↑この記事の認知行動療法に関する内容はアニメーション動画でも解説しています!↑
- 認知行動療法とは何かが分かる!
- 認知行動療法の大まかな流れが分かる!
- 認知行動療法をどのように活かせば良いかが分かる!
この記事では、「認知行動療法」とは何か。という話を、うつ病や不安症といった病気だけではなく、日常生活レベルでも活用できるハウツーとして、その大まかな流れおよび方法を解説していきます。
認知行動療法とは
みなさんこんにちは!ライフハックアニメーションです!
今日の記事では「認知行動療法」という手法を自分で実践していけるようになる方法を解説していきます。
ところで、皆さんは次のような悩みを抱えてはいないでしょうか?
- ちょっと失敗したり思い通りに行かない事があるとグズグズ引きずりやすい
- 無視された、強く言われたなど人間関係上の悩みが耐えない
- 自分に自信がなく自己肯定感が低いほうだと思う
実は、そのような辛い状態を引き起こしている原因は、
辛い出来事や今の状況そのものではなく、頭の中にある認知というフィルターによるものです。
頭の中にある認知というフィルターが、事実の受け止め方を決めており、
その事実の受け止め方が、自分の状態に影響を与えています。
つまり、逆を言えば、
その認知というフィルターさえ入れ替えてしまえば、事実の受け止め方はかわり、
結果として自分の状態も変えることが出来るという訳です。
今日の記事では、
そうした人間の認知の仕組みと行動に関するお話を通じて、
自分を変えていく方法を解説していきます。
是非最後までお楽しみください。
認知行動療法の実践シート
この記事で解説している内容は、こちらのオリジナルツールを使うことで簡単に実践できるようになっています。
無料でダウンロードできますので是非ご活用ください。
認知行動療法の実践ツール
認知と行動の関係性
全く同じ事実を目の前にしても、その捉え方は人それぞれです。
そのことについては皆さんもご納得いただけるでしょう。
そして、その人によって異なる事実の捉え方や受け止め方を、専門的な言葉では「認知」と呼びます。
この認知とともに、私たちは嬉しい、悲しい、怒り、不安といった様々な気分や感情を産み出し、
そうした感情に後押しされる形で行動が生まれます。
ABCモデル(理論)とは
この仕組みを簡単に表したのがABCモデルというもので、これは
状況や出来事を意味する事実Aに、その人特有の考えや信念を表す認知Bがフィルターとしてかぶさり、 感情や行動を示す結果Cが生まれるというものです。
ここで重要なポイントは、
事実Aが直接的に感情や行動を表すCに結びついているのではなく、
必ずその間には認知Bが介在しているということです。
つまり、この認知Bの部分を変えれば、結果Cも変えることが出来るというわけなのです。
またこのABCモデルでは示されてはいませんが、
気分が良い悪いといったその時の自分の状態次第でも認知Bの部分は変わり、
さらに生み出された感情や行動Cによっても、認知Bの部分はどんどん変わっていきます。
こうした人間の事実に対する認知と行動の関係性に注目して、
意図的に自分の状態をコントロールしていく手法が認知行動療法です。
認知行動療法はどのように使われているのか
認知行動療法は、うつ病や双極症、不安症といった症状への対処策として活用されるだけではありません。
認知行動療法は、私たちの日常生活レベルにおいても非常に高い効果を発揮することが可能であり、
モチベーション理論や、コーチングのハウツー、自己啓発の手法の基礎的なモデルであるとも言えます。
つまり、
認知行動療法を学び、それを日々の生活の中で実践していくということは、
誰であったとしても、自分を好ましい方向に変えていくために非常に有効に活用することができるわけなのです。
認知行動療法の方法
それでは次に、認知行動療法というものが一体どのように進められていくのか、 その大まかな枠組みについて見ていきましょう。
認知行動療法、すなわち、自分の認知と行動を変えていくことで自分を好ましい状態へと導く方法は、
大きく分けて次の3つのプロセスの繰り返しの中で進められていきます。
- 自分の状況と状態の観察
- 考え方の癖を掴み変化させる
- 行動を変化させる
これから、各ステップについての解説を行なって行きますが、
今日の記事の目的は、認知行動療法の大まかな解説を行うことですので、
各ステップの表面的な解説を行うにとどまります。
解説の不十分なところは今後の記事で補って行く予定です。
ステップ① 自分の状況と状態の観察
まず最初にするのは、現時点における自分の状況と状態を観察し、客観的に捉えられるようにします。
それがつまりどういうことなのかというと、
自分の状況・状態を、具体的な言葉で言い表すということです。
ただここで注意点があり、それは状況と状態とを切り分けたうえで、言葉で言い表すということです。
今自分はどのような状況にあって、
結果として今自分はどのような状態にいるのかという事を切り分け、それぞれを具体的な言葉で言い表していくわけです。
なぜこのステップが重要なのかというと、
先ほどのABCモデルでいうところの、
どこからどこまでが事実Aで、どこからどこまでが結果Cであるのかを、
はっきり区別するためです。
そのためには、
どのような状況に対して、結果として自分がどのような感情を抱き、どのような行動をとったのかを具体的な言葉で言い表します。
このステップを踏む事で、
次のステップにおいて、自分の認知の歪みというものに気づくことができます。
例えば、自分が提出した資料を上司にダメ出しされた時、自分は能力がなくてダメな人間だ。と思い憂鬱になったケースの場合には、
上司にダメ出しされたというのが事実Aで、自分はダメな人間だと思って憂鬱な気分になって落ち込んだのが結果Cとなります。
ステップ② 考え方の癖を掴み変化させる
