自分に変化を起こす方法とは。すぐに変われと言われても変われない理由。

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

  • 自分が変わるとき、あるいは変わらないとき、脳内では何が起こっているかを解説!
  • 無理なく自分を望ましい方向へ変えていくための、もっとも確実で近道な方法をご紹介!
  • 変化をスムーズに継続させる3ステップをレクチャー!
この記事では、
「すぐに変われと言われても困ってしまう」
「計画の実行を継続させることができない」
「自分を変えることが出来ない」
という悩みを抱えている方を対象に、一体どうすれば、無理なく確実に自分自身に変化を促すことができるのか、
その脳内メカニズムから方法までをご紹介します。

 

無理なく自分を変えていくためのコツについて解説!

みなさんこんにちは!

今日の記事では、自分を変えていくために必要なことを紹介します。

前回の記事では、1年の計画の作り方についてご紹介しました。

そして今、その計画に従って前向きに動き始めている方も多いかと思います。

ただその一方で、「いきなり変われ」と言われたって、、、と気持ちが後ろ向きになってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それに、計画を立てた直後はやる気に満ちていても、時間の経過と共にどんどんやる気も下がり、「やっぱり出来なかった」と自分を責めてしまうというケースにならないように注意も必要です。

そこで今日の記事では、無理なく確実に自分を変えていくための、もっとも確実でもっとも近道な方法をご紹介します。

是非最後までお楽しみください。

自分を変えるためには脳に準備運動をさせろ!

「自分を変えよう!」と思った時、人は思い切って大きくガラッと変えてしまいがちです。

しかし、その大きくガラッと変えようとしてしまう事が実は、変化を起こせない、変化が長続きしない主な原因となっています。

変化を起こすためには、自分の脳を「変化を受け入れるモード」に変える必要があるのですが、
一度に大きな変化を起こそうとしてしまうと、脳は逆に「変化を拒むモード」に変わってしまうのです。

そのメカニズムを理解するためには、脳の前頭前野と大脳基底核の働きについて知る必要があります。

前頭前野と大脳基底核の働き

前頭前野とは、額のすぐ裏側にある部位のことで「脳の司令塔」と呼ばれることもあります。
その呼び名からもお分かり頂けるように、好ましい未来を想像して計画を立てたり、立てた計画に従って自分を律し変化を起こしていく時に活発化します。

つまり、私たちが自分自身に対して変化を起こしていく際にはこの前頭前野の働きが非常に重要になってきます。

ただ、この前頭前野には弱点があります。それは、体力が極端に少ないということ。

そのため、変化が起きる前の段階で疲れ果ててしまったり、はたまた、すぐに疲れ果てる事が目に見えている場合、そもそも働くのをやめるという事態になってしまいやすいのです。

そこで重要になってくるのが「大脳基底核」と呼ばれる部位です。

この大脳基底核は、慣れ親しんだ行動や、難しい思考の必要がない簡単な行動を、省エネモードで長時間繰り返し行うことができます。

未来を想像したり、計画を立てたり、自分に変化を起こすといった働きはできないのですが、
前頭前野とは違って、かなり体力があるのです。

そのため、自分を変えていくためには、

体力の少ない前頭前野の力だけに頼るのでは十分ではなく、
体力の多い大脳基底核の力もうまく借りながら行動に移していく
ことが重要なポイントになってきます。

ただし、前頭前野から大脳基底核への意思の伝達はそう簡単にはいきません。

それは、大脳基底核は次の3つのルールに則り、「変化を拒むモード」にスイッチしてしまうからです。

  • ルール① 努力を必要と感じれば変化を拒め
  • ルール② 困難を感じれば変化を拒め
  • ルール③ 疲れを感じれば変化を拒め

もしあなたが立てた計画が、「努力、困難、疲れ」の3要素を感じさせる内容でしたらなかなか実行を継続することは難しくなってしまうのです。

自分の脳を「変化を拒むモード」から「変化を受け入れるモード」へと移行させる方法

それでは一体どうすれば良いのでしょうか。それは、それら3つのルールの裏をかけばよいのです。

つまり、努力を必要と感じさせず、困難を感じさせず、疲れを感じさせないように、すると良いのです。

そのための方法が

「簡単な事から少しずつ始める」

という事です。言い換えるなら、脳に準備運動をさせることから始める、ということです。

この方法は、一見シンプルで誰にでも出来そうなので、そんなことでいいの!?と思われてしまうかもしれません。

しかし、まさにシンプルで誰にでもできそうだからこそ、脳を「変化を拒むモード」に変えることなくスムーズに行動を持続させることができるのです。

ここまでをまとめると、

私たちは変化を起こそうとする時、前頭前野の働きに頼ります。しかし、前頭前野は疲れやすいだけでなく、どうせすぐ疲れしまうだろうと予測することでそもそも働くことをやめてしまいます。

