職場の心理学

【人間関係の心理学#7】職場で使える心理学

連載企画「人間関係の心理学」、今日は7回目の投稿です。今月は次回が最後の投稿です。

そんな今回の投稿のテーマは「職場で使える心理学」

仕事をしている方にとって、仕事場での人間関係が生活に与える影響は大きいことでしょう。

今月、「人間関係の心理学」をテーマに様々な知識やノウハウを紹介していますが、これまで紹介してきた知識はそのまま職場での対人関係の中でも活用できるものが多いと思います。

そこで、今日の内容ではさらに焦点を職場に絞り、仕事の場面で有効に使える心理学の知識について紹介していきます。

リーダーシップ理論(PM理論)

リーダーシップは、組織やチームを統率し引っ張っていく際に発揮されるスキルや資質のこと。

社会心理学者の三隅二不二氏は、そんなリーダーシップには、

「目的達成機能(Performance function : P)」

「集団維持機能(Maintenance function:M)」

の2つの面があるとして、それぞれの頭文字をくっつけて、

PM理論

を提唱しました。

目的達成機能(P)とは、集団の目標を設定、計画し、メンバーに指示を与え、叱咤激励を通して生産性を高めていく能力。

集団維持機能(M)とは、集団内に友好的な雰囲気を作りチームワークを強化・維持する能力を指します。

PM理論の四分類

そして、これらP機能とM機能の高低によってリーダーとしての能力を4つの分類可能であるとします。

PM型(PもMも両方高い)
理想的なリーダー

P型(Pだけ高い)
メンバーの結束よりも、生産性を重視。成果はあげるが、チームの雰囲気が悪く、メンバーの満足度は低い。

M型(Mだけ高い)
生産性よりも、メンバーの結束を重視。チームワークは良いのだが、生産性が低くなりがち。

pm型(PもMも低い)
成果もあげられず、チームの結束も作れない。メンバーの意欲も満足度も低い

以上からわかるように、リーダーとしての役割を担うことになったのなら、
P機能とM機能の両方を意識してみましょう。

突然リーダーになったり、リーダーとしてどうすれば良いかわからなくなったときなどは、P機能とM機能を高めるということを一つの指針として考えてみましょう。

部下のやる気を引き出す心理学

次に、部下のやる気を引き出す時に役に立つ心理学について。

ピグマリオン効果(教師期待効果)

ピグマリオン効果(教師期待効果)とは、ほめることによって人はモチベーションが向上し伸びる効果のこと。

心理学では、一般的に、叱るよりも褒めた方が伸びることが分かっています。

ただし、口先だけで褒めても効果はありません。部下のことをしっかり観察して、本気で褒めることが重要です。

ラベリング効果

ラベリング効果とは、他者から与えられたレッテルから影響を受ける効果のことを言います。

この効果は相手を動かす時にも効果的です。

「君は本当によくできる」「君は行動力がある」「君は仕事が丁寧だ」

など。好ましいポイントを指摘する際に、ラベリング効果を意識してみましょう。

ホーソン効果

ホーソン効果とは、人は誰かに見られていない時よりも、誰かに見られている時の方がモチベーションが上がる効果のことです。

この効果は、仕事場でも活用することができます。

そのためには、例えば

  • チーム間でお互いに評価する
  • 上司や先輩から評価してもらう
  • 仕事内容のチェックを行う予告をする

といった方法が考えられます。

自分の意見を通す心理学

ここまで、リーダーとしての行動指針、そして部下を動かすための心理学について紹介しました。

それでは次に、仕事の場面で自分の意見を通すための心理学について紹介します。

マイノリティ・インフルエンス

自分の意見を通す努力が必要な時というのは、自分の意見が必ずしもチームや組織内の多数派の意見ではない時です。

そんな時に役立つのが、

マイノリティ・インフルエンス

です。

マイノリティ・インフルエンスとは、少数派の意見を徐々に多数派の意見へと変えていくための方法のことです。

このことを明かしたのが、心理学者のモスコビッチで、モスコビッチはマイノリティ・インフルエンスを起こす条件として次の3つを取り上げました。

  1. 多数派が不安定であること
  2. 熱意をこめて同じ主張を繰り返し主張すること
  3. 主張の内容が論理的で納得できること

そのため、まず1つ目として自分の意見を通すときは、自分の主張が明確で納得感があること、そしてそれを一貫して主張し続けるということを心がけてみましょう。

説得の基本

次に説得の基本について。自分の意見を通す際には、この説得の基本が大切です。その基本とは、「相手のメリットを提示する」ということです。

そのためには次のことを意識してみましょう。

  • 説き伏せるのではなく納得してもらうことを意識
  • 相手の利益になることだから提案していることを強調する姿勢
  • 相手に好印象を与える態度や話し方
  • 相手の視点にたった分かりやすい説明(具体例を用いるなど)
  • 結論を急がない、押し付けない
  • 相手が納得して自ら結論を出すように導く
  • 一気に進めようとしないで段階的に進めていく

影響力の武器

そして、心理学的に証明されている他者に影響を与えるための方法を試すというのも効果的です。

武器①返報性

相手に何かをしてもらうとお返しをしたくなる心理のこと。相手のお願いを先に聞いたり、相手の希望を先に叶えるなどすることで、次に自分の意見を通す時に有利になる。

武器②コミットメントと一貫性

人は、一度YESというと、それを続けたいと思う心理のこと。そのため、自分の意見を通す時は、最初は小さい意見で相手にYESと言ってもらい、そこからだんだんと意見のレベルを上げていくようにすると良い。

武器③好意

人は、好意をもった相手の意見を受け入れやすいという心理のこと。そのため、清潔な身なり、笑顔、丁寧な言葉遣い、など相手に好印象を与える努力を怠らないことで自分の意見を通し易くなる。

武器④権威

人は、医者や教授や専門家などのお墨付きがあるとそれを信じ易くなるという効果。そのため、自分の意見を通す時、それに説得力がないと感じるのならば、自分の意見を裏付ける情報を探して一緒に話すと良い。

武器⑤希少性

人は、数が少ないものや希少と言われるものに対して欲しくなるという効果。そのため、自分の意見を通す時にはその内容のどこかに希少性の要素を入れられないか検討してみると良い。

武器⑥社会的証明

人は、多くの人が採用している意見や行動に対して同じことをしやすいという心理。そのため、自分の意見を通す時にはその意見がいかに世の中の大多数の人が採用しているのかということを盛り込むと良い。

ちなみに、そうした相手に影響を与える時に使える心理効果について、こちらの動画でも詳しく解説していますので是非ご覧ください。

まとめ

以上いかがでしたか?

今日は、職場において使える心理効果について紹介しました。

働いている方にとっては、職場での人間関係というのが自分の人生に与える影響というのは大きいはずです。

もし、そこから悪い影響を受けていたり、メンタル的な不調の原因となっているようでしたら、視野を広げてどうすれば良いか一度落ち着いて整理してみるのが良いです。

その際に、今日紹介したような職場での心理学の知識も頭の片隅にいれておくことで、自分の状況について落ち着いて客観的に分析ができるはずです。

さて、次回は今月最後の投稿です。

お楽しみに!