今回の連載テーマは、「人間関係の心理学を学ぼう」です。
アドラー心理学のアルフレッド・アドラーが、「あらゆる悩みは人間関係にその原因がある」と提言するほどに、
私たちの生活、そして人生と他者との関わりは避けては通れないものです。
「悩み」というのは、敵ではなくむしろ成長の糧となる
とはよく言われますが、それはあくまでもその「悩み」を乗り越えた後に言える結果論に過ぎないとも言えます。
人間関係の心理学について学ぶということは、そんな「悩み」に対する様々なアプローチ方法を学ぶということです。
結果としてその「悩み」を「学び」のための原動力に変え、後から振り返ったときに「良かった」と思えることが理想です。
そして、「あらゆる悩みは人間関係に由来する」というのは
「あらゆる喜びは人間関係に由来する」ということと表裏一体であるとも言えます。
であるならば、人間関係の心理学について学ぶということは、生活ないし人生前全般に対して「喜び」を見出すためのアプローチを学ぶという事にもなるでしょう。
さて、前置きが少し長くなりましたが、これから数回に分けて「人間関係の心理学」について学んでいきます。
人間関係の心理学の連載テーマ
今回の連載の目的を明確にしておきます。
それは、
他者理解を通じて自己理解を深める
という事にします。
今すでに対人関係において悩みを抱えているという方にとっては、今月の内容はダイレクトに役立つ内容になると思います。
一方で、直近では特に対人関係上の悩みを抱えていないという方にとっても、
他者への理解を深める着眼点を多く学ぶことを通じて、結果として自分自身についての理解を深められるようにしたいと思います。
今月の内容は知識として今後次のような場面で役に立つでしょう。
・初対面の人との人間関係の構築
・不仲になった関係の修復
・より一層の良好な人間関係の構築
「他者」と言ったときそれは多岐にわたりますよね。例えば、
- 母親
- 父親
- 祖父母
- 年上の兄弟、姉妹
- 年下の兄弟、姉妹
- いとこ、はとこ、おばさん、おじさん
- 彼女、彼氏
- 夫、妻
- 子供(11歳以下)
- 子供(12歳以上)
- 子供(18歳以上)
- 子供(社会人)
- 友達
- 知り合い程度の友達、知人
- 会社以外の先輩、後輩
- 会社の同僚、上司、部下
- 会社の取引先の関係
- ネット上の関係
などなど。
上記以外にも非常に多くの関係性の中で私たちは生きています。
「他者」と一言で言っても、その実情は人によって、場所によって、時間によって、はたまた気分によっても変わってくるでしょう。
そのため、「人間関係の心理学」というのは非常に捉えようのないジャンルでもあるのですが、
今連載では、そんな多種多様な人間関係を「観察する目」を与えられるようにしたいと思います。
連載の流れ
それでは次に、今月のコンテンツ内容について大まかな概要を紹介します。
目的は、「他者理解を通じた自己理解」ですので他者を理解する際の着眼点や対人関係上の悩みを克服するのに役立つ心理学的知見を紹介しつつ、それを自己理解へと紐付けながら紹介していきます。
内容としては、
- 他者を見る際の着眼点を増やすために性格分類法を紹介
- 苦手な相手への対処法として認知療法的アプローチの紹介
- 他者との良好な関係を築くための心理的手法
- 相手が考えていることや求めていることを知るための知識
- 恋愛関係、夫婦関係の構築、修復方法
などを紹介していきます。