- フランスの思想家モンテーニュの『エセー』にある「中庸」とは何かがわかる!
- 中庸の精神で自分を受け入れる方法10選をご紹介!
- 自分自身や自分の人生をもっと好きになるためのヒントが見つかる!
この記事をご覧いただくことで、自分自身と楽しく向き合い、
自分の長所も短所も、まるごと受け入れるためのヒントが見つかれば幸いです。
本当の自分って何だろう?モンテーニュが教える究極の自分探し
みなさんこんにちは!
今日のテーマはフランスの思想家モンテーニュが教える「自分探し」!
彼の中庸の精神を紐解き、自分を受け入れる方法をご紹介します。
仕事に勉強に家事育児…忙しい毎日。
「私、何やってるんだろう」「私って何なんだ」
そんなふうに、ふと自分を見つめなおしてみると…
理想と現実のギャップに苦しくなることありますよね。
そこで今回は、モンテーニュが、著書『エセー』の中で試みた自分探しを通じて、
自分を受け入れ、それに寄り添って生きる方法を解説したいと思います。
充実した人生を歩めるヒントがいっぱい隠されていますよ!
是非最後までお楽しみください。
モンテーニュって誰だっけ?中庸という考え方を理解しよう!
16世紀のフランスで活躍した思想家、ミシェル・ド・モンテーニュ。
彼は、著書『エセー』のなかで、自分との向き合い方を探求しました。当時のヨーロッパは宗教戦争で混乱する、まさに激動の時代。そんな時代だったからこそ、「自分探し」には大きな意味があり、世界で広く受け入れられました。
それでは!舞台を16世紀のフランスから現代に戻して、
モンテーニュの思想の軸「中庸」という考え方を解説していきましょう。
中庸とは、考え方や行動・立場が一方に偏らず、正しいこと。
シンプルに言い換えると、「無理をしない」これに尽きるのですが
ちょっとわかりにくいので、具体的に見ていきましょう。
- 本当は悲しくて泣きたいのに、無理をして笑う
- 自分には似合わないと思いながらも、無理に流行りの服を着る
- 仕事が辛くて仕方がないのに、自分を奮い立たせる
こんな経験ありませんか?
これは、考え方や行動立場が一方に偏り、自分に合わない無理をしている状態、つまり中庸ではないとモンテーニュは考えました。
「でも、無理をしない、なんて無理!!」
「こっちは仕事に勉強に家事育児で忙しいの!」
そう思われました?
実は私はそう思いました~!
「頭が良くて、社会的地位や名声も得ている偉人の言葉って、なんか響かないな~」って。
わかります!
でもモンテーニュは自分の姿を、なんと、こう表現していたんです!
白髪(しらが)! ハゲ! しわしわ!!
自分は思考が他人より劣っている、おまけに白髪まじりでハゲ、顔はしわしわ~
でもそんな自分を隠さず、嘆かず、ありのままを見せればいいと断言。
…モンテーニュだって葛藤を抱えていたんですね、ちょっと親近感がわいてきました。
モンテーニュの教える自分探し!なんだか面白くなってきたと思いません?
究極の自分探し?!中庸の精神で自分を受け入れる方法10選
大切なことは無理をせず、心穏やかに、自分に合った速度で生きること。
モンテーニュが考える自分を受け入れる方法をご紹介しましょう。
皆さんも「究極の自分探し」ぜひ実践してみてくださいね。
自分探しその①:自分の考えを口に出す
自分の考えが不十分であっても、自信がなくても、口に出すのをためらう必要はありません。
欠点は恥ずかしいことではない、恥にはなりませんが、取り繕うことは恥になります。
つまり、大切なのは、かっこうをつけないこと。
自信満々のふりをしてかっこつけず、思っていることをそのまま口にして初めて
自分の考えを受け入れられるようになるのです。
自分探しその②:自分の外見を受け入れる
身長、体形、お腹周りや足の長さ…
うまくいかないのは自分の外見のせいだ!
理想的な見た目が手に入れば人生はさらに輝くのに!
一度そう思ってしまうと、きりがありません。
でも思い出してください!
モンテーニュは自分の姿を、白髪、ハゲ、しわしわと表現。
しかも、そんな自分を受け入れて「これが私だ!」と笑い飛ばします。
まずは自分が歩んでいる人生を褒めてあげましょう。
仕事をがんばっている、友だちに恵まれている、子どもを育てあげた、
「これが私だ!」と自分の人生をほめてあげたその気持ちで外見を受け入れようじゃないか、そう言っているのです。
自分探しその③:自分の欠点を楽しむ
こんなことありませんか?
- ちょっとしたことに傷つき落ち込む
- 些細なことでイライラする
- 気を付けてもすぐミスをしてしまう
こんな自分は嫌だ!
