NLP講座第5回目
今日の投稿では、言葉を使って身体感覚へアクセスしていく方法を紹介します。
身体感覚へアクセスするとは例えば、
- なんだかムズムズする
- イライラしてくる
- どんどんワクワクしてくる
といった状態を、言葉だけを使って再現するということです。
今日の内容を理解するには、これまでの解説の中の以下のポイントについての事前知識が必要です。
- 良い状態が高い能力につながるから良い状態になることが目標
- 脳内のプログラムは、体験・擬似体験の蓄積で作られる。
- 言葉はそれを使うだけで擬似体験を発生させる。体験とは五感へのインプットであり、それはVAKである。
本文中でも、それらの知識についておさらいしながら進めていきますので大丈夫です!
ただ、もし知識的に不安が残るようでしたら過去の投稿を読み返してみてくださいね😉💪
それでは早速いきましょう♪
VAKとは
さて、「身体感覚」というのが今までの解説の中でいつ登場したのかを確認しましょう。
あらゆる体験は、五感への情報のインプットの組み合わせに分解が可能です。
それらの五感への情報のインプットをNLPでは、
V(Visual)・・・イメージの情報
A(Audio)・・・音の情報
K(Kinesthetic)・・・身体感覚
の3つに分類しています。
例えば、体験の例として好きなアーティストのコンサートに行ったことを仮定してみましょう。
みなさんも、なにかコンサートに行った時のことを思い出しながら聞いてみてください。
今までコンサートに行った事が無いという方は、コンサートを想像しながら読み進めてください。
早速、VとAとKに分類してみます。
V・・・多くのファン達。混雑した会場。ライトアップされた会場。登場するアーティスト。
A・・・人の歓声。話し声。会場に流れるBGM。アーティストの演出音。
K・・・会場全体の熱気。過密な会場の圧迫感。スナック売り場の甘い匂い。盛り上がる会場。高まる鼓動。気持ちの高まり。
さて、もちろんもっと細かく分類は可能でしょうけど、NLPではこのようにVとAとKに分類します。
そして、今日の内容で特に大事なポイントはK(身体感覚)です。
なぜならば、NLPを活用しての目指す先である「良い状態」というのは、この身体感覚のことだからです。
「良い状態」というのもそれ自体が体験であり、
その体験というのはVとAとKの中ではK(身体感覚)というわけですね。
そのため、NLPを使って自分や他者を「良い状態」へと導くということはすなわち、
言葉を使って自分や他者に良い身体感覚(K)を体験させるという事なのです。
それでは次に、「言葉による擬似体験」と「身体感覚へのアクセス」について見てみましょう。
言葉による擬似体験と身体感覚へのアクセス
さて、お気づきの方もいらっしゃると思います。
先ほどコンサート会場の例をとって、VとAとKに体験の要素を分解してみましたが、
その時、みなさんは少なからず自分の中で擬似体験が起きていたはずです。
人それぞれ想像するコンサートは異なるでしょうが、私がただ短文を箇条書きしただけで、
- 人混みの映像
- 激しいライトアップ
- 甘いクレープの匂い
- ハイテンションになっていく自分のこと
- 興奮状態の周りの様子
といった情報が脳内で繰り広げられたことでしょう。
そして今、多少なりとも気持ちが高まってはいないでしょうか?
気持ちの高まりというのは身体感覚(K)に分類されますから、
今の一連の言葉の列挙だけで私も皆さんも自分の身体感覚にアクセスしたということです。
では私が今何をしたのかというと、
V(映像情報)とA(音声情報)を使ってK(身体感覚)を再現した
ということです。
それをどう再現したのかというと、言葉を使ってです。
K(身体感覚)の再現がポイントとは言いましたが、
身体感覚は、VAKの中では一番再現が難しいため、
今行ったようにVとAを使ってKを導き出す、という方法をNLPではとります。
例えば、
「身体を強張らせてください(=K)」
と言われてもなかなか難しいですよね?
しかし、
「サメの映像をイメージしてください(=V)」
「早まる心臓の鼓動の音をイメージしてください(=A)」
と言われると比較的簡単にイメージできますよね?
そして、
サメの映像をイメージしてください(=V)、そして、早まる心臓の鼓動の音をイメージしてください(=A)
といわれると、気づいた時には
身体が強張っている(=K)
という状態になっていませんか?
