マインドフルネス第6回
現代社会において、時間の流れに対する必要以上の意識は、
ストレスの大きな要因の1つとなっています。
私たちには共通して「死」というタイミングがあるわけですが、そのことが人生の終わり(締め切り)を意識させてしまうので、どうしても時間のことを考えてしまうのは無理はないかもしれません。
しかし、日頃のマインドフルネス習慣で磨いた「今」に注意を集中させる意識の持ち方を時間の流れに対しても適用させることで、
時間からくるストレスを減らし、むしろ時の流れの中に充実感を見出すことができるようになります。
現在という時間の中で生きる
時の流れから来る焦りや後悔といったストレスに対してマインドフルネスを適用させるというのはつまり、
時間に対する意識の持ち方を変える
と言うことです。
結論から述べますと、
マインドフルネスの実践によって、時の流れの外に自分を置き、今この瞬間の点としての時間のみを生きるようにします。
時間に対してそのような意識の持ち方をすることによって、過去に対する後悔や、未来に対する焦りから解放されます。
それだけでなく、
- 早くしないと
- 今日中に仕上げないと
- 急いで連絡しないと
といった時間に追われるストレスだけでなく、
- あー、今日も1日なにもしていない
- 社会の流れから自分だけ取り残されているようだ
- 時間だけが虚無に過ぎ去っていく
といった時間だけが過ぎていくストレスもなくなります。
マインドフルネスで鍛えた意識の持ち方を時間に対しても適用させることによって、
時間というのは、今この瞬間の「点」以上でも以下でもなくなるからです。
その結果として、今この瞬間、すなわち現在の中に生きることができるようになるのです。
時間とストレスの関係とは?
一方で、マインドフルネスの実践をしたことが無い人にとっては、
時間というのは直線状にひろがる幅をもったもののように感じるでしょう。
過去があって、今を通りすぎ、未来へと広がり、死でもって終着する一直線の時間です。
しかし、そのような時間への捉え方をしていると、
私たちの毎日は、
- 時間に追われるか
- 時間に置いていかれるか
のどちらかになってしまいます。
時間に追われるというのは、まだ見ぬ未来のことを想像し、その想像上の世界に意識を向けています。
時間に置いていかれるといのは、本当はできたかもしれない過去のことを想像し、その想像上の世界に意識を向けています。
いずれにしても、現在を生きていません。
事実として、私たちは現在というこの瞬間に生きているわけですが、
そんな現在を生きていないわけです。
このように、
現在を生きているにも関わらず、現在を生きていない
という矛盾が、ありとあらゆるストレスを生み出していると言えるのです。
どうすればマインドフルネスに時間を過ごせるのか
それでは一体どうすれば、
今という瞬間をマインドフルに過ごせるようになるのでしょうか。
すぐ紹介できる方法としては、
毎日繰り返している10分間のマインドフルネス瞑想で培った意識の持ち方を、日常生活全般に延長させる、ということです。
10分間のマインドフルネス瞑想の時間というのは、
積極的に「何もしない」、そしてただ今を生きる
ということを行っています。
何もしないというのは、全てをあるがままに受け止めるということです。
心の中に様々な思いが浮かんできても、そ
れに評価を加えたりせず受け止めています。
体のどこかがムズムズしたりしても、それをどうこうせず受け止めています。
時間の流れに対しても、そのような意識の持ち方を適用させるのです。
過去のことを後悔したり、はたまた未来のことで焦ったりしたとしても、
そのことについてそれ以上深追いすることなく、
確かな事実は今この瞬間、この場所で呼吸をして生きているということ
ということに立ち返るようにします。
時間の流れというのは、心の中の動きと密接に結びついています。
時間というのは、果てしなく続く様々な心の中の思いの流れであると言えます。
そうした、現れたり、消えたりを繰り返す心の中の思いの流れを、ひたすら無評価に観察することができれば、
その背後にある静かで平安であり、時間というものが存在しない「今」という点に居座ることができます。
「今」という点は、過ぎていく時間とは無関係な存在です。
マインドフルネスを時間に適用させるというのは、
そうした過ぎていく時間の流れ(思いの流れ)の中に身を置くのではなく、
それとは無関係で平穏な「今」という点の中に身を置くということなのです。
マインドフルネスで時間を生きるとはどういうことか
もしあなたが、毎日時間に追われていると感じていましたら、
追いかけてくる時間に意識の焦点を合わせるのではなく、「今」という瞬間に焦点を合わせるようにしましょう。
どんなことが起きても、目の前のことに意識を合わせ、その体験を隅々まで味わうようにしましょう。
将来のことについて考える時、落ち着いた気持ちで考えることができれば、
やたらに不安を感じたり将来を描けないことに悩むこともありません。
冷静に、必要だと考えたことに向かって進めば良いのです。
反対に、もしあなたが時間を持て余した生活をしているのならば、
もしかしたら世界から自分だけ取り残されているような気持ちを味わっているかもしれません。
しかし、仮に1日中部屋の中にいても、1日中誰とも話さず家の中にいたとしても、
「今」というこの瞬間を生きていることに変わりはありません。
一見何もしていないように思えて、実はいろいろなことを行っています。
今目の前で自分が体験していることを、しっかり見つめましょう。
体験していること自体に優劣は一切ありません。優劣というのは評価の結果うまれる主観的なものにすぎません。
まとめ
毎日の10分間のマインドフルネス瞑想の時間というのは、
そもそも時間の流れの中から抜け出すことができています。
そのような、時間の流れの中から解き放たれることによって得られる心の平穏を知ると、
時間に対する捉え方が分かるはずです。
いつも時間と戦っていたり、時間に追い立てられたりするのではなく、
目の前の一つ一つの瞬間の体験に意識を向けることによって意識の焦点を今からずらすことなく、
落ち着いた心持ち、そしてクリアな眼差しでもって日々を過ごすことができるようになるはずです。
毎日10分間のマインドフルネス瞑想の習慣をしっかり続け、
時間の流れに惑わされ必要以上の、そして悪いストレスに翻弄されないようにしていきましょう!
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マインドフルネス全10講座
【マインドフルネス講座①】マインドフルネス瞑想をはじめる方法
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