いつも笑顔で、おおらかで、ミスなんてめったにしない!そういう人間になりたい!
そんな思いもモンテーニュは一刀両断!
「そんな完璧な人間なんているわけないじゃん」と言い切ります。
まあ、それもそうですよね。
大事なことは、自分はありふれた人間、普通の人間だと割り切ってしまうこと。
欠点を隠し、完璧な自分・理想の自分になろうとすると
どんどん荷が重くなって心がパンクしてしまうとモンテーニュは考えます。
特別な人間になろうとせず欠点と楽しく付き合っていきましょう。
「普通の人間」というキーワードはまた後で登場しますので、お楽しみに!
自分探しその④:自分をイメージしない
わたしたちはついつい、理想の自分をイメージしてしまいがち。
- どんな困難も乗り越える強い私
- 家族や友だちに愛されている私
- 仕事でキラキラ輝いている私
しかし実際は、
- 人間関係に悩んでいる、仕事で結果を出せず行き詰っている
- やる気が出ずにダラダラ怠けている
なんてことも。でもダメな自分も全て自分自身です。
理想の自分なんて、そのときどきで変化するイメージのほんの一部を切り取ったもの。
コロコロ変わるなら、最初から理想の自分をイメージする必要はありません!
自分探しその⑤:状況に適応して変化する
苦しい状況に陥ると
「どうして自分ばっかりこんな目に」「自分は恵まれていない」
こんな風に境遇を恨んだり、逃げ出したくなったりするもの。
それに対してモンテーニュはこう言います。
状況が自分に合わせてくれることはない、自分が変わってしまえばいいだけだ。
モンテーニュにとって人間とは自由に姿を変えられるアメーバみたいな存在。
人間はそもそも変化する生き物。だから変化を恐れる必要はないのです。
自分探しその⑥:自分の性格にとらわれない
就職活動の自己PRで
- 私は真面目な性格です
- 辛抱強い性格です
- 社交的な性格です
こんなふうに話し始めること、ありますよね。
皆さんにも、それぞれ性格のキャッチコピーありますか?
性格をはっきりさせることで人生が歩みやすくもなりますが…
モンテーニュは、
自分の性格を決めつけることは自分の変化を拒むこと。
多様な人生の扉を閉ざすことにつながると警鐘を鳴らします。
そもそも人生は予定通りにいかない不規則なもの。
性格を自由自在に変えて多様な人生に適応するほうがよっぽど生きやすくはないかと
問いかけています。
自分探しその⑦:自分を隣人のように観察する
自分を見つめる方法としてモンテーニュは、
「自分を隣人だと思う」「木だと思う」という言い方をしました。
ちょっと不思議な考え方ですよね。
モンテーニュが言いたいことは、ほどよい距離感をもって自分と接するということ。
実践してみると、どんな自分が見えてくるでしょうか。
- 真面目だけどおちゃめなところもあるね、私。
- 辛抱強いけどいい加減なところも多いなぁ。
- 社交的だけど考え込みやすいところもあるかな。
今まで気づいていなかった、あなたのいろいろな性格が見えてきませんか。
ここで注意して欲しいのは、自分が見た以上の自分、見えなかった自分を語らないこと。
自分が見たままの自分に敬意を払うことが大切なのです。
自分探しその⑧:自分に安い値段をつけてみる
自分を過大評価すると傲慢になる、過小評価すると自信を失う。
それは確かにその通りなのですが、モンテーニュの考えはちょっと違います。
これが「自分にできるかぎり安い値段をつける」という思い切ったもの。
できるかぎり安い値段って100円?いや~10,000円くらいかな?
いやいや私の価値はもっとある!ここは思い切って、一億円でどうだ!!
「うわ~この人、自分に一億の価値を付けたよ~」
って思った方、いらっしゃいますよね…
一億なんて自分に高い値段をつけると周りの目が気になり、かなりのプレッシャーを感じます。
でも最初から安い値段なら、周りの反応が気にならず、自分の心を満たすために行動するように。ちょっとくらい上手くいかなくても落ち込むことがなくなります。
すると、すべてがうまく行き「人生は絶好調!」となるのです。
自分探しその⑨:自分を物語の主人公にする
- 私は立派に見られているだろうか
- 私は幸せそうに見られているだろうか
そんなことを考える人に、モンテーニュはこう言うでしょう。
「他人からどう見られているのかを気にしなくていい!」
だって、私たちは「普通の人間」ですから!自分の見られ方を意識する必要はなし!
自分探しその③ででてきたキーワード「普通の人間」がここで再登場です!
家族・友人、そして自分自身を楽しむために自分の物語を書く。
そんな気持ちで自分を見つめるともっと気持ちが楽になるよ、そう言っているのです。
自分探しその⑩:人生に必要なものを考える
さて質問です、あなたの人生にとって本当に必要なものは何ですか?
