【マインドフルネス講座⑤】人間関係のストレスに対処する方法

【マインドフルネス講座⑤】人間関係のストレスに対処する方法

対人関係のストレスにいかに対処すれば良いのか

ストレスとは、心理的なものであり、それは自分と世界との相互的な関係の中で自然と生じてきてしまうものです。

そして、対人関係とはまさに文字通り、自分と他者との相互的な関係を指し、当然のこととしてストレスが生じてきます。

もちろん、ストレスには良い面もあれば悪い面もあるわけですが、その悪い面が出過ぎた結果として、自分や他者を苦しめ追い込んでしまっているのなら、早急な改善が必要といえます。

そして、マインドフルネスでの意識のあり方は、この対人関係から生じるストレスに対してもうまく働かせることができるものなのです。

マインドフルネス状態での対人コミュニケーションとは

それでは、マインドフルネスの状態で他者とコミュニケーションを行うとき、それはどのようなものになるでしょうか。

端的にそのあり方を最初に述べますとそれは、

反射的にならず、コミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中させる。

ということです。

反射的になっていると対人関係はどうなるのか

つまり、

もしあなたが、コミュニケーションを始める前から、

「あの人苦手だな〜」
「変なことを言ってしまったらどうしよう、、、」
「あいつにはがツンと言ってやらねば!!」

などと思っているとしたら、それは反射的になっている証拠です。

また、実際にコミュニケーションをしている最中も、
話の内容そのもの以前に、

「なんか嫌な雰囲気だな〜」
「はやく会話終わらないからな〜」
「なんかイライラするな〜」

などと思っているのなら、それも反射的になっている証拠です。

他の人の要求や考え方に対して、否定したり、議論したり、戦ったり、抵抗したり、善悪をつけたり、そのようなコミュニケーションのあり方というのは、

実はコミュニケーションにちゃんと注意を向けておらずただ反射的になってしまっているということなのです。

いまあなたがしているのは、その人を前に、コミュニケーションをしているというだけなのですが、

心ここにあらずの状態で、自動的(反射的)に、感情を湧き上がらせ、感じるままに態度として表に出しているのです。

そのような状態でいるので、

・苦手な相手はいつまでも苦手なまま
・よくない関係と分かっていても変えられない
・どうして怒りを感じて毎回怒ってしまう

という悪い結果になってしまっているのです。

そうした悪い結果は悪いストレスとなって私たちの心と体を蝕みます。

さらに悪いことに、人間関係の問題というのは自分一人の力だけで解決できるわけではないので、両者が反射的になり続けている限り、なかなか状況は改善せず悪化を続けてしまうということになります。

