マインドフルネス講座第9回
前回の内容では、マインドフルネスと心と体の健康をテーマに、
日頃の思考パターンが心と体の健康に影響を与えていることを、
そしてそこにマインドフルネスを介入させることで悪い影響を無くし良い影響に変えていく方法を紹介しました。
マインドフルネス第8回これまで、大きなテーマとして、・マインドフルネスとは(第一回〜第四回)・マインドフルネスでストレスを軽減する方法(第五回〜第七回)について解説してきました。そして、今日からは「マインドフ[…]
そして今回は、
マインドフルネスと心と体の健康
というテーマはそのままに、
- 感情パターン
- 性格パターン
の傾向が心身の健康に影響を与えているということ、
そしてそこにマインドフルネスで介入し良い方向へと自分を変えていく方法を紹介していきます。
健康を害する感情パターン
これから紹介する各種パターンは、全て研究によってその健康に対する悪影響があることが証明されているものです。
具体的な研究内容などはここでは省略しますが、詳しく知りたいかたは、書籍「マインドフルネスストレス低減法」の十七章(心の持ち方と健康)をご参考ください。
さて、健康に悪影響を与える感情パターンの傾向としては、
・愛されていないと感じ疎外感を感じる傾向にある
・自分の率直な感情を表現するのが苦手な傾向にある
・自分の感情を抑圧する傾向にある
・自分に対して批判的な感情を持つ傾向にある
といったものがあります。
健康を害する性格パターン
健康を害しやすい性格パターンとしては、
・タイプA行動特性
・敵意、皮肉癖の強い性格
・権力志向型の性格
といったものがあります。
タイプA行動特性とは、
時間に追われる意識や競争意識が強く、せっかちで攻撃的、身振りや話し方もせかせかし、ぶっきらぼうな性格のことです。
また、敵意というのは、「他者とは利己的で信頼できないものである」という考えを持ち、
人の優しさを信じられないという感情のことです。
そして、皮肉癖とは物事を斜め上から見る傾向のことです。
さらに、権力志向型の性格とは、
人間関係に必要以上の権力関係を持ち込み、他者との関係作りには権力関係が重要だと思う人です。
こう言う人は、議論を好み、競争意識が強く、
組織というのは自分の地位や威信を高めるために利用するものである思う傾向にあります。
マインドフルネスをどう行うか
以上が、健康を害することに繋がりやすい感情と性格のパターン傾向です。
自分の中に、健康にとって有害であるパターンがあると意識できるようになれば、
それを少しでも無くし変更していくことで逆に健康にとって好ましい傾向をもつことができるようになります。
そのために、マインドフルネスの実践が役立ちます。
方法は、前回の記事の健康を害する思考パターンにマインドフルネスの実践で介入するのと同じです。
その方法を短くまとめますと、
マインドフルネスによって自分の自動的なパターンに気づき、観察し、手放す。
ということを繰り返し行っていきます。
もう少し具体的に説明しますと、
自動的なパターンに気づくたびに、あ、自分は「今ここ」で、自動パターンで反応しているな
と気づき、それを単なる1つの傾向として観察します。
それ以上の深追いをしません。
そうすることで、一度中立の状態へと移行することが出来ます。
そしてその中立の状態を維持するようにしましょう。呼吸に注意を戻し今この瞬間を生きていることを感じます。
中立の状態を維持しながら、採用できる新しいパターンは無いか考えます。もし採用できるパターンが思い浮かんだら、それを
主体的に選択します。
今ここで、私は、新しいパターンを選択する。
と新しいパターンを自分で選択したことを意識します。
先ほどの健康を害する、感情・性格のパターンを改めて列挙しますと、
- 愛されていないと感じ疎外感を感じる傾向にある
- 自分の率直な感情を表現するのが苦手な傾向にある
- 自分の感情を抑圧する傾向にある
- 自分に対して批判的な感情を持つ傾向にある
- タイプA行動特性(時間意識、競争意識が強い)
- 敵意、皮肉癖の強い性格
- 権力志向型の性格
これらの傾向、すなわち自分の中にある自動的な部分を意識し、
それに気づき、観察して手放すということを繰り返します。
そして、手放した後、変更できるのなら少しずつ変更します。
・自分は愛されているし疎外はされていない
・感情は表現してもよい
・感情を抑え込む必要はない
・自分に肯定的になる
・競争的になる必要はない
・他人は敵じゃない
・権力は人間関係に必要じゃない
というようにです。
マインドフルネスで前向きな力を育てていく
マインドフルネスによって心と体の健康を実現していくというのは、見方を変えるならばそれは
マインドフルネスで前向きな力を育てていく
ということです。
心と体の健康を害するのは、一貫して
・否定的
・批判的
・断定的
な傾向です。どれも一貫して後ろ向きで頑固です。
そうではなく、
・肯定的
・柔軟的
・楽観的
な傾向をもつようにします。
マインドフルネスがそのまま、そのような傾向に結びつくわけではありません。
マインドフルネスは、後ろ向きで凝り固まってしまった自分の傾向を一旦リセットし中立の状態に戻してくれます。
一旦中立の状態に戻るため、
そこから主体的な選択を通じて心と体の健康にとって良い方向へと自分を導いていくことができるのです。
マインドフルネスで自分の感じ方や考え方、
また無意識レベルでの傾向に対して、注意を向けることで、その傾向の存在に気づくことができます。
この、「気づく」というのはとても大きなことです。
なぜならば、気づくことで、観察する立場へと移動でき、そこからその傾向を変化させることができるからです。
物事を偏りのない中立の立場から眺められるようになることで、
その中立の位置からどちらの方向に傾くかを自分で決めることができるようになります。
まとめ
つまり、
・ネガティブになるのも、ポジティブになるのも
・イライラするのも、リラックスするのも
・怒るのも、感謝するのも
すべて自分の選択次第、自分のコントロール次第であるという認識ができるようになるのです。
それは、マインドフルネスの実践で自分の内面世界に注意を集中させ、
あらゆる内面的な動きに気づくことで、そのはじめの一歩を踏み出すことができるようになるのです。
それではまた次回の投稿をお楽しみに!
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