一方で、大脳基底核は前頭前野のようには自分で考えることができないのですが、体力が非常に多くあり慣れた事や簡単な事であれば長時間行い続けることができます。

ただ、努力・困難・疲れ、といった3要素のどれか1つでも感じてしまうと、その行動を拒み、いわばストライキを起こし始めます。

自分に変化をおこすためには、前頭前野で意図した計画を、大脳基底核の働きも借りながら実行していくと良いのですが、前頭前野は体力が極端に少なく、そして大脳基底核はそのような変化を拒むルールがあるので、思うように自分を変えることができないのです。

それでは一体どうすれば良いのかというと、努力・困難・疲れを感じないほどに簡単な事から始めれば良いのです。
言い換えるならば、脳に準備運動をさせることから始めるということです。

それではここから、そんな脳に準備運動をさせ、変化のプロセス継続していくための3つのステップをご紹介します。

変化をスムーズに継続させる3ステップ!

ステップ①簡単にできるミニマムステップを明らかにする

まず初めにすることは、計画している行動を可能な限り分解していき、この程度の事なら自分でも今すぐ簡単に出来そうだなと思える行動を見つけることです。

例えば、本を読むという行動1つをとっても、分解していくと、本を持つ、本を開く、1ページ読む、というように分解できます。また、外を走る、という行動1つをとっても、ランニングウェアを着る、靴を履く、外に出る、外を走る、というように分解できます。

分解された行動の中で、どのレベルまでなら簡単にできるかというのは、その人の脳の大脳基底核が簡単だと認識しているのがどのレベルかによって変わってきます。

読書習慣や運動習慣が当たり前のように身についている人というのは、その行動がすべて、大脳基底核にとって努力の必要ない簡単な行動だと認識されています。

しかし、先ほどの例でいうなら、本を持つ、ランニングウェアを着る、という段階ですでに努力の必要性を感じるという場合もあります。それにも関わらず、いきなり本を丸々一冊読もうとしたり、長時間外を走ろうとしてしまうと、たちまちに脳は「変化を拒むモード」になってしまうのです。

そのような場合には、自分にとってはまだ、1ページ本を読む事や、外に出るといった事もハードルが高い事なのだなと素直に認め、もっと簡単な事から取り組み始める必要があるのです。

今自分が計画している行動を思いっきり簡単なレベルまで分解してみましょう。
焦らなくてもその簡単な事から始めていけば、自然と自分にとっての簡単なレベルが上がっていきます。

そのようにして簡単な事から始め、簡単と思える領域を広げていくというイメージを持って取り組みましょう。

ステップ②行動をスムーズに促す導線を設計する

そして次に、行動に至るまでの導線作りを工夫しましょう。

勉強をするにしても、まずは机の上を片付けないと始められない、といった状態では、行動のハードルが上がってしまいます。

そのように、望ましい行動に至るまでに障害があることを、「導線が悪い」と言います。

行動に至るまでの導線が悪いだけで、その行動に伴う、努力、困難、疲れ、の3要素が一気に高まり、脳は「変化を拒むモード」になってしまいます。

ただ、逆に言えば、導線を改善し、行動に至るまでの流れがスムーズになるよう工夫するだけで、
それが簡単で努力の必要がないことであると脳に認識されやすくなるのです。

行動の導線作りをスムーズに設計するコツは、普段何気なく行う行動の中に、行動のミニマムステップを入れ込むということです。

例えば、

  • 朝にアラームを消すことが当たり前の行動なら、その目覚まし時計の横にランニングウェアを置いておく。
  • 机に座るまでは当たり前にできるのなら、あらかじめ机の上に本を開いて置いておく。

そのように、努力、困難、疲れ、の三要素をなるべく低くできるように、行動の導線作りを工夫してみましょう。

ステップ③脳に入ってくる情報を制限する

そして最後に必要なことは、脳に入ってくる情報を制限することです。私たちは、計画を立てた後というのは、その計画の達成後の好ましい状態にワクワクしていますので、はやくそれを達成したいと思いがちです。

その結果、あれもこれもと、脳と様々な情報を入れてしまいます。

ダイエットを例にとるなら、筋トレをして、有酸素運動もして、カロリー計算もして、体重測定もして、

というように。

しかし、そのようにあれもこれもと脳に情報を入れてしまうと、大脳基底核はその行動が大変なことであると思いこみ、たちまちに「変化を拒むモード」へと脳を変えてしまいます。

そのため、一度に複数の変化を起こそうとするのではなく、あくまでも一度に1つの変化というように、
脳に入ってくる情報をシンプルに保ちましょう。

これは計画の実行段階でも言えることです。例えば1日の計画では、1日の流れに従って、午前はこれ、午後はこれをした後にこれ、というように時系列に沿って計画を立てますよね。

