- 健康に欠かせない五大栄養素の1つ「ミネラル」について詳しくなれる!
- 各ミネラルの役割から含有量が豊富な食品まで知れる!
- 普段の食生活の中で気をつけるべきポイントが分かる!
この記事では、健康オタクシリーズの第5弾として、「ミネラル」について解説をしています。
タンパク質・糖質・脂質・ビタミンと並び、ミネラルの知識は健康維持から筋トレ、ダイエット、アンチエイジングまで、非常に重要な知識です。
ミネラルとは何か?
ミネラルとは何か、それを理解するためには、他の栄養素との関連を見ることでイメージが湧いてきます。
まず、肉体を1つの車であると例えてみましょう。
すると、
タンパク質は車体です。
糖質はガソリンです。
脂質はガソリンでもあり、車体の一部でもあります。
ビタミンは車としての機能を正常に保つための潤滑剤です。
そしてお待ちかね、ミネラルは、ビタミンと同様、潤滑剤としての働きもしますし、
骨をイメージして頂けると分かるように車体の一部にもなります。
といっても、ミネラルが私たちの体全体に占める割合は大きくありません。
人の体に存在する元素は約60種類と言われていますが、
最も多いのが酸素の65%、次が尿素で18%、次が水素で10%、次が窒素で3%となり、
残りの4%がミネラルです。
つまり、全体の4%しか占めていないわけですが、この4%分が無いと私たちは生きていけず、
非常に重要な4%なのです。
ミネラルの種類
そんなミネラルですが、現時点において人間にとって必要不可欠とされるミネラルは16種類あります。
そして、その中でも、
1日の必要量が100mg以上のものを主要ミネラル、それ以外を微量ミネラル、と言います。
主要(多量)ミネラルと微量ミネラル
主要ミネラルとしては、
カルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素の7種類。
微量ミネラルは鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロムの9種類です。
その中でも、イオウ、塩素、コバルトの3つを抜いた、13種類が、
厚生労働省によってその食事摂取基準が設けられているミネラルとなります。
つまり、日本においてはこの13種類が主なミネラルとして解説されることが多くなっています。
それに従い、この記事でもそれら13種類について1つずつ解説していきます。
ちょっと長くなりますが是非気合いで付いてきて下さい。
といっても、今回は、ミネラル概論として浅く広くさらっと解説する程度なので、
そんなミネラルがあるのか〜程度で大丈夫です。
それでは1つずついきます。
体の構成要素として欠かせないミネラル
カルシウム、リン、マグネシウム
まず、私たちの骨や爪、歯などに欠かせないミネラルが、
カルシウムとリンとマグネシウムです。
これら3つは互いに協力し合いながら骨や歯などを作り出します。
その他にも機能はあり、
カルシウムは筋肉の収縮活動や神経の安定に関わり、マグネシウムは糖質の代謝やタンパク質の合成に関与、リンはエネルギーの代謝に必須で細胞やDNAを作るのにも欠かせません。
この中で特に取り上げるならば、日本人のほとんどは慢性的なカルシウム不足であるということです。カルシウムは意識的にとっていきたいところですが、取りすぎは腎臓結石などにもなるので注意も必要です。
鉄と銅
次に、
私たちの血液にとって不可欠なのが鉄と銅です。
血液の成分のうち、全身に酸素を運ぶのが「赤血球」ですが、その赤血球を作り出すのに必要不可欠なのが鉄です。
そして、銅はそんな鉄の働きをサポートするのでこれまた不可欠です。
その他には、鉄は肝臓による解毒作用を助け、銅は体が酸化して老化するのに対抗し、皮膚や髪を健康な状態に保ちます。
この中で特に取り上げるならば、鉄不足には要注意ということです。お肉を普段食べない方は、ほぼほぼ鉄不足です。鉄というとよくほうれん草がよく登場しますが、ほうれん草には不足分を補えるほどの鉄は別に入っていないので、ほうれん草食べたから大丈夫とは思わないようにしましょう。
代謝に欠かせないミネラル
ナトリウムとカリウム
ナトリウムとカリウムは、体の水分量を調整するのに欠かせません。
ナトリウムとは、つまるところ塩です。塩を食べると、喉が乾くと思うのですが、
それは体のナトリウム濃度があがると、体内の水分量を増やそうとするからです。
しかし、体内の水分量が増えすぎると、今度は体中がむくんでしまいます。
そこで登場するのが、カリウムで、そんな増えすぎたナトリウムを体の外に排出し、
体内の水分量を減らして正常な状態を維持しようとします。
クロムとモリブデン
次に、クロムとモリブデンですが、
クロムは血糖値を下げるインスリンを助け、また血液中のコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。
そば、昆布、さばなどに豊富に含まれています。
