてをゆだねてしまうタイプ
    • 10.強迫性パーソナリティ障害:義務感やルールに縛られるあまり、人間関係を築くのが苦手なタイプ
  • もし自分がパーソナリティー障害かもしれないと思ったら
    • 自分を観察する方法を知る
      ・気になった点をノートに書き出してみる
      ・信頼できる親や友人に悩みを打ち明ける
    • 自分の人生を振り返ってみる
      ・社交的な性格じゃないのに無理に人に合わせていないか
      ・人と交わることが好きなのに、人と距離を置いていないか
      ・自由に振舞いたいのに、気を使いすぎていないか
    • 退行的言動があれば、それに立ち向かう姿勢を持つ
      ・どうして手首を切ろうとしてしまったのか
      ・どうして配偶者に暴力をふるってしまったのか
      ・どうして薬物の摂取をやめられないのか
    • 些細なことでも相談できる環境を作る
      ・日ごろの会話で些細なことを話題にするようにする
      ・自分が上手くできないことを周りに伝えるようにする
      ・同僚や先輩に相談することを習慣化する

P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。

参考書籍:
岡田 尊司 (2004) パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか PHP研究所
牛島 定信 (2012) パーソナリティ障害とは何か 講談社現代新書

パーソナリティ障害とは, パーソナリティ障害 特徴, パーソナリティ障害 種類
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