ABCモデルでも明らかなように、
事実Aに認知Bが介在することで、感情・行動を示す結果Cが生み出されます。
そしてステップ①では、事実Aと、結果Cを明らかにしました。
それでは次に、その間の認知Bを明らかにしていきます。
実は認知というものは、次の二段階で成り立っていると考えることができます。
その二段階というのは、
ベースとなる価値観が自動思考を生み出しているというものです。
つまり、認知というものは、
基本的には全て自動的かつ瞬間的に沸き起こるものであり、
その背景にはベースとなる価値観があるというわけです。
このように、認知というものが、自動的かつ瞬間的に行われてしまうため、
私たちは事実Aと結果Cとを一緒のものと捉えてしまいがちで、
そのことが自分を客観的に見られずに負の循環へと陥れてしまう原因となっているのです。
先ほど、ステップ①で、
事実Aと結果Cの関係性について、自分のケースに当てはめて考えてみられたかと思いますが、
その関係性を見ていくことで、自分が一体どのような自動思考を持っているのかということが明らかになってきます。
そして、その自動思考について、なぜそのように自動的に考えてしまったのだろうかと理由を探って行ってみると、
今度はその自動思考の背景にあるベースとなる価値観というものが浮き彫りになってきます。
例えば先ほどの例でいうと、
指摘されたから自分は能力が低い
という自動思考が考えられます。
その自動思考の背景を紐解いていくと、能力が高い人間は注意されたり指摘されることは一切ない。といったベースなっている価値観が浮き彫りになります。
ステップ③ 行動を変化させる
そして最後に、認知Bを変え、結果Cを変える段階です。
まず、どのような結果Cが望ましいかを明らかにします。
次に、その結果Cのためにはどのような認知Bであれば良いのかを明らかにします。
ただ、それを明らかにしたところで実際に自分の感情や行動を変えられるというと、話はそんなに簡単ではありません。
なぜならば、頭では認知を新しく変えようと思い、実際に変える内容も明らかにしたところで、
まだ実践を通じての納得ができていないので、すぐには思うようにいかないわけです。
そこでどうすれば良いのかと言うと、
行動を先に変化させていきます。
行動を変え、新しい体験をすることで、認知Bをどんどん変えていくことができます。
ただいきなり大きく行動を変えることはこれまた難しいので、
スモールステップで段階を踏んで行動を変えて行きます。
イメージとしては、ジェットコースターは怖くて無理という認知を持っている人が、
最初はメリーゴーランドから初めて、次に子供用のジェットコースター、というように少しずつハードルを上げて行き、
結果としてジェットコースターは実はそんなに怖くないしむしろ面白い、というように認知を変えていくのに似ています。
また、先ほどの例でいうならば、
会社の人に自分の仕事について指摘を受けときは、「ご指摘ありがとうございます」とまずは感謝の言葉を言ってみるというように、
行動を小さく変えてみるのです。
そのように行動を少し変えてみることで、
他者からの指摘は、自分がダメで能力が低いことの証拠などではなく、
自分を高めるための助言であるというように認知の部分を変え、結果として自分の行動面や精神面をポジティブな方向に変えていくことができるようになるのです。
認知行動療法の内容まとめ
以上いかがでしたか?
今日の記事では、認知行動療法について、
その概要部分の解説をしてきました。
かなり抽象的な解説になってしまいましたが、今後の記事で今日の記事の不足部分を補う内容を出していく予定です。
また、ステップ①からステップ③をしやすくするツールも用意していますので、
是非こちらのダウンロードリンクより是非手に入れて活用してみてください。
認知行動療法の実践ツール
ちなみに、今日の記事と関連して、
こちらの記事もご一緒に見られることで、
自分の思考のパターンを変えていき、自分をポジティブな方向に変えていくためのアイデアやハウツーをもっと学べます。
ご興味のある方は是非一度ご視聴ください。
また、当サイトはYoutubeチャンネルを運営しており、最新動画をいち早くチェックできますので、良かったらチャンネル登録を宜しくお願いいたします。
この記事の内容がなにか一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
P.S.
当記事の内容はYoutube動画でも解説をしていますので合わせてご視聴頂けますとより理解を深めることができます。
- 認知行動療法とは
- 自分の認知と行動を変えていくことで自分を好ましい状態へと導く方法
- ABCモデルとは
- 事実A(状況など)→認知B(考えや信念)→結果C(感情や行動)
- 認知Bを変えることで、同じ事実Aを目の前にしても結果Cを変えることが出来る
- 認知行動療法の3ステップ
- ①自分の状況と状態の観察
- 自分の状況と状態を切り分けてそれぞれを言葉で客観的に把握する
- 認知の歪みに気づくことが出来る
- ②考え方の癖を掴み変化させる
- 二段階の認知
- ベースとなる価値観
- 自動思考
- 自動思考に気づき、その背景にあるベースとなる価値観を知る
- 二段階の認知
- ③行動を変化させる
- 望ましい結果C’(感情や行動)を考え、それをもたらす理想の認知B’を考える
- 先に行動を変えることで認知に影響を与える
- スモールステップで良い
- ①自分の状況と状態の観察
参考文献:
玉井仁(2016)マンガでやさしくわかる認知行動療法 日本能率協会マネジメントセンター
貝谷 久宣(2012) 図解 やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社
清水 栄司 (2010) 認知行動療法のすべてがわかる本 講談社