- 古代中国の思想家、老子の教えの軸にある「道(タオ)」とは何かがわかる!
- 日常生活で道(タオ)の流れに身をまかせて生きるための考え方10選をご紹介!
- 自分らしく自由な気持ちで生きるためのヒントが見つかる!
老子に学ぶ流れに身をまかせて自由に生きる方法10選!
みなさんこんにちは!
今日のテーマは中国の思想家老子の「流れに身をまかせて自由に生きる方法」。
- しがらみを取り払って自由に生きたい!
- 不安をなくして楽な気持ちになりたい!
日々の生活に不自由さを感じ、
そこから解放されたいと思うことってありますよね。
でも、いくら自由を望んでも
「今の状況を失ったらどうしよう」
不安や葛藤を心の底で抱えることもあるでしょう。
今回取り上げる老子は、紀元前6世紀の中国で活躍した思想家です。
儒教の祖である孔子以上に世界中で広く読まれている老子。
今回の記事では、老子が唱えた「道(タオ)」の教えから解説します。
この記事を読み終わる頃には、不安や葛藤から解き放たれ、
自分らしく自由な気持ちで生きられるようになるでしょう。
是非最後までお楽しみください。
老子が唱えた「道(タオ)」の教えとは?
老子の教えの軸にあるのが道(タオ)。歩くための道(みち)?とはちょっと違います。
ここでお話する道(タオ)とは、この世が生まれたときからある、世界の根元のようなもの。
「根元?難しすぎて分からない!」今そう思いました?それでいいんです!!
言葉にできない、説明できない、名付けられない、それが老子の考える道(タオ)。
その流れのなかで生きることが、人間のもっとも自然な姿であると老子は考えました。
では言葉にできないものをどうやって理解するのか…
一緒に考えてみましょう。
あなたはどんな価値観を持って、人生を歩んでいますか?
- 高校を卒業したあとは大学に進学するものだ
- 会社に就職して安定した収入を得るものだ
- 30歳までに結婚して子どもをつくるものだ
このように、周りに合わせ、世間的によしとされる生き方を選択する、
正しいものは何か…確かなものはどれだ…とすがろうとするから不安になると老子は考えます。
そこで、「こうするべき」「こうあるべき」という無意識の思い込みを
すべて取り払ってみましょう。そこに何か残るでしょうか。
そこに残るのは、生まれては消えていく流れのみ。
その流れに身をまかせて生きるのが自然なことなのだと老子は考えたのです。
今日から一緒に流れに身をまかせて生きていきましょう!
…でも、それって、具体的にはどうやって生きていけばいいんでしょうか??
流れに身をまかせて生きる方法10選
しがらみが多い今の世の中で、道の流れに身をゆだねて生きることは、
現実的には難しいのではないかと感じる人も多いかもしれません。
でも大丈夫。
老子の教えの特徴は、「日々の生活のなかで取り入れやすい」こと
そこで、これならできそうと思った方法を10個、厳選しましたので、お気に入りをぜひ見つけてみてくださいね。
①言葉に縛られるな
老子は、人間は言葉により多くのことを思いこみ、身動きが取れなくなると考えています。
たとえば、りんごという言葉を聞いたら赤いりんごを思い浮かべますが、
りんごは赤いものから青いものまで、色合いはすべて異なります。
人間が、言葉によって思い浮かべるものは、人によって異なる、確実なものではないのです。
同じように、何かにチャレンジするとき、「失敗したらどうしよう」と思ったとしても、
そもそも何をもって失敗というのでしょう。明確な答えはありません。
このように人間は、確かなものではない言葉におびえて生きているだけ。
言葉の呪縛を取り払うだけで、もっと楽に生きられるのです。
②自分の感性を信じろ
言葉にとらわれていては、自分が進むべき道を見つけられません。
むしろ、豊かな感性を持つことが大切であると老子は考えました。
- 大学を出たら就職するものだとみんなが言っている
- 30才になるまでに結婚していないと世間体が悪いと親に言われる
など、世間の言葉に従って生き方を選択すると、振り回されてしまうだけ。
正しい選択ができるのは、身体を通じて感じられる、自分の内なる声だけ。
世間の言葉ではなく、自分の内にある感性に耳を傾けろ、それが老子の教えなのです。
③生きのびようとするな
「有名大学に合格して注目を浴びたい」「仕事ぶりを高く評価されたい」
そう思って頑張ったものの、思い通りの結果が出ずに落ち込んでしまうこと、ありますよね。
もちろん、高みを目指して努力し続けることは大切ですが、
必要以上にもがいてしまうと、人生の歯車は狂い始めてしまいます。
ちょっと想像してみてください。地球はどのように存在しているでしょうか。
いきなり?だいぶ壮大なたとえだな、と思われました?