モリブデンは、様々な代謝に関わる酵素をサポートするミネラルです。また、体から不必要なものを尿として体外に排出するサポートもします。
大豆、小豆、など豆類に豊富に含まれています。
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その他の欠かせないミネラル 亜鉛・ヨウ素・セレン・マンガン
まず亜鉛は、味覚を正常に保つには欠かせないミネラルです。また、細胞を作り成長を助けるほか、男性ホルモン・女性ホルモンの合成にも欠かせない成分となります。
レバー、肉類、豆類に含まれています。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となり、エネルギーを作りだすことや、子供の成長・発達を助けます。
わかめやひじき、昆布に豊富に含まれています。
セレンは、抗酸化作用をもつ酵素を合成し、老化の原因となる活性酸素の働きを抑制します。
かつお、たらこ、まぐろなどに豊富に含まれています。
マンガンは、さまざまな酵素を作り出すのに欠かせず、また正常な生殖機能のサポートもします。
玄米、くるみ、大豆などに豊富に含まれています。
ミネラルの不足と過剰
さて、以上一気に解説してきましたが、
この記事だけで、全て覚えるのはそもそも無理な話なので、
これだけは押さえて帰って!という要点だけをまとめます。
不足しやすいミネラル
日本人が不足しがちなミネラルは、
カルシウム・マグネシウム、そして鉄です。
カルシウムは、干しエビや煮干し、チーズ、牛乳、ヨーグルトなどに豊富に含まれています。
1日の推奨摂取量は600〜800mg程度で、例えば牛乳コップ一杯には200mg程度含まれています。
マグネシウムは、
豆腐、そば、アーモンド、カシュー、くるみなどに豊富に含まれています。
1日の推奨摂取量は300mg程度で、例えば木綿豆腐には一人分100gあたり130mg含まれています。
鉄は、
レバー、肉類、貝類に豊富に含まれています
1日の推奨目安量は6~7mg程度で、鳥レバーで一人前80gあたり7.2g、ほうれん草には100gで2mgほどです。
取りすぎに注意
どの栄養素にも言えることですが、取りすぎには注意が必要です。
取りすぎになりやすいミネラルとしては、塩分であるナトリウムです。
とりすぎたナトリウムを排出するにはカリウムが必要です。
カリウムは、
大豆、アボカド、バナナなどに多く含まれています。
1日の摂取目安は2000〜2500mg以上で、
例えば、大豆50gには950mg、アボカド100gには720mg、バナナは一本あたり420mgくらいです。
ただ、カリウムは通常の食事で不足することはないので、特に意識をする必要は無いでしょう。
ミネラルの役割と効果まとめ
以上いかがでしたか?
今日の記事で、
五大栄養素である、
糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル、
全ての解説が完了しました。
今後は、これまでの知識を基礎に、
もっと面白くてためになる情報をお届けしていこうかと考えています。
もし健康知識についてご興味のある方は、是非Youtubeの方でもチャンネル登録を宜しくお願い致します。
この記事の内容が何か1つでもお役に立てておりましたら幸いです。
また、当記事の内容は動画でも解説をしておりますので、合わせてご視聴頂けますと
より理解を深めることができます。
最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の動画でお会いしましょう。
- ミネラルとは
- 肉体の構成要素としての働きと、酵素の働きをサポートする働きがある
- 肉体を車に例えると
- タンパク質・・・車体
- 糖質・・・燃料
- 脂質・・・車体と燃料
- ビタミン・・・潤滑剤
- ミネラル・・・車体と潤滑剤
- ミネラルの種類
- 主要ミネラル(1日100mg以上の摂取が必要)x7(多量ミネラルとも)
- カルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素
- 微量ミネラルx9
- 鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロム
- 主要ミネラル(1日100mg以上の摂取が必要)x7(多量ミネラルとも)
参考文献:
アール ミンデル(2004)『完全版 ビタミン・バイブル』 丸元 淑生訳 小学館
ティム・スペクター(2017) 『ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷 玲美訳 白揚社
山本義徳 ミネラルのすべて: 山本義徳 業績集7 山本義徳業績集
牧野 直子(2016)『世界一やさしい! 栄養素図鑑』 新星出版社
中村丁次(2017) 『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』朝日新聞出版