自己肯定感、ポジティブ心理学

自己肯定感を高めるポジティブ心理学の実践3ステップとは

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

  • ポジティブ心理学とは何かがわかる!
  • 自己肯定感とは何かがわかる!
  • 自己肯定感を高めるためのポジティブ心理学の実践3ステップをご紹介!
この記事では自己肯定感を高めるためのポジティブ心理学の実践方法を紹介します。自己肯定感を高めるというと、「好ましい結果を残す」「目標を達成する」など、
成功を実感できる事を通じて初めて実現される事と思われがちでしょう。
しかし、記事の中で解説するように、たとえ何かを成し遂げたり達成したりできなくても、
自分の内面からのアプローチによって自己肯定感は高めていくことができますよ。
是非今日から試してみてください!

 

実践!ポジティブ心理学の3ステップについて解説!

みなさんこんにちは!

突然ですが、質問です。

  • 「どうせ私だって、、、」
  • 「ほらやっぱりダメだった、、、」
  • 「今日も嫌なことばかりだった、、、」

そのようなネガティブ思考になってしまいやすいという人は多いのではないでしょうか。

ただそうなってしまうのも無理はありません。というのも、私たちは成長の過程で、そして仕事人生の中で、ずっと誰かと比べられ、欠点や足りないところを「直せ、改善しろ」と繰り返し指摘され続けているからです。

自分の弱い部分を否応なく直視させられ続けてきているため、自己肯定感は下がり続け、知らず知らずのうちに、自分の頑張りを認めるよりも自分の粗探しをする癖が染み付いてしまっているのです。

結果として、自信が持てず、やる気が湧かず、日々の生活に楽しみを感じられなくなっていってしまいます。

それでは一体どうすれば良いのでしょうか。それは、ダメージを受けている自己肯定感を回復へと導いていけばよいのです。

自己肯定感を高めるというと、「好ましい結果を残す」「目標を達成する」など、成功を実感できる事を通じて初めて実現される事と思われがちでしょう。

しかし、実は自己肯定感を高めるために何かを成し遂げ、達成しなくてはならない、などということはありません。

今日の記事でこれから解説するように、ポジティブ心理学の実践を通じて、自分の内面からのアプローチによって自己肯定感は高めていくことができます。

自己肯定感が高まると、

  • 自分に自信が持てやる気が湧いてくる
  • 毎日の中にワクワクを見つけ楽しいと思えるようになる
  • 自分にはその存在自体に価値があると思えるようになる

というように、日常生活レベルでポジティブな効果を次々に実感していくことができます。

今日の記事を見る事で、ポジティブ心理学とは何か、自己肯定感とは何か、そして自己肯定感を高めるためのポジティブ心理学の実践方法までが分かります。

是非最後までお楽しみください。

ポジティブ心理学の実践で自己肯定感を高める方法

まず初めに、ポジティブ心理学と何か、簡単に説明します。

ポジティブ心理学では、「何が人生に幸せをもたらすのか」、「何が心を強くするのか」、に焦点を当てます。人生がうまくいく理由に注目してその要因を探り、それを再現する方法を考える学問なのです。

従来の心理学が、「何が人を不幸にしているのか」、「何が心を弱くしているのか」に焦点を当て、心の状態をマイナスから0に戻すことに重きを置いているとするならば、

ポジティブ心理学は心の状態を0からプラスにもっていくことに重きが置かれていると言えるでしょう。

そんなポジティブ心理学では、自分の感情の状態、得意とすること、社会との関係などの観点から、幸せの源を探し求め、物事がうまくいく理由や方法を確立しようとします。

そのため、ポジティブ心理学の実践は自己肯定感の向上にダイレクトに繋げていくことができるのです。

自己肯定感とは何か

自己肯定感、ポジティブ心理学

それではそもそも自己肯定感とは一体何なのでしょうか。

自己肯定感という言葉は、もともとは「自尊心」を意味する英語のself-esteem(セルフエスティーム)の訳語の1つです。

そこでこの記事では、自尊心とは「基本的自尊感情」「社会的自尊感情」の2つの要素で構成されるとする「自尊心モデル」に従い、それら2つの要素を、ポジティブ心理学を使って高めていく方法を解説していきます。