さっきは難しかったのに、VとAを組み合わせることで、
簡単にK(身体感覚)を擬似再現することができました。
大切なポイントは、
NLPでは、K(身体感覚)を再現するためにV(映像情報)とA(音声情報)を組み合わせる
ということです。
それでは次に、ここまでの知識をベースに実践例としてみなさんに「やる気を感じる」という身体感覚の再現をNLP風に行っていただきます。
言葉を使ってやる気を高める方法
NLPでは、やる気とは身体感覚であると捉えます。
やる気というのは、映像としてイメージするものでも、耳で聞いたりするものではなく、
胸やお腹で感じるものだからです。
それでは早速やってみましょう。
次の質問を自分自身に投げかけてください。
- かつてやる気に満ちていた時の自分の様子を頭の中で想像してください(=V)
- かつてやる気に満ちていた時を思い出させる音楽を聞くか、想像してみてください(=A)
どうでしょうか?
気持ちの変化を感じませんか??
ただやる気というのは、やる気を発生させる対象とセットでないと意味がないですよね??
確かに今、みなさんは気持ちの変化を実感して、どことなく胸やお腹から活力が湧いてくる感じを味わっているかと思いますが、
いざ、勉強や仕事や家事などに向き合おうとすると、とたんにやる気が吹き飛んでいくでしょう。
それは、
「勉強・仕事・家事」といったNに対して、すでにPが働いて、気持ちが下がってしまっているのです。
ではどうすれば良いのかというと、
前回解説した「リフレーム」の手法、そして今回解説した「言葉によるポジティブな身体感覚へのアクセス」の両方を組み合わせます。
NLP講座第4回目さて、今日の投稿では「リフレーム」という手法について紹介します。前回までの3回の投稿で、当講座のNLPの基礎理論は完了です。ここからはその基礎理論をどのように応用していくのか、というお話をNLPの理論に[…]
具体的には、やる気を感じない事(例えば勉強・仕事・家事など)に向き合う前に、まず今回の「言葉を使った身体感覚へのアクセス」を使って、やる気を感じやすい状態に準備します。
次に、そのやる気を感じない事に向き合います。
その時、前回解説した「リフレーム」の手法を使い、ポジティブな体験が起こりやすいように自分の内面を変化させます。
ここまでの流れがうまくいくと、実際に楽しい体験をすることになるので、
その新しい体験の蓄積によって、「やる気を感じるプログラム」が新たに作られていくというわけです。
実践してみよう!
実際に、実践する中で効果を実感した方が早いでしょう。
①まず、やる気を感じたいのにやる気を感じられない事を一つピックアップしてください。
②次に今回解説した「言葉による身体感覚へのアクセス」を試します。
・かつてやる気に満ちていた時の自分の様子を頭の中で想像してください(=V)
・かつてやる気に満ちていた時を思い出させる音楽を聞くか、想像してみてください(=A)
③次に、その事を始めようとしてください。
その時、胸やお腹のあたりが元気がなくなり気持ちも萎えるのを感じるかもしれませんが一旦無視するように心がけてください。
④そしたら今度は、前回解説した「リフレーム」を試します。
・それをすることで得られるメリットはなにか?
・それをしたほうが良い理由はなにか?
・それをしないことのデメリットはなにか?
すると、ポジティブな面が見え始め、ポジティブな体験をする準備が整います。
⑤やる気を感じる感覚とリフレームによる良い面を維持しながら、目の前の事に取り組みます。
この際、紙などにリフレームで出したポジティブな面や、やる気を感じる一言(「やるぞ!」「楽しい!」「最高!」などといった一言メッセージ)をすぐ見えるところに貼っておくと良いでしょう。
以上の知識について、これまでの知識も合わせ簡単な一枚の画像にしましたので知識の整理にご活用ください。
まとめ
以上いかがでしたか?
今日の投稿ではNLPを使った自己改善の方法として「言葉を使った身体感覚へのアクセス」という方法について紹介しました。
前回は、「リフレーム」について紹介しましたが、
NLPではそのように言葉の使い方がとても大切になってきます。
NLPを使いこなす上での能力差というのは「効果的な言葉選び」ということになります。
よく読心術やメンタリスト、手品師として人の心の内を読んだりするパフォーマンスがありますが、
そういった技はまさに言葉を使って相手を誘導し、表面化する言語表現・非言語表現を見て、相手の脳内プログラムを探っていく技術であるとも言えるのです。(もちろん、NLP的に解釈した場合ですが)
それでは次回からは、NLPを使っての対人関係の改善のパートに移っていきます。
お楽しみに♪
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