マインドフルネスなコミュニケーションとは

そのような人間関係から来るストレスに対して、マインドフルネスの心のあり方はとても有効です。

繰り返しますと、マインドフルネスなコミュニケーションとは、

反射的にならず、コミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中させる。

ということです。

反射的になっているとは、先ほど述べた通りです。

では、コミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中させるとはどういうことかというと、

相手と自分の思考、感情、話し方、といったコミュニケーションの中で生じるありとあらゆるものにまず注意を集中するということです。

これは単に相手の言うことをに対して聞くに徹するというわけではありません。

自分の内側の声にも同時に聞くに徹するということを行います。

このような態度を人間関係の中心にそえておくことで、

どのような時も、自分の中の穏やかな落ち着きを失わず、単に反応したりするのではなく、

より鮮明で客観的な視点で相手との関係性を築いていくことができるのです。

それでは次に、少し具体的な状況を思い浮かべながら対人関係の中にマインドフルネスを持ち込むとどうなるか見てみましょう。

①相手に自分の考えを主張できない時

怖い上司や先輩、もしくは嫌われることをおそれてYESとしか言えなくなってしまった友達関係など。

そのような時を想定してみましょう。

まず、上司や先輩に対して「怖い」「恐ろしい」と脅威を感じているのは、

反射的になっている証拠でマインドフルネスではありません。

相手がどんなに立場的に自分の上にいたとしても、

その人と喋る時の一瞬一瞬というのは、小さい子供と話す時の一瞬一瞬と同じことを行っています。

相手の話を受け取り、理解し、必要に応じてこちらも話を発する。

これだけです。

大切なのは、コミュニケーションに注意を集中させることです。

そのような心持ちをもつことで、反射的になって萎縮したり恐怖を感じて何も言えなくなってしまう状態から抜け出すことができます。

練習として、まず自分が実際にどのように感じているのかを意識するようにしてみましょう。

苦手な相手を前にした時、湧き上がる感情に支配され萎縮するのではなく、

湧き上がってきた感情を、マインドフルネス瞑想の時に行っているのと同じように、

「あ、いま自分は〇〇の感情を感じているな」と観察するのです。

そして、相手が威圧的な態度をとってきたのなら「あ、いま相手は〇〇と思っているな」と、

ただ観察するのです。

状況や立場や感情に反射的になって支配されるのではなく、

一瞬一瞬のコミュニケーションにまずは意識を集中させ、自分の中に穏やかな落ち着きを保つようにします。

マインドフルネス瞑想を行っている時と同じような落ち着きを心の中にもつようにします。

②怒りやイライラを感じてしまう相手といる時

やはりどうも合わない相手というのは一人や二人はいるのではないでしょうか。

そのような人が、職場や同じグループなどにいると、

自分にとっても相手にとっても居心地が悪く毎日があまり楽しいものではなくなってしまうでしょう。

まず、理解しなくてはいけないことは、

その苦手な相手と、実際にコミュニケーションを取り前から、

イライラしたりムカムカしたりしているのなら、それは反射的になっている証拠です。

マインドフルネス瞑想での実践を思い出し、呼吸に意識を集中させ「今ここ」を意識しましょう。

そして、その苦手な人と実際にコミュニケーションをとる時は、

コミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中し、観察するような態度でのぞむようにします。

決して、

・なんかむかつくから
・なんか嫌だから
・話を聞くとイライラするから

といった理由で相手を遠ざけたり、反抗的な態度をとらないようにしなくてはいけません。

仮に反応的になってしまったとしても、反応的になってしまった自分を観察し、

すぐ落ち着きを取り戻し、目の前のコミュニケーションに注意を集中させます。

相手が何を話しているのか、相手の雰囲気、感じているであろう感情、

そして自分は今何を感じているのか、何を思ったのか、何を言おうとしているのか、

そのようにコミュニケーションを通じて沸き起こってくることをありのままに見つめ、

判断を付け加えることなく受け止めます。

マインドフルネス瞑想の時に行うように、

呼吸に意識を向けて落ち着いた状態を保ったまま臨むのも良いでしょう。

行うことは、マインドフルネス瞑想の時と同じです。

瞑想の最中にあれやこれやと湧き上がってくる様々な思考に対し、

それに囚われることなくただ観察し、判断を加えず、見つめる。

そのような意識の持ち方を、対人関係にも持ち込むようにするのです。

まとめ

今日の投稿では、人間関係のストレスに対してどのように対処すれば良いのか、それをマインドフルネスの観点から解説しました。

マインドフルネスでの心の持ち方は、日常生活で生じるありとあらゆるストレスに対してうまく対処する方法となりえます。

今日は、対人関係でのストレスにマインドフルネスでどのように対処すれば良いのかを紹介しました。

それは、

反射的にならず、コミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中させる。

ということです。

今あなたが、対人関係上のストレスに悩まされているのなら、

その悩みの原因は、相手にあるのではなく自分が反射的に感情を湧き起こしその感情によって苦しめられているのだということを理解しましょう。

その上で、反射的にならず、もし反射的になってしまったとしても、

「あ、いま自分は反射的になっていたぞ」

と落ち着き、それ以上負の感情に巻き込まれないように注意しましょう。

その上で、いざストレスを感じるその人と向き合う時は、

その人とのコミュニケーションの一瞬一瞬に注意を集中させましょう。

コミュニケーションの一瞬一瞬は、相手が誰であろうと、小さな子供を相手に行うコミュニケーションと、行っていることに差はありません。

相手が何を言っているのか?
どのように言っているのか?
自分は何を感じているのか?
自分は何を思ったのか?

そのように、コミュニケーションの一瞬一瞬を通じて生じるありとあらゆることに注意を向け、観察し、そこでの出来事をありのままに受け止めるようにしてみましょう。

そのような態度でコミュニケーションの取り組むことで、

よりクリアな目でもって状況を見ることができ、自然と自分にとっても相手にとっても良い方向へと関係性を持っていく方法が自然と見えてくるはずです。

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