「人生に必要なものは自分自身だけ」
いちばん大切なのは自分自身、無理せず今の自分をそのまま受け入れる。
そう考えることで人生と自分がぴったり合わさり、理想と現実のギャップがなくなるのです。
これまでのいろいろな話が、すっきりと結びついていけば…
お疲れ様でした、ここが自分探しの終着点です。
まとめ
以上いかがでしたか?
この記事では、モンテーニュの教え、中庸の精神から、
自分とは何かを考え、自分と向き合う方法について解説してきました。
そのままの自分を受け入れることで、自分にも人生にも足りないものが何ひとつなくなります。
その結果、理想と現実のギャップがなくなり楽な気持ちで生きられることを、モンテーニュは私たちに教えてくれます。
自分は何者でもないから何者にでもなれる、そんな気楽さをもって生きることで、
自分にとって楽な速度で満ち足りた人生を歩めるようになるでしょう。
この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。
ちなみに今日の記事と関連して、下記の記事もおすすめですので、ぜひ合わせてご覧くださいね。
・老子に学ぶ流れに身を任せ自由に生きる方法はこちら:
https://youtu.be/tIgSZljDXu8 古代中国の思想家、老子の教えの軸にある「道(タオ)」とは何かがわかる! 日常生活で道(タオ)の流れに身をまかせて生きるための考え方10選をご紹介! 自分らし[…]
・ローマの哲学者セネカに学ぶ人生を充実させる方法はこちら:
https://youtu.be/oSlDIul3wZg 古代ローマの哲学者セネカの人生観がわかる! セネカが示す、人生を充実させる3つの考え方を学べる! セネカに学ぶ、人生を充実させる5つの生き方をご紹介![…]
・奴隷出身の哲学者エピクテトスに学ぶ悩みの少ない生き方はこちら:
古代ギリシャの哲学者エピクテトスの教えを解説しています。紀元前から続く人間の悩みに対して深い見方ができるようになり、しがらみにとらわれることなく自由に生きるためのヒントを得ることができるでしょう。https://www.youtub[…]
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。
・「中庸」とは、考え方や行動・立場が一方に偏らず、正しいこと
・シンプルに言うと、「無理をしない」「ありのままの自分を受け入れる」こと・モンテーニュに学ぶ、自分を受け入れる方法10選
①自分の考えを口に出す
・自分の考えが不十分であっても、自信がなくても、口に出すのをためらう必要はない
・大切なのは、かっこうをつけないこと②自分の外見を受け入れる
・まずは自分が歩んでいる人生を褒めてあげる
・「これが私だ!」と自分の人生をほめてあげたその気持ちで外見も受け入れる
(ちなみにモンテーニュは自分の姿を、「白髪、ハゲ、しわしわ」と表現した)
③自分の欠点を楽しむ
・自分はありふれた人間、普通の人間だと割り切ってしまう
・欠点を隠し、完璧な自分・理想の自分になろうとするとどんどん荷が重くなって
心がパンクしてしまう
・特別な人間になろうとせず欠点と楽しく付き合っていく
④自分をイメージしない
・理想のイメージとは、そのときどきで変化するイメージのほんの一部を切り取ったもの
・イメージがコロコロ変わるなら、最初から理想の自分をイメージする必要はない
⑤状況に適応して変化する
・「状況が自分に合わせてくれることはない、自分が変わってしまえばいいだけだ。」
・人間はそもそも変化する生き物。だから変化を恐れる必要はない
⑥自分の性格にとらわれない
・自分の性格を決めつけることは自分の変化を拒むこと
・性格を自由自在に変えて多様な人生に適応するほうが生きやすくなる
⑦自分を隣人のように観察する
・ほどよい距離感をもって自分と接する
・自分が観察したままの自分に敬意を払うことが大切
⑧自分に安い値段をつけてみる
・「一億」など高い値段をつけると周りの目が気になり、かなりのプレッシャーを感じる
・でもあえて安い値段をつけてみると、周りの反応が気にならず、
自分の心を満たすために行動するようになる
⑨自分を物語の主人公にする
・他人からどう見られているのかを気にしなくていい
・だって、私たちは「普通の人間」!自分の見られ方を意識する必要はなし
・家族・友人、そして自分自身を楽しむために自分の物語を書く。
そんな気持ちで自分を見つめるともっと気持ちが楽になる
⑩人生に必要なものを考える
・「人生に必要なものは自分自身だけ」
・いちばん大切なのは自分自身、無理せず今の自分をそのまま受け入れる
そう考えることで人生と自分がぴったり合わさり、理想と現実のギャップがなくなる
参考書籍:
モンテーニュ (著), 大竹 稽 (編集, 翻訳)(2019)超訳 モンテーニュ 中庸の教え ディスカヴァー・トゥエンティワン