自分を成長させる心理学

【人間関係の心理学#8】関係の中で自分を成長させていく心理学

連載企画「人間関係の心理学」今回の投稿は第8回目の投稿。

今回が最後です。

そんな今回の内容では「人間関係の中で自分を成長させていく心理学」と称して、3つの知識をお届けします。

ジョハリの窓

自分の性格というものは意外と分かっていないものです。

自分は几帳面なつもりでも、他人から「あなたはおおざっぱな人だね。」と言われてびっくりする。

なんていうことはよくあるものです。

アメリカの心理学者、ジョセフ・ラフトとハリー・インガムは、人間には4つの自分があるとしました。

この4つの自分というのを、4つの窓に例えて解説するのが「ジョハリの窓」で、提唱者の二人の名前をとってつけられました。

ジョハリの4つの窓

この4つの窓というのは、

・X軸:自分が知っている自分↔︎自分が知らない自分
・Y軸:他人が知っている自分↔︎他人が知らない自分

をとり、4つに分けます。そして、

①自分も他人も知っている自分・・・開放された自己

この窓が大きい人は自己開示が進んでいるので他人とのコミュニケーションがズムーズにとれる。

②自分は知らないけど他人は知っている自分・・・盲点の自己

この窓が大きい人は、他者視点が抜けがち。友人や家族からのアドバイスに素直に耳を傾けることで成長できる。

③自分は知っているけど他人は知らない自分・・・隠された自己

この窓が大きい人は他人とのコミュニケーションがぎくしゃくしがち。ありのままの自分を素直に表現してこの窓を小さくするように心がけると良い。

④自分も他人も知らない自分・・・未知の自己

この窓の領域は、無限の可能性が秘められている。様々な人と触れ合い、どんどん未知の自分を発掘していくように心がけるとよい。

そして、大切なポイントは、それら4つの窓の中で、①の

開放された自己

の窓をどんどん大きくしていくことを心がけましょう。

このジョハリの窓の知識は、人間関係を通じて自分を成長させていく際の、1つの指針となるはずです。

心の知能指数EQ

次は、心の知能指数や、感情指数とも呼ばれる「EQ」について。

EQと似た言葉としてIQがありますが、これは知能指数で理解力や論理力、推理力などの能力を数値化してとらえたものです。

これに対して、EQはこれまでIQでは計測しようのなかった要素を測定します。

アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンは、人間が幸せになるには、

円満な人間関係を築く能力が必須であると説明し、そのためには心の知能指数EQを高めることが重要であるとしています。

そんなEQは、次の5つの能力で成り立っています。

  1. 自分の感情を知る能力
  2. 自分の感情を上手にコントロールする能力
  3. 目標に向かって努力する能力
  4. 他人の気持ちを汲み取り共感できる能力
  5. 人間関係を上手に築いていける能力

EQというのは、努力次第で何歳からでもどれだけでもどんどん伸ばすことができます。

自分の性格を思い通りに変えるのは難しくても、EQを磨くことによって、人に好かれるような魅力的な人間になることができるのです。

このEQを伸ばすという視点は、これまた人間関係の中で自分を成長させていくための一つの指針となるはずです。

EQを伸ばす5つのポイント

そんなEQを高めるにあたっての5つのポイントは、

  1. 今自分はどんな感情をもっているのか、自分に問いかけてみる
  2. イライラや怒りをコントロールできているか自分に問いかけてみる
  3. はっきりとした具体的な目標を持ち、自分の意欲を高める
  4. 相手の心情を的確に汲み取って共感を示しているか、思いやりをもって接しているか自分に問いかけてみる
  5. 感情というものを理解して他者に適切な対応ができているか自分に問いかけてみる

以上を意識して、EQを高めていくことを心がけてみましょう。

自分のことを受け入れる心理学

他者との関係というのは、そこから学べることが多くありますが、

一方で他人と自分とを比べることともなり、結果として自分自身を蔑んだり、自信を失ったりといったケースも多々あります。

人間関係を通じて自分を成長させるためには、

人間関係を通じて浮き彫りになる自分というものをそのままに受け入れるという姿勢もとても大切になってきます。

悲観的なことばかり考え自分はだめだ、と思っていると人間はどんどん無気力になってしまいます。だめだという思いに支配されていたら、何かにチャレンジしようなどという気持ちにも到底なれません。

自分を肯定的に捉え、自分を大切にする気持ちを

「セルフエスティーム」

と言います。これは、心理学では自尊感情とか自己肯定感という言葉で言い表されることも多いです。

アメリカの心理学者ローゼンバーグは、そんなセルフエスティームには2つあるといいます。

それは、

①他人と比較して「とてもよい(very good)」と考えるもの
②自分の中の基準をベースとして「これでよい(good enough)」と自分を需要するもの

の2つです。

ここで重要なポイントは、それら2つのセルフエスティームのうちで、

特に②の自分の中の基準をベースとする方を重視するということです。

他人と比較するというのは、キリがない試みですし、一時的にセルフエスティームが高まっても、またすぐに下がる要因にぶつかるはずです。

一方で、自分の中の基準で判断するというのは、あるがままの自分を受け入れることにつながります。

あるがままの自分をかけがえのない存在として認め、受け入れる。この姿勢は、人間関係を通じて自分を成長させていく上で必要不可欠なことです。

そんなセルフエスティームを高めるために、今日から次のことを意識してみましょう。

  1. 小さな目標を立て、一つずつ達成して、達成感を積み重ねていく
  2. どんなことでもいいから、今できることを一生懸命していく
  3. 頑張っている自分を認めて誇りを持つ

まとめ

さて、今月は人間関係の心理学をテーマに様々な知識をお届けしてきましたがいかがでしたでしょうか。

ありとあらゆる悩みは人間関係から生まれるとはよく言われることですが、
ありとあらゆる幸せも人間関係から生まれると言えます。

自分をネガティブにし、挫折させ、落ち込ませてしまうのも人間関係ですが、
自分をポジティブにし、高揚させ、成長を促してくれるのも人間関係です。

そういった意味で人間関係には多面的な要素があり、一筋縄ではいかないところも多々あることでしょう。

今月お届けした知識を大きくまとめるなら、紹介してきたのは、

・視点

です。多面的な要素をはらむ人間関係から良い影響を受け取るためには、その都度変わる関係を様々な角度から見つめる視点を持っておくと良いです。

そのために、今月は様々な視点を届けられるようにコンテンツを整理してきました。

何かお役に立てる事や、発見や気づきをお届けできておりましたら幸いです。