「免疫とは、免疫力を高める方法」については↑の動画でも詳しく解説をしております!
- 免疫力とは何かその基本的な理解を得ることができる!
- 自分の免疫力を高めるためにできることがわかる!
- 日頃から取り組める免疫力アップの方法がわかる!
この記事では、「免疫力」に焦点をあて、基礎的な理解を得られるように情報をまとめて紹介しています。動画と合わせてご覧いただくことで、日頃からどのようなことに気をつければ免疫力を高めることができるようになるかが学べます!
免疫力を強くする方法について解説!
皆さんこんにちは!助手のライフハック・アニ子です!
新型コロナウイルスの大流行もあり、今多くの人は健康に対しての意識が高まっているのではないでしょうか。
実際、外出先で、ウイルスを拾ってくるのではないか、発症してしまうのではないか、と不安な気持ちも大きいと思います。
そして巷では次のようなメッセージをよく見聞きする方も多いのではないでしょうか。
- 病気にならないためにも「免疫力」を高めることが重要!
- 「免疫力」が下がっていると感染症にかかりやすくなる!
- 「免疫力」があれば重症化しない!
など。
しかし、それと同時にこのように思った方も多いはずです。
「そもそも「免疫力」って何?どうすれば高められるの?」