基本的自尊感情と社会的自尊感情

まず、基本的自尊感情とは、ありのままの自分を認める気持ちのことです。これは、比較を伴わない、絶対的で無条件なものです。

そして、社会的自尊感情とは、私にはできると思える気持ちのことです。これは、社会と自分との関係性の中で培われるものです。

自己肯定感を高めるとは、この2つの要素を高めることです。それは、ありのままの自分を認めるということ、そして「私にはできる」という自信を培うということです。

みなさんの自己肯定感はいまどのような状態でしょうか。

これから紹介する3ステップを実践していき、自己肯定感を高めていきましょう。

自己肯定感を高めるポジティブ心理学の実践3ステップ

自己肯定感、ポジティブ心理学

その3ステップとは、

  • ステップ①自分の気持ちをありのままに認める
  • ステップ②自分の気持ちを明るく導いていく
  • ステップ③自分の心の才能を活かすように工夫する

の3つです。

それでは1つずつ解説していきます。

ステップ① 自分の気持ちをありのままに認める

自己肯定感が低いと、どうしてもネガティブな気持ちが次から次に湧いてきて、
そのネガティブな気持ちに支配されてしまいます。

その支配から抜け出そうとして、ネガティブ感情に抵抗しようとして、無理やりポジティブに捉えようとしてもそれは感情を押し殺しているだけです。

感情といった目に見えないものに対処するために大切な姿勢は、抵抗するのではなく、まず観察するという姿勢です。

まず、自分の中から湧いてくるネガティブな感情を、ありのままに見つめてみましょう。

  • 自分は今、自分の能力の低さに幻滅しているなあ
  • 自分は今、将来に対して不安を感じているなあ
  • 自分は今、自分の行動の結果を見て後悔しているなあ

そのように、まず自分の中に湧いてくるネガティブな気持ちをただ観察します。

そして今度は、ネガティブになってしまっている自分自身に対して思いやりの気持ちを持ちます。

このことをポジティブ心理学ではセルフ・コンパッションと呼びます。

そんなセルフコンパッションを実践するには、落ち込んでいる親友を励ますように、自分自身を励ますようにします。

  • 人からの評価で自分を評価しなくていいのだよ
  • 自分の行動や思いを善悪で判断しなくていいのだよ
  • 完璧な人なんていないのだから欠点があってもいいのだよ
  • ネガティブな気持ちを抱いてしまっていてもいいのだよ

このように、

ネガティブな気持ちの観察→セルフコンパッションによる励まし

を繰り返すことで、「私は今のままでも良い」というように、ありのままの自分を認める気持ちを自分の中に育てていくことができるのです。

ステップ②自分の気持ちを明るく導いていく

ステップ①によって、自己肯定感をマイナスの状態から0の状態へと近づけていけたら、今度は0からプラスの方向へと導いていきます。

目標はネガティブな感情が1に対し、ポジティブな感情が3であるように保つことです。ネガティブとポジティブの感情のバランスが1:3の割合の時、人は前向きな前進を継続的に行え、物事は好転し始めるとされています。

ネガティブな感情を0にする必要は無い、というのがポイントです。その上で、自分の感情をネガティブの3倍ポジティブに導いていくという発想が大切です。

運動をしたり、感謝の日記をつけたり、好きな音楽を聞いたり。そうした自分をポジティブに導く行動のことを「ハピネスブースター」と呼びます。自分のハピネスブースターが何かをしり、それを日々の中に積極的に取り入れます。

なぜポジティブな気持ちを持つと良いのかというと、人はポジティブでいる時に、健康面、仕事面、人間関係面などのあらゆる面においてメリットがもたらされるからです。このことを、「幸福優位性(ハピネスアドバンテージ)」が働くと言います。

つまり、「成功するから幸せになる」という順番ではなく、「幸せだから成功する」というのが正しい順番であり、とりあえず幸せな気持ちを持つことがまず大切であると言えます。

ステップ③自分の心の才能を活かすように工夫する

そしてステップ③では、自分の「心の才能」を活かすようにします。
それは、学歴、資格、実績、キャリア、語学スキル、といった実際に確認できるようなものではありません。ここでは、人よりもどれだけ知識や技術を持っているかは関係ないのです。