しかし、午前の段階では、まだ午後の仕事が残っているわけですから、「今日は後、あれもこれもしないといけないなあ」と気が遠くなってしまいます。

そのため、1日の全体的な計画を立てるのは良いのですが、その実行の段階では、今行っている計画の情報だけが脳に入ってくるようにしましょう。

そのように、あえて脳に入ってくる情報を制限してシンプルにすることで、脳を疲れづらくさせ変化を継続させやすくなります。

———-

以上の、

  • ステップ①簡単にできるミニマムステップを明らかにする
  • ステップ②行動をスムーズに促す導線を設計する
  • ステップ③脳に入ってくる情報を制限する

この3ステップを意識することによって、自分の脳を「変化を拒むモード」から「変化を受け入れるモード」へと移行させていき、

自分の思った通りに自分を変えていくことができるようになるのです。

まとめ

以上いかがでしたか?

今日の記事では、「すぐに変われと言われても困ってしまう」「計画の実行を継続させることができない」「自分を変えることが出来ない」という悩みを抱えている方を対象に、

一体どうすれば、無理なく確実に自分自身に変化を促すことができるのか、そのメカニズムから方法までをご紹介しました。

一年が始まったばかりは、気持ちが大きくなって背伸びをしてしまいがちですが、
そんな時だからこそ「急がば回れ」の精神で、小さく変化していくことを志していきましょう。

ちなみに、今日の記事と関連して、下記の記事では「好ましくない行動を辞める」という観点から解説しておりますので、今何か辞めたい事、止めたい事などがある方は是非合わせてご覧ください。

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自分を変える習慣

この記事の内容が何か一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

 

・自分の脳を「変化を受け入れるモード」に変えるための原則
・小さな変化を少しずつ起こしていく
・理由:大きな変化を一度に起こそうとすると、
脳は「変化を拒むモード」に変わってしまう・脳の前頭前野と大脳基底核のメカニズム
・前頭前野(「脳の司令塔」)
・特徴:計画を立てたり、立てた計画に従って自分を律し変化を起こしていく時に活発化
・注意点:変化が起きる前の段階で疲れ果ててしまったり、
すぐに疲れ果てる事が目に見えている場合、
働くのをやめるという事態になりやすい
・大脳基底核
・特徴:慣れ親しんだ行動や、難しい思考の必要がない簡単な行動を、
長時間繰り返し行える
・注意点:大脳基底核は次の3つのルールに則り、
「変化を拒むモード」にスイッチしてしまう
・ルール① 努力を必要と感じれば変化を拒め
・ルール② 困難を感じれば変化を拒め
・ルール③ 疲れを感じれば変化を拒め
・変化を起こすためには体力の少ない前頭前野の力だけに頼るのでは十分ではなく、
体力の多い大脳基底核の力もうまく借りながら行動に移していくことが重要
・大脳基底核をうまく使うためには、「簡単な事から少しずつ始める」・変化をスムーズに継続させる3ステップ!
・ステップ①簡単にできるミニマムステップを明らかにする
・計画している行動を可能な限り分解していき、
この程度の事なら自分でも今すぐ簡単に出来そうだなと思える行動を見つける
・例:本を持つ、ランニングウェアを着る、
という段階ですでに努力の必要性を感じるという場合、
いきなり本を丸々一冊読もうとしたり長時間外を走ろうとしてしまうと
「変化を拒むモード」に。
・実践:自分にとってはまだ、1ページ本を読む事や、外に出るといった事も
ハードルが高い事なのだなと素直に認め、
もっと簡単な事から取り組み始める・ステップ②行動をスムーズに促す導線を設計する
・望ましい行動に至るまでに障害を減らし、
努力、困難、疲れ、の三要素をなるべく低くできるよう工夫する
・実践:普段何気なく行う行動の中に、行動のミニマムステップを入れ込む
・例:朝にアラームを消すことが当たり前の行動なら、
その目覚まし時計の横にランニングウェアを置く
机に座るまでは当たり前にできるのなら、あらかじめ机の上に本を開いて置く・ステップ③脳に入ってくる情報を制限する
・一度に複数の変化を起こそうとするのではなく、
あくまでも一度に1つの変化というように、
脳に入ってくる情報をあえてシンプルに保つ
・例:「今日は後、あれもこれもしないといけないなあ」と気が遠くなってしまう
・実践:1日の全体的な計画の実行段階では、
今行っている計画の情報だけが脳に入ってくるようにする

 

 

参考書籍:
スティーヴン・ガイズ(著)田口 未和(訳)(2017)小さな習慣 ダイヤモンド社
三浦将 (2015) 自分を変える習慣力 クロスメディア・パブリッシング
古川 武士(2010)「続ける」習慣 日本実業出版社

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