- 意志力とは何かについて、脳との関係から理解が出来る!
- 意志力が低いとは一体どういう状態なのかがわかる!
- 意志力を鍛えるためには具体的にどうすれば良いかがわかる!
この記事では、意志力について、それを脳科学的な知見も踏まえつつ解説していきます。そして、意志力を高めるとは一体どういうことを意味しているのかを紐解き、どのように鍛えていけば良いのか、という具体的なアイデアをご紹介していきます。
意志力を鍛える方法
みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです!
突然ですが、このような問題に誰もが何度も直面したことがあるのではないでしょうか?
- 今すぐやった方がいいとは分かっているけど、結局また先延ばしをしてしまった
- 次こそは我慢しようと自分に約束したはずなのに、結局何度もその約束を破ってしまう
- 将来的に好ましくなるとは理解しているのに、そのことをどうしても出来ない
まさに今こう話している私自身も、かつてはそのように、
自分の意図した通りに自分をうまくコントロールできずにおり、そのことが悩みでした。
しかし、
今日の記事のテーマでもある「意志力」についての理解を深め、
そしてそれを鍛える術を知ったことによって、
今では、少なくとも、以前よりはだいぶましな状態、
すなわち、自分の意図した通りに自分をコントロール出来る事がとても多くなりました。
そこで、今日の記事では、まさにその、
「どうすれば自分を思うようにコントロールすることができるようになるのか」
というお話を、脳科学的な観点も踏まえながら解説していきます。
今日の動画を見終わる頃には、
- 先延ばし癖を直し
- 我慢する力を高め
- 自分の描く理想の未来に向かって確実に一歩ずつ歩み始めることのできる
「意志力」という名のスキルを高める方針を得ることができるでしょう。
是非最後までお楽しみください。
意志力とは
「意志力」とはそもそも何か。その疑問に端的に答えるならば、
意志力とは、
意図した志に向かうために、自分をコントロールする力
であり、
その力というのは、
- 志を意図する力
- 意図した通りにやる力
- 意図に従い衝動を抑える力
の3つに分解することが可能です。
私たちは常日頃から、
「自分は意志の力が弱い」であったり、「あの人には意志の力」がある、
などと「意志力」という言葉を何気なく使っていますが、
意志力を高めていくための第一歩目としては、
意志力とは、そうした3つの力の総合力であるという認識が、
まずは必要であると言えます。
進化の過程で発達してきた意志力
そして人類は、この力を進化の過程の中で発達させてきました。
つまり、
その進化の過程の中で社会を構築するようになった人類は、
太古の昔に膨大な年月をかけて発達させてきた本能に従うのではなく、
社会を構成する他の人たちと互いに協力し、同じ目標に向かって進む必要が生じたわけです。
そのために必要となったのが、
目標と計画を意図し、意図した通りに行動し、意図に反する本能を抑える能力
すなわち
意志力でした。
以上の説明からも分かる通り、
私たちは人類である以上、当然誰しもが「意志力」を持っているわけです。
意志力が低いとは
しかし、
自分の持ちうる意志力を誰しもが存分に発揮できているわけではありません。
なぜならば、
現代を生きる私たちにおいても、いまだに本能は健在であると同時に根深く強力な力をもっているため、
本能が意志力を打ち負かすという自体がしょっちゅう起こっているからです。
それでは一体どうすれば、
本能よりも意志力の立場を優位にし続けることが出来るのでしょうか。
その方法を知るためには、次に、
意志力と脳の関係について知る必要があります。
意志力と脳の関係
さて、ここまで意志力とは何か、というお話をしてきましたが、
その正体は脳の働きによるものであることがわかっています。
意志力と関係している脳の部位とは
前頭前野
であり、それはちょうどおでこのすぐ裏側にあります。
この前頭前野は、その中だけをみても位置によって役割が異なっており、
先ほど紹介した意志力の3つの要素とそれぞれ対応する位置があります。
その位置というのは
- 上部左側は、意図した通りにやる力
- 上部右側は、意図に従い衝動を抑える力
- 中央下部は、志を意図する力
にそれぞれ対応しています。
そもそも、
前頭前野の初期の役割は、
歩いたり、走ったり、手を伸ばしたり、といったように
体の動きを意図した通りにコントロールすることにありましたが、
人類の進化に合わせてその役割もどんどん複雑になっていったわけです。
本能と脳の関係
そして、
先ほど話にあがった「本能」もまさに脳の働きであることがわかっています。
人間の脳というのは外側にいけばいくほど新しく進化した部位になっているわけですが、
本能は脳のより内側の部分の働きによるものです。
見方を変えるならば、
私たちは一人につき脳は1つですが、
その1つの脳の中には、太古の時代のままの本能的な自分と、比較的最近発達し意志力を持つようになった自分との二人がいるということです。
そして、
- 先延ばししてしまう
- 我慢できない
といった、いわゆる「意志が弱い」と言われてしまうような時というのは、
そうした脳の内側の奥深い部分の脳細胞が、脳の外側にある前頭前野の部分の脳細胞よりも活発に働いてしまっているから起きている現象なのです。
以上の話を踏まえると、
意志力も、本能も、脳の特定の部位の活発化によるものであるならば、
意志力を強くするためには、本能よりも意志力を司る脳の部位がより活発になれば良いということがわかります。
しかし、そんな都合良くいくのでしょうか。
どうすれば意志力は高められるのか
残念ながら、意志力というのは、
これをすれば速攻で強くなる!というものではありません。