心の才能とは、どのような特徴を発揮することが得意なのか、どのような未来を生み出すことができるか、といったことです。

例えば、

  • どんなに困難な状況にいてもジョークを言える
  • 人が集まる場所で色々な人と交流するのが好き
  • 本屋にいって新しい知識を見るとワクワクしてくる

それは、ユーモアの精神、共感力、知識への興味、というように、知らず知らずのうちに自分の中で培ってきた個性と呼べます。

人にとっては難しく感じるような行動でも、自分にとっては簡単に感じること、というのが誰にでも必ずあります。

それが心の才能です。心の才能というのは、他人との比較によって見つかることではありません。自分の中で得意と思えることが心の才能です。

心の才能には、6つの領域に渡り、合計24の項目があるとされます。

それら24項目については、この記事の末尾にメモしておりますので、その中から自分に特に当てはまると思える項目を5つピックアップしてみましょう。

その5つというのは、人と比べて得意なことである必要ありません。自分の中で得意な5つのことです。それは、日々の生活の中で特段の努力の必要もなく自然にできてしまうことです。

それがあなたの「心の才能」で、それを日々の生活の中で活用できないか考えてみてください。

人との比較の中で、自分の能力を評価してしまうと、
「相手にとって得意な事」と「自分にとって苦手な事」とが運悪く比較されてしまう場合、どうしても自分の弱さや能力の低さに注目してしまいます。

心の才能は、他人との比較の中ではなく、自分の中での比較によって見つけるので、「これは自分が得意とすることだ」と思える領域が必ず見えてくるはずです。

———-

ここまでを簡単にまとめると、

まず、ネガティブな感情の観察と自分への思いやりの精神によって、ネガティブな状態それ自体をありのままに認めましょう。別にネガティブでいても良い、そのように思うことで、辛い感情に支配されることから自然と解放されます。

次に、自分の感情をポジティブな方向に導いていきましょう。この時、ネガティブ「1」に対して、ポジティブ「3」がちょうどよいバランスです。自分の気持ちをポジティブに導いてくれる行動であるハピネスブースターを日々の生活に取り入れましょう。

そして最後に、自分の「心の才能」の上位5つを意識して毎日を過ごしてみましょう。心の才能は他人との比較ではなく、自分の中の得意・不得意の比較の中で見えてきます。動画概要欄にメモしている24の心の才能候補の中から、自分に特に当てはまる5つを選んでみましょう。

まとめ

以上いかがでしたか?今日の記事では自己肯定感を高めるためのポジティブ心理学の実践方法を紹介しました。

もし、記事内で説明した3ステップの中で、どうしても自己肯定感が上がらず、ネガティブな状態から抜け出せないようでしたら、自分の中の「心の癖」にその原因がある可能性が高いです。

自分の中の「心の癖」は、心理学では「認知の歪み」と呼ばれます。認知の歪みについて、そして認知の歪みを修正する認知行動療法について、下記の記事で解説しております。もし途中でつまづいてしまったら、そちらも是非参考にしてみてください。

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認知の歪み

この記事の内容が何か一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。

付録:6つの領域にわたる24の心の才能の一覧

6つの領域:

  1. 思いやり・・・愛や、親切など、他人と関わる際の友好能力
  2. 勇気・・・目標達成したり困難に負けない強い気持ちをもつ能力
  3. 知恵・賢さ・・・創造力や知的好奇心など知識を構築し活用する能力
  4. 自制・節制・・・行き過ぎを防ぎ、自己コントロールする能力
  5. 正義・・・チームワークや公平性など健全な社会関係を培う能力
  6. 超越した視点・・・自己を超越した世界観や人生の意義を感じる能力

①「思いやり」に属する心の才能

  • 親切心:親切で、人のために良いことをできる。見知らぬ人にも寛大。
  • 社会的知性:他者の気持ちを理解し状況に応じた適切な言動をとることができる。
  • 愛情:人を思いやり共感し親密になれる。

②「勇気」に属する心の才能

  • 誠実さ:真実を重視し正直であり、自分の気持ちや行動に責任を持つ。
  • 熱意:生き生きと活動的で、取り組むことに対して感動や情熱を感じる。
  • 忍耐力:困難に対して粘り強く始めたことをやり遂げる。課題を完了させることに喜びを感じる。
  • 勇敢さ:物事の達成を阻む障害や困難に対しくじけず、孤独でも信念に基づいた行動をとる。

③「知恵・賢さ」に属する心の才能

  • 創造性:新しいやり方や効率的なやり方を考えることが得意。従来のやり方に満足しない。
  • 向学心:新しいスキルや知識を学び、それらを体系的にすることができる。
  • 好奇心:目の前の出来事に興味を持ち探求することができる。
  • 大局観:全体的な物の見方ができ、人へのアドバイスや、世間に対する見方が鋭い。
  • 知的柔軟性:安易に結論を出さず、様々な角度から物事を考える。決断する時は根拠を重視する。