でも、人間も地球も同じです。ただそこにあるだけ。
存在しつづけようともがいてはいませんよね。
老子は「生き延びようとせずに、ただ生きればいいのだ」と言います。
つまり、ものごとが上手くいかなくなったら、すべての行動を止めることも大切なのです。
④自分の感情を大切にする
私たちは、食生活や運動など、健康な体を維持することに気を使いますが、
特別なことがない限り、心の健康について意識することを忘れがちです。
頑張っていることを誰かに高く評価されると「うれしい!」
逆に酷評されたりすると「くやしい、納得がいかない!」
こんな風に、毎日さまざまな感情に振り回されています。
感情がかき乱されると、心はもちろん体も疲れ切ってしまいますよね。
いい人生を送るためには、体をいたわるように感情も大切にする。
そうすることで、自分にとって本当に大切なことは何かが見えてくると老子は考えたのです。
⑤ものごとをありのままに見よ
ものごとを見るとき、自分の先入観や周りの反応が大きく影響するもの。
アニ子の目の前に、眼光が鋭く、険しい表情をした、体格のいい男性が現れたとします。
なんか怖い、狂暴そう、ここにいたら危ない、オーナー助けて~
こんなネガティブなイメージを抱いてしまいます。
でも実際に話してみたら、おだやかでやさしい、とてもいい人だった!
そんなギャップに驚いた経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
この「なんだか怖そう」というイメージは、男性のありのままの姿ではありません。
映画やテレビドラマ、世の中でなんとなく共有されている先入観によるもの。
老子は、余計な考えを取り除きただ受け入れることを「冷静」と表現。
冷静な心で世界を受け入れると、ものごとを正しく判断できると考えました。
⑥曲がったままでいい
老子は、自分をよく見せる、自慢する、知ったかぶりをすることについて、
無理に曲がったものをまっすぐにしようとしていると表現しました。
- 自信がないのに自信があるふりをする
- やり方が分からないのに分かったふりをする
- 本当はシャイなのに社交的なふりをする
老子にとってこれらは不自然な行為。
無理に何かをしても、評価も得られず結果もでない、これが老子の考えです。
何も自慢せず、誰とも比較せず、ありのままの姿でものごとと向き合う人だけが成功できる。
曲がっているなら曲がったままでOK!そんな気持ちが大切であると老子は教えてくれます。
⑦自分自身と勝負しろ
よりよく生きるためには、他人よりも自分を知る、他人ではなく自分に勝つ。
他人ではなく自分にとことん向き合うことが、よりよく生きるために大切だと老子は言います。
仕事をするときに、「同僚に負けたくない」ではなく「もっと成長したい」
勉強するときに、「いい点数をとりたい」ではなく「しっかり学びたい」
周囲の評価に振り回されて自分を見失ってしまうと、自分の価値が下がるだけ。
自分がどうあるべきかが重要で、周囲の評価は不要だというのが老子の考えです。
私たちはさまざまな競争や評価にさらされて生きていますが、
勝負をするのは自分自身、他人に勝ったか負けたかはどうでもいいことと言えるでしょう。
⑧ひとつのものに執着するな
老子が絶対にしてはならないと言っているのが、ひとつのものに執着すること。
私たちは、仕事や日々の生活を送るなかで、
- 仕事で成果をあげてもっと評価されたい
- 貯金を増やして将来の生活に備えたい
もっと有名になりたい、もっと幸せになりたい、もっときれいになりたい
何かに執着して、それを「もっと、もっと」と増やそうとすると、最後にすべてを失ってしまいます。
そこで、身体と財産、身体と名声、本当に大切なのはどっち?と問いかけてみましょう。
財産や名声がなくても生きられますが、身体がなければ何もできません。
私たちは、多くのものを得ようとして、自分自身をなおざりにする傾向があります。
本当に大事なものを大切にしていれば、得る喜びが増え、失う悲しみが減るのです。
⑨空気は読まなくていい
老子はある人から「どうしたら大物になれるか」と聞かれたとき、
空気を読まないことで大物になれると答えました。
- そっとしておいたほうがいいだろう
- さりげなく手伝ったほうがいいだろう
私たちが日々暮らすなかで、空気を読んで行動する場面は多々あります。
しかし老子は、空気を読んでばかりいたら、大きなことは成しえないと考えます。
ここで注意したいのは、空気を読まないとは、好き勝手に振舞う自己中心主義ではありません。
他人を思いやり、自分が正しいと信じることをする、それが志につながる道なのです。
⑩それぞれの道に従え
ここまで、道の流れに身をゆだねて生きる方法をご紹介しましたが、
人間が従うべき道はそれぞれにあり、ひとつの正しい道があるわけではありません。
自分が従うのは、自らの心のなかにある道のみ。
その道が本当に正しいのかどうか、自分の心に問いかけながら進んでいく、
これが老子の考える、道(タオ)の流れに身をまかせて生きるということです。
まとめ
以上いかがでしたか?
