マインドフルネス講座第7回
これまで対人関係のストレス、
時間のストレスに対してマインドフルネスによってどのように対処できるのか紹介しました。
そして今日は仕事から来るストレスに対してマインドフルネスはどのように活かせるのかについて紹介します。
一般的に、ストレスに感じたことからは自然と逃げ自分を守ることができますが、仕事というとそうもいきません。
なぜならば「お金を稼がなければならない」という縛りが、仕事からのストレスを逃げようのないものへと変えてしまいやすいからです。
ただ、ストレスの要因がたくさんある職場であったとしても、どの程度その影響を受けるかというのは人によって違ってきます。
精神的なストレスの度合いというのは、物事をどう解釈するか、
また周りの変化に対してどう反応するかによって大きく変わってくるのです。
マインドフルネスで仕事はどう変わるか
仕事に対してマインドフルネスの状態でいるというのは、
目の前の仕事それ自体に注意を集中させるということに他なりません。
それは、仕事にのめり込むように集中するというわけではありません。
あくまでも観察対象として仕事を位置づけ、
仕事中の動作や思考一つ一つに注意を向けるということです。
一方で、仕事から来るストレスというのは目の前の仕事それ自体に注意を向けていない時に生じているものです。
例えば、仕事から来るストレスとしてどのようなものがあるでしょうか。
- 締め切りが近づいてくる時間的プレッシャー
- 自分のペースでできないことに対する苛立ち
- したくないことをさせられているという怒り
- 嫌な、苦手な、人がいつも近くにいることへのイライラ
- この仕事のままでいいのだろうかという不安
- 成果報告の時期が近づいてことへの焦り
- 営業先に怒られるのではないかという心配
などなど。いろいろあるでしょう。
しかし、そのどれも、実は今目の前で行っている仕事のことではなく、
その周辺で起こっていることばかりです。
そのように目の前の仕事のことではなくその周辺のことばかりに注意を向けながら、
半ば「ながら作業」のごとく仕事をしているかもしれません。
私たち人間は、習慣の生き物なので、ほぼ自動操縦状態で自らストレスを感じる状況へと自分を追い込んでいるかもしれません。
どのようにマインドフルネスに仕事に取り組めば良いのか
それでは一体どのようにして仕事と向き合えばよいのでしょうか。
それは、毎日10分間行っているマインドフルネス瞑想の時と同じ心持ちで向き合えば良いのです。
マインドフルネス瞑想の時は、呼吸の一つ一つの動作に注意を向け、
今この瞬間に意識の焦点を合わせるようにしました。
それと同じように、仕事の時もいま自分が行っている動作や思考、
それら1つ1つに注意を向け、今この瞬間行っていることに全神経を集中させるようにします。
これは、仕事というものそれ自体を意識的に捉えるということです。
仕事でストレスを感じている状態というのは、
仕事それ自体には意識がいっておらず、仕事の周辺でストレスをかけてくる要因に対して意識が向かってしまっています。
そのような状態は、文字通り「仕事に集中していない」わけであり、結果として作業効率も、仕事の質も悪くなってしまいます。
マインドフルネスに仕事に取り組めるようになるために
今日から仕事に対してマインドフルネスに取り組めるようになるために、次のステップを意識してみてください。
①自ら選択したことであると確認する
仕事にいく朝、目が覚めたら、今日これから仕事に向かうのは「自ら選択したことである」と自分自身に対して確認します。
誰かにやらされてる、本当はやりたくないのに、という気持ちを引きずっていては目の前の仕事に集中できません。
仕事に対してマインドフルネスになるためには、仕事に向き合うということを自分で主体的に決めたという認識が必要です。
②マインドフルネスモードへ自分をもっていく
朝起きてから、仕事を始めるまで、マインドフルネスの状態でいるようにします。
心が彷徨いそうになるたびに、呼吸に注意を向け、「今ここ」を意識します。
服を着替える動作、食べる動作、歩く動作、それらにマインドフルネスに取り組み、仕事に取り掛かった後もマインドフルネスの状態を保てるようにします。
③仕事中はリラックスし今目の前にあるものだけが全てであると思う
仕事中、ストレスを感じるたびに、
「あ、自分は今目の前のこと以外のことで反応したな」
と確認し、それ以上深追いしません。
もし、そのストレス要因が、考えないといけないことなら、
ちゃんとそのための時間を確保し、その確保した時間の時にしっかり向き合えばよいと思うようにします。
マインドフルネス瞑想を通じて培ってきた落ち着いた心持ちを維持しながら、
今目の前で行っている仕事に対して五感をフルに活用して集中するようにします。
仕事中は、思考が過去や未来に行ったり来たりすることは避けられませんが、
それでも自分の中心は常に「今ここ」に維持したままをイメージしながら取り組むようにします。
④休憩は本当に落ち着くようにする
休憩はマインドフルネス状態から抜けてしまっている自分をマインドフルネスへと戻していく大切な時間です。
少し外に出て、散歩をしたり深呼吸をしたり、
チームメイトと話すのならその会話自体に注意を向けて心落ち着かすようにします。
まとめ
この現代社会は、多かれ少なかれ働くということとどうしても向き合わなくてはいけないことは事実です。
そのため仕事からくるストレスというのはなかなかその対処が難しいものなのです。
しかし、マインドフルネスに仕事に取り組むことによって、そのストレスの捉え方を変えていくことができます。
マインドフルネスに仕事に取り組んでいると、
仕事というものを、
自分の内的な強さと知恵を磨く場であると考えることができるようになります。
それはすなわち、仕事それ自体を、観察しているということです。
仕事に囚われ、その中に入り込んでしまうと、どうしてもストレスの嵐に巻き込まれ疲弊してしまいます。
マインドフルネスを仕事に適用させるというのは、仕事にのめり込むということではなく、仕事を観察対象に変え、そこを自分を成長させる場であると捉えられるようになるということなのです。
ここまで実践してきたマインドフルネスを仕事の場に持ち込むことによって、
仕事のあり方がどのように変わっていくか観察してみましょう。
マインドフルネスを学ぶおすすめの本
マインドフルネス全10講座
【マインドフルネス講座①】マインドフルネス瞑想をはじめる方法
【マインドフルネス講座⑥】時間に追われるストレスに対処する方法
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