確かに小手先のテクニックで一時的に脳細胞を活性化させ、
意志力が高まったように感じることはできるでしょう。
しかし、
そうした小手先のテクニックで得られる効果というのは一時的なものであり、
すぐに意志力の弱い自分に戻ってしまいます。
それではどうすれば良いのかというと、
意志力を鍛えれば良いのです。
実は、意志力も筋肉と同じで、鍛えることによって強くすることができます。
つまり、
意志力を鍛えて強くすれば、
先延ばしや、我慢ができない、という事態に陥らないで済むようになるわけです。
逆に言えば、先延ばし癖があったり、我慢できないという人は、
意志力の正しい鍛え方を知らないだけです。
それでは意志力の正しい鍛え方というのは一体どのようなものなのでしょうか。
それは、これから紹介する2つの事を日々の生活に無理のない範囲で徐々に取り入れていくだけです。
その2つの事とは、
- 自己認識を繰り返す
- ちょっとだけ努力が必要な事を繰り返す
の2つです。
1つずつ解説をしていきます。
鍛える方法①自己認識を繰り返す
自己認識とは、その文字通り
自分のしている事を認識するということです。
実は、この自己認識なしには、そもそも意志力を発揮できません。
なぜならば、意識的な選択をするためには、まずそれを自分で認識できていないといけないからです。
しかし、私たちは、
1日の中でする事のほとんどを実は無意識的に行なっています。
意識している時のことしかそもそも覚えていないので、そんな事ないと思われるかもしれませんが、
試しにこれからする事を全て意識して行おうとすると、あまりに大変であることに気づく事でしょう。
そしてそうした延長の中で暮らしているため、
いざ自己認識をしようと思っても、正しく認識することが出来ず、
意志力はその力を最大限に発揮できません。
結果、どうなるのかというと、
意志力よりも本能の方があっという間に勝ち、
気付いた時には先延ばしをし、また我慢できていないわけです。
じゃあどうすれば良いのかというと、
意志力が必要なタイミングで、しっかりと自己認識ができるように訓練していけば良いのです。
意志力日記をつける
そのためには、
「意志力日記」
を付ける事がとても役立ちます。
つまり、
毎日毎日、今日の自分の意志力はどうであったのかを、ありのままに記録します。
日記をつけるというのは、自分の生活を言語化するという意味において自己認識行為の最たるものです。
先延ばしをしてしまったのなら、何を先延ばししたのか、どうして先延ばししたのか、先延ばしをした時の自分はどうであったか、何を考えていたか、どんな気持ちであったか、
また我慢できなかったのなら、何を我慢できなかったのか、どうして我慢できなかったのか、我慢できなかった時の自分はどうであったか、何を考えていたか、どんな気持ちであったか
など。
とにかく、無意識的に行なっていたであろうことを全て掘り起こし、日記に記します。
そうすると次の日からどうなるのかというと、
ふとした瞬間に、「あ、この前と同じシチュエーションだ。」と気づく事が多くなります。
気づけたらしめたものです。なぜならば意志力を発揮するターゲットが明確になったという事だからです。
そしたら次は、そのターゲットに向けて意志力を発揮するだけです。
鍛える方法②ちょっとだけ努力が必要な事を繰り返す
「意志力日記」をつけることが、的に向かって矢を狙い定める練習であるとするならば、
次に紹介するのは、矢を放つ練習です。
すでに解説した通り、意志力は筋肉と同じで、鍛えれることが出来ます。
意志力を鍛えるとは、つまり、
意志力を担う脳の部位、すなわち前頭前野の脳細胞が、活発化しやすいように癖付けしていくということです。
実際、脳というのは繰り返し使われることによって、
その繰り返し使われた部分の脳細胞が活動的になっていく事が知られています。
つまり、
意志力を鍛えたいのなら、意志力を担う前頭前野を、日頃から頻繁に刺激してあげれば良いのです。
前頭前野を刺激するためには、
我慢しなくてはいけない事、今すぐやらなくてはいけない事、
というのは、基本的にどれも意志力を必要とし、前頭前野を刺激します。
前頭前野を刺激するアイデア
そのためにオススメの方法が、
家の所々にちょっとしたルール付きの障害物を設置するというものです。
例えば、
我慢する力を強めたいのなら、冷蔵庫に缶ジュースを一本置き、絶対飲んではいけないというルールを設定し、
行動に移す力を強めたいのなら、トイレの壁に適当なシールを1枚貼り、そのシールを見たら毎回5秒間触り続けなくてはいけないというルールを設定します。
些細な事と思われるかもしれませんが、
こんな事であっても、脳の働きとしては、
お菓子を我慢する時や、机に座ったらすぐ勉強や仕事に取り掛かる時と全く同じ脳の働きによるものです。
ちがうのは、そのハードルの高さだけです。
試しに繰り返し実践してみればその驚くべき効果を実感すると思うのですが、
例えばお酒を我慢する時には、冷蔵庫に置いた缶ジュースを我慢するのと同じ要領で我慢できます。
また、すぐ仕事や勉強に取りかからなくてはいけない時には、
トイレに貼ったシールを5秒間触り続けなくてはいけないのと同じ要領で、すぐに取り掛かり始める事ができます。
瞑想を取り入れる
また、他にも、
瞑想をする習慣も意志力を鍛えるのに非常に効果的です。
瞑想中、別のことを考えてしまう度にすぐ呼吸に集中し直すというのは、
まさに前頭前野の働きによるものであり、そうした前頭前野の働きが必要なタイミングは瞑想中に何十回も訪れます。
つまり、呼吸に集中し直すたびに、前頭前野が鍛えられていると思うと良いでしょう。
ちなみに、瞑想に関しては、このサイトでは非常に推奨しており、
その方法であったり科学的根拠についても解説しておりますので、ご興味がございましたら是非ご覧ください。
意志力を強くする方法まとめ
以上いかがでしたか?