この記事では、流れに身をまかせて自由に生きる方法について、
老子の「道(タオ)」に関する考え方から解説してきました。
身をまかせるという表現を何度も使いましたが、何も考えずに流されるのではなく、
自分を信じる心を持って流れることが大切ということを、老子は教えてくれます。
多くのしがらみがある今の世の中だからこそ、
自分をいちばんに信じることで、自由な心を獲得できるとも言えるでしょう。
ちなみに、今日の記事と関連して先人の教えを解説したおすすめ記事として、
・ローマの哲学者セネカに学ぶ人生を充実させる方法はこちら:
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で解説をしておりますので是非合わせてご覧ください。
この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご愛読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。
・この世が生まれたときからある、世界の根元のようなもの
・「こうするべき」「こうあるべき」
という価値観をすべて取り払った後に残る、
物事が生まれては消えていく、というシンプルな流れのこと
・その流れに身をまかせて生きるのが自然な姿だという考え方
・周りの価値観に合わせ、世間的によしとされる生き方にすがろうとするから
人は不安になると老子は考えた・流れに身をまかせて生きる方法10選
①言葉に縛られるな
・人間は、確かなものではない言葉におびえて生きているだけ
・言葉の呪縛を取り払うだけで、もっと楽に生きられる②自分の感性を信じろ
・正しい選択ができるのは、身体を通じて感じられる、自分の内なる声だけ
・世間の言葉ではなく、自分の内にある感性に耳を傾ける
③生きのびようとするな
・高みを目指して努力し続けることは大切だが、
必要以上にもがいてしまうと、人生の歯車は狂い始めてしまう
・ものごとが上手くいかなくなったら、すべての行動を止めることも大切
④自分の感情を大切にする
・いい人生を送るためには、体をいたわるように感情も大切にする
・感情を大切にすることで、
自分にとって本当に大切なことは何かが見えてくる
⑤ものごとをありのままに見よ
・余計な考えを取り除きただ受け入れること(「冷静」)
・冷静な心で世界を受け入れると、ものごとを正しく判断できる
⑥曲がったままでいい
・無理に何かをしても、評価も得られず結果もでない
・何も自慢せず、誰とも比較せず、ありのままの姿でものごとと向き合う
⑦自分自身と勝負しろ
・よりよく生きるためには、他人よりも自分を知る、他人ではなく自分に勝つ
・勝負をするのは自分自身、他人に勝ったか負けたかはどうでもいい
⑧ひとつのものに執着するな
・私たちは多くのものを得ようとして、自分自身をなおざりにする傾向がある
・本当に大事なものを大切にしていれば、得る喜びが増え、失う悲しみが減る
⑨空気は読まなくていい
・空気を読んでばかりいたら、大きなことは成しえない
・他人を思いやり、自分が正しいと信じることをする、それが志につながる道
⑩それぞれの道に従え
・人間が従うべき道はそれぞれにあり、ひとつの正しい道があるわけではない
・その道が本当に正しいのかどうか、自分の心に問いかけながら進んでいく、
これが老子の考える、道(たお)の流れに身をまかせて生きるということ
参考書籍:
安冨歩(2017)老子の教え あるがままに生きる ディスカヴァー・トゥエンティワン
安冨歩(2018)老子の教え エッセンシャル版 ディスカヴァー・トゥエンティワン