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アンガーマネジメントとは。その方法を入門向けに解説!

  • 私たちを苦しませることも多い「怒り」の感情とは一体何なのか、その正体がわかる!
  • 6種類あるといわれる怒りのパターン(癖)がわかる!
  • 怒りとうまく付き合っていくための基本的な対処方法をご紹介!
この記事では、「怒り」という感情について、脳科学と心理学の観点からご紹介しつつ、怒りの感情とうまく付き合っていくための「アンガーマネジメント」について解説します。この記事をご覧いただくことで、怒りに苦しんでいる人のストレスが少しでも軽くなり、仕事やプライベートがすごしやすくなるためのヒントが見つかれば幸いです。

 

「アンガーマネジメント」の基本事項について解説!

みなさんこんにちは!

今日のテーマは、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」について。怒りによるストレスが軽くなり、仕事やプライベートがすごしやすくなりますよ。

怒り(いかり)、怒る(おこる)という感情は
周りに八つ当たりしたり、威圧的な態度をとってしまったり
あまり気持ちのいい状況ではありませんよね。

しかし・・・

  • 怒ることはよくない
  • 怒りっぽい性格はなおらない
  • 怒りはマイナスの感情だ

このような怒りのイメージは、すべて間違っています。

「怒り」という感情は、私たちの身を守るために必要な感情なんです。

今日の記事で
イライラしやすい・感情の起伏が激しい自分を一緒に見つめなおしていきましょう。

是非最後までお付き合いください。

怒りはなぜ生まれるのか

まずは、怒りの正体について。

「怒り」という感情について、脳科学と心理学の2つの観点からご紹介します。

脳科学の観点から見た「怒り」

脳科学の観点でいうと、怒りの正体はアドレナリンです。

「怒り」という感情は
イライラや機嫌の悪さなど、マイナスの感情として捉えられがちですが…

実は、私たちの身を守ってくれるプラスの感情なんです。

例えば、夜道を歩いている時、突然何ものかに襲われたとしましょう。

すると、脳内では興奮作用のあるアドレナリンが分泌されることで「怒り」につながり
体が自然と臨戦態勢になります。
すると、相手を撃退したり、逃げたりすることができるのです。

それが、驚かそうとした友人だった・近所の犬だったら笑い話で済みますが
もし不審者だったら…
怒りの感情が働かなければ、自分の身を守ることができませんよね。

怒りは必ずしもマイナスな感情ではなく、私たちの身を守ってくれる必要な感情です。

心理学の観点から見た「怒り」

次に、心理学の観点から紐解いていきましょう。

怒りの正体は、悲しい・寂しい・不安といった、解消しきれない一次感情です。

実は、怒りよりも先に生まれている一次感情がある!なんて、ちょっとわかりにくいですよね。具体例を挙げてみましょう。

最近仕事がうまくいっていないAさん。

仕事が思うように進まないのに、上司から追加の仕事を依頼されたり
希望していたプロジェクトから外されたり

思いがけないことが度重なり、怒りが湧いてきたみたいです。

この時、Aさんは、怒りを感じる前に

  • 仕事が思うように進まなくて辛い
  • 上司から追加の仕事を依頼され苦しい
  • 希望していたプロジェクトから外されて悲しい

といった一次感情が溜まりに溜まっています。
そして心がキャパオーバーになった結果、二次感情として「怒り」が現れたのです。

ここまで、脳科学と心理学の観点から怒りの正体についてお話してきました。
ここからは6つの怒りのタイプをご紹介します。

怒りにはクセがある!?怒りの6タイプを知る

タイプごとに、怒りのスイッチがどこで入るのかご説明します。
あなたの普段よく感じる怒りはどれに当てはまるでしょう。

タイプ1:誰にも平等で堂々とした正義の人

  • 正しくないことをしている人が許せない
  • 裁く権利がなくても裁かなければ気が済まない

タイプ1は、正義感が強く自分の信念をもっているため、「間違っている」と思う行動や発言をする人に対して、必要以上に介入しようとし、怒りが生まれます。

例えば、電車やバスでマナー違反をする人を見かけたり、ワイドショーで取り上げられる不倫や犯罪を見聞きすると、怒りを感じやすいです。

タイプ2:潔癖な完璧主義者

  • 白黒ハッキリしない人が許せない
  • 完璧を求めるあまり行動が遅れる、仕事や家事などが終わらない

タイプ2は、どんなことでもハッキリさせたい傾向があるので、良いか悪いか・好きか嫌いかの極端な考えによって、次第に怒りが生まれます。

例えば、同僚が途中で仕事を切り上げるところを見かけたり、食事のメニューをなかかな決められない人に対して怒りを感じやすいです。

タイプ3:堂々としていて周りも認めるリーダー

・少しでも周りの人から大切にされたいと思う
・他人をコントロールするのに遠慮がない

タイプ3は、行動力と面倒見の良さからリーダーとして信頼を集めますが、プライドが高く自己中心的な面があり、周りからどう思われているかによって怒りが生まれます。

例えば、自分が想像しているよりも低い評価をつけられたり、リーダーとして選ばれる場面で選ばれなかったりしたときに怒りを感じやすいです。

タイプ4:内側に強い思いを秘めたギャップの人

  • 自分のルールや考えが譲れない
  • 自分の考えが根拠なく正しいと思い込む

タイプ4は、穏やかな雰囲気とは対照的に、内側に行動力や自主性などのエネルギーを秘めています。その為、自分ルールから外れたことが起ると、周りを無視するようになる頑固さがあり、怒りの原因に繋がります。

例えば、思う結果にならなかったり、決められた手順通りに物事が進まなかったりしたときに怒りを感じやすいです。

タイプ5:勝てない勝負は絶対にしない戦略家

  • 人を信じられなくなる
  • 劣等感を強く感じる

タイプ5は、石橋を叩きまくって、壊れないかどうか十分に用心して物事をスタートさせるタイプです。

人に対して簡単に心を開かない割には「私なんてダメ」と自分の悲劇を強調し、次第に怒りが生まれます。

例えば、自分よりもうまくいっている人を見たり、突然馴れ馴れしくされたりすると、怒りを感じやすいです。

タイプ6:天真爛漫で自由な表現者

  • 何がなんでも自分の主張を押し通そうとする
  • 誰に対しても批判的・反抗的になる

タイプ6は、あらゆることに可能性を見出し、議論やスピーチが好きなパワフルな人です。

その反面、自分の主張が言えない・通らない場面に直面すると怒りが生まれます。

例えば、自分が行ったことに対して、相手が変わらなかったときに怒りを感じやすいです。

実践編!怒りへの基本的な対処方法

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さあ、実践編!です!
「アンガーログ」と「3つの暗号」というトレーニング方法についてご紹介します。

1.アンガーログ

アンガーログとは、イラっときた出来事を言葉にする、つまり「怒りの見える化」によって、客観的に気持ちの整理を行うコントロール方法です。

次の2つのポイントを意識してください。

  1. 怒りを感じた瞬間に書く
  2. 感情の分析をせずありのままを書く

「感情を書き出す?簡単だ!」と思われますか?

怒りは急にこみあげてくる感情ですが
落ち着いてから思い返してみると「なんで怒っていたんだろう?」と思うもの。

「怒り」は意外と捉えにくい感情なんです。
捉えにくい感情だからこそ言葉にする!

書く内容は、日付・場所・出来事・思ったこと・10段階別の怒りレベルの5つです。

どんなシーンだったか・どんな出来事だとイラっとしやすいのか…
メモ帳を使うのはもちろん、手軽にメモできるLINEのKeepメモ機能もおすすめです。

数日分のログがたまってきたら、一度見返してみましょう。
書き出し「見える化」することで、自分をマネジメントできるようになります。

2.3つの暗号

アンガーマネジメントの手法には、実際に怒りが沸き起ってきたときの適切な対処方法として、「衝動のコントロール」「思考のコントロール」「行動のコントロール」という3つの暗号があります。

これら3つの暗号についてご紹介します。

①「衝動のコントロール」・・・怒りを感じたら6秒待つ

怒りのピークは約6秒と言われています。
6秒やり過ごせば怒りに振り回されず、対処することができます。

頭の中で「大丈夫」「どうでもいいや」など、なにか自分が落ち着くフレーズを唱えて6秒待ってみてください。

②「思考のコントロール」・・・頭のなかで3つのゾーンに分類

6秒やり過ごすことができたら、感じた怒りを、許せる・まあ許せる・許せない、の3つに分類してください。

注目すべきは「許せない」に分類された怒り!
「許せない」怒りには、「せめて」「少なくとも」という言葉をつけてみます。

例えば、上司のミスを自分のせいにされたとき。

「せめて」ミスのカバーをしてくれれば、「少なくとも」人前で言わなければまあ許せた、このように変えていきます。

ポイントは、許せる・許せない、という2択以外の選択肢があることに気づくこと。
「まあ許せる」のゾーンを広げていければ、相手の態度に無駄に反応しイライラすることが減っていきます。

③「行動のコントロール」・・・分かれ道を考える

先ほどの分類で、どうしても「許せない」と判断した怒りは、自信をもって怒ることも必要です。

アンガーマネジメントは、怒りとうまく向き合う方法。
怒りを否定し、怒らない努力をすることではありません。

「許せない」怒りは、「行動」で整理しましょう。
その怒りは、自分で変えられる・コントロールできるものか・自分では変えられないコントロールできないかで、整理し、どちらの道に進むかを考えてみてください。

具体的に見ていきましょう。

  • 交通渋滞で大切な商談に遅れそう
  • そりの合わない友人・ママ友とのコミュニケーション
  • 街中で見かける危険なマナー違反

大切なことは、
自分では変えられない出来事は、事実を受け入れ放っておく努力が必要だということ。

「放っておく」と言いましたがこれは心理的なハードルが高いため、別の状況に気を向けることで怒りを回避します。

例えば、

  • 交通渋滞のときは「同乗者と車内で打ち合わせを済ませてしまおう」
  • 友人ママ友の場合「聞き役に徹しよう」

危険なマナー違反は…あなたの範疇を超えている場合、適切な機関に依頼しましょう。

「自分で変えられる・コントロールできる」怒りの中でも、あなたの中で重要度が高いと感じたときは、どうなれば気が済むのかを考え、怒りをマネジメントしていきましょう。

まとめ

以上、いかがでしたか?

怒りについて理解を深めながら、怒りのタイプやコントロール方法をご紹介しました。

なぜ怒りという感情が生まれ、どんな状況で怒りを感じやすいのか、自分の感情を客観的に見つめることで、怒りに振り回されなくなります。

  • ちょっとしたことでイラっとしてしまう
  • 怒りのせいで周りの人への当たりがキツくなりがち

と感じる方は、早速今日から基本的なアンガーマネジメントである、アンガーログを始めてみましょう。

現在あまり怒りを感じない方は、今からアンガーマネジメントを身につけることで、大切な場面で怒りの感情に支配されず、各タイプのプラスの面を最大限発揮できます。

ちなみに、今日の記事と関連して、怒りや悲しみなど、ネガティブな感情に上手に対処する方法について、こちらの記事で詳しく解説しておりますので是非合わせてご視聴ください。

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この記事の内容が、何か一つでもあなたのお役にたてておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

 

・脳科学の観点からみた怒り
・怒りの正体はアドレナリン
・興奮作用のあるアドレナリンが分泌されることで「怒り」につながり、
体が自然と臨戦態勢になる
・私たちの身を守るために必要な感情 ・心理学の観点から見た怒り
・怒りの正体は解消されていない一次感情
「悲しい・寂しい・不安」など
・一次感情が解消しきれない場合に、二次感情としての
怒りが発生する・怒りの6タイプ
・タイプ1:正義感・倫理観からくる怒り
(「誰にも平等で堂々とした正義の人」)
・タイプ2:潔癖・完璧主義からくる怒り
(「潔癖な完璧主義者」)
・タイプ3:プライドの高さからくる怒り
(「堂々としていて周りも認めるリーダー」)
・タイプ4:自分の正しさを理解してもらえないことからくる怒り
(「内側に強い思いを秘めたギャップの人」)
・タイプ5:劣等感や嫉妬からくる怒り
(「勝てない勝負は絶対にしない戦略家」)
・タイプ6:物事が自分の思い通りにならないことからくる怒り
(「天真爛漫で自由な表現者」)

・怒りへの基本的な対処方法
1. アンガーログ(日頃からできる怒りのマネジメント法)
・イラっときた出来事を言葉(文字)にする
・日付・場所・出来事・思ったこと・10段階別の怒りレベルの5つを書く
・怒りを感じた瞬間に書く
・感情の分析をせずありのままを書く
・数日分のログがたまってきたら、一度見返してみる
・「怒り」は意外と捉えにくい感情だからこそ「見える化」することが大切

2. 3つの暗号(湧き上がってきた怒りを鎮めるための3ステップ)
①「衝動のコントロール」・・・怒りを感じたら6秒待つ
・頭の中で「大丈夫」「どうでもいいや」など、
なにか落ち着くフレーズを唱えて6秒待機

②「思考のコントロール」・・・頭のなかで3つのゾーンに分類
・6秒やり過ごすことができたら、感じた怒りを、
「許せる・まあ許せる・許せない」の3つのいずれかに分類
・「許せない」に分類された怒りには、
「せめて」「少なくとも」という言葉をつけてみる
・許せる・許せない、という2択以外の選択肢(まあ許せる)が
あることを、自分の思考に気づかせることが大切

③「行動のコントロール」・・・分かれ道を考える
・「自分の力ではコントロールできない」怒りは、
別の状況に気を向けることで怒りを回避
例:交通渋滞のときは「同乗者と車内で打ち合わせを済ませてしまおう」
例:友人ママ友の場合「聞き役に徹しよう」
例:危険なマナー違反は…あなたの範疇を超えている場合、適切な機関に依頼
・「自分で変えられる・コントロールできる」怒り、
特にあなたの中で重要度が高いと感じた怒りに対しては、
どうなれば気が済むのかを考え、怒りをマネジメント

 

 

参考書籍:
安藤俊介(2016)自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック ディスカヴァー・トゥエンティワン
戸田久実(2020)アンガーマネジメント 日本経済新聞出版

 

 

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