この記事では、意志力と脳の関係について触れ、
意志力も、筋肉と同じで、正しく鍛えれば確実に強くしていけるという事を解説してきました。
「意志力を発揮する」
という行為を、
「的に狙いを定め、矢を放つ」
という行為に見立てるのならば、
そのためには、的に狙いを定める練習と、矢を放つ練習の2つが必要です。
その2つの練習方法については既に解説した通りです。
この動画でご紹介した方法を、是非日々の生活の中に取り入れてみてください。
そうすれば確実に意志力が高まっていくことを実感でき、
冒頭でも取り上げたような、
- 何度も先延ばしをしてしまう
- 我慢するという自分への約束を何度も破ってしまう
- 将来的に好ましいと分かっても行動に移せない
という問題を片っ端から解決していき、
自分のことを、確かな意志力でもってコントロールしていけるという自信が身についていくことでしょう。
何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。
また、意志力を高め自分を変えるという観点からは、
こちらの書籍「スタンフォードの自分を変える教室」がおすすめです。
また、当サイトの内容は動画でも解説をしておりますので、合わせてご覧いただけますとより効果的に学ぶことができます。
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
- 意志力とは意図した志に向かうために自分をコントロールする力
- 意志力は3つに分解可能
- 志を意図する力(望む力)
- 意図した通りにやる力(やる力)
- 意図に従い衝動を抑える力(やらない力)
- 意志力は進化の過程で発達した
- 人類は社会を行動に発展させてきたが、その中で他者との協力が必要不可欠
- 目標を設定し、意図した通りに行動し、意図に反する本能を抑える能力、すなわち意志力を発達させた
- 意志力は3つに分解可能
- 意志力と脳の関係
- 意志力を司るのは額のすぐ裏側にある「前頭前野」
- 前頭前野はさらに3つの部位に分けられる
- 上部左側:意図した通りにやる力
- 上部右側:意図に従い衝動を抑える力
- 中央下部:志を意図する力
- 脳はその構造上外側ほど最近発達したもの
- 本能は脳の中ではより内側奥深くにあり、太古の昔から長い年月をかけて発達させてきたもの
- 先延ばしなど、「意志が弱い」と言われる状況では前頭前野の脳細胞よりも、本能を司る部位の脳細胞の方が活発になっている
- 意志力を高めるには?
- 意志力は筋肉と同じで鍛えることによって高める事ができる
- 意志力を発揮するということを、「的を狙い定め、矢を放つ」ことに見立てれば、するべきことは的を狙い定める練習と、矢を放つ練習
- 鍛える方法① 自己認識を繰り返す
- 意識的な行為の前には、認識段階が必須
- 意志力を発揮するためにはそもそも自己認識が必要
- 「意志力日記」をつける
- 日々の生活の中で「先延ばし」「我慢できない」「怠慢」などといった時のことを、綿密に書き記す
- 後日、同じシチュエーションに出くわした時に自己認識の精度を高めることができる
- 鍛える方法② ちょっと努力が必要なことを繰り返す
- ちょっと努力が必要なことは、前頭前野を刺激
- 脳は使えば使うほど、その使われた部位が活発化しやすくなる
- おすすめは家の所々にちょっと努力が必要な障害物を置く
- また瞑想習慣も意志力を高める上では非常に役立つ
参考文献:
ケリー・マクゴニガル(2015)『スタンフォードの自分を変える教室』神崎 朗子訳 大和書房
ピアーズ・スティール(2012)『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』 池村千秋訳 CCCメディアハウス