④「自制・節制」に属する心の才能

  • 寛容さ:自分や他者に対する過ちを許し復讐心を持たず慈愛の気持ちを持てる。
  • 思慮深さ:慎重的になり無闇にリスクを取らない。用心深い。
  • 自律心:感情や欲望を抑え、言動をコントロールできる。
  • 慎み深さ:謙虚であり、注目を浴びることを求めない。他者を立てることができる。

⑤「正義」に属する心の才能

  • チームワーク:チームに対して献身的になり一員としてやるべきことに取り組める
  • 公平さ:不平等を嫌い公平性を重んじ平等にチャンスを与える
  • リーダーシップ:チームの調和のために尽力でき仲間意識を醸成できる

⑥「超越した視点」に属する心の才能

  • スピリチュアリティ:高い視点から目的や意義を考える。大きな枠組みに基づく信念を大切にする。
  • ユーモア:物事の明るい面を見れる。いたずら好き、ジョークを混ぜる。
  • 感謝:周りのことによく気づき、感謝できる。
  • 希望:ポジティブな未来を描き、達成をイメージできる。
  • 審美眼:日常的なことから芸術的なことまで、そこに美しさを見出すことができる。

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

 

・ポジティブ心理学とは?
・「何が人生に幸せをもたらすのか」、「何が心を強くするのか」、に焦点を当て、
人生がうまくいく理由に注目してその要因を探り、それを再現する方法を考える学問
・ポジティブ心理学の実践は自己肯定感の向上にダイレクトに繋げていくことができる・自己肯定感とは?
・「自尊心」を意味する英語のself-esteemの訳語の1つ
・自尊心は「基本的自尊感情」と「社会的自尊感情」の2つの要素で構成される(自尊心モデル)
・基本的自尊感情:ありのままの自分を認める気持ち。絶対的で無条件なもの。
・社会的自尊感情:私にはできると思える気持ち。社会と自分との関係性の中で培われるもの。
・自己肯定感を高めるとは、「基本的自尊感情」と「社会的自尊感情」を高めること
・自己肯定感を高めることによって日常生活で得られるメリット:
・自分に自信が持てやる気が湧いてくる
・毎日の中にワクワクを見つけ楽しいと思えるようになる
・自分にはその存在自体に価値があると思えるようになる

・自己肯定感を高めるポジティブ心理学の実践3ステップ
・ステップ①自分の気持ちをありのままに認める
・ネガティブな感情を、まず観察する
例:自分は今、自分の能力の低さに幻滅しているなあ
例:自分は今、将来に対して不安を感じているなあ
例:自分は今、自分の行動の結果を見て後悔しているなあ

・落ち込んでいる親友を励ますように、自分自身を励ます(セルフ・コンパッション)
例:人からの評価で自分を評価しなくていいのだよ
例:自分の行動や思いを善悪で判断しなくていいのだよ
例:完璧な人なんていないのだから欠点があってもいいのだよ
例:ネガティブな気持ちを抱いてしまっていてもいいのだよ

・ステップ②自分の気持ちを明るく導いていく
・目標はネガティブとポジティブの感情のバランスを1:3の割合にすること
・ネガティブ感情を0にする必要は無い、というのがポイント
・自分をポジティブに導く行動である「ハピネスブースター」を積極的に取り入れる
例:運動をしたり、感謝の日記をつけたり、好きな音楽を聞いたり・・・
・ポジティブを保つと、健康面、仕事面、人間関係面などの面においてメリット有(幸福優位性)

・ステップ③自分の心の才能を活かすように工夫する
・心の才能:日々の生活の中で特段の努力の必要もなく自然にできてしまうこと
・心の才能は6つの領域に渡り、合計24の項目がある(上記リストを参照)
・心の才能リストの中から自分に当てはまる項目を5つピックアップし自己分析

 

 

参考書籍:
成瀬まゆみ (著・監修), 前山三都里 (イラスト)(2020)まんがでわかる 自己肯定感を高める ハーバード式ポジティブ心理学 宝島社
マーティン・セリグマン (著), 宇野カオリ (監修・翻訳)(2014)ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から”持続的幸福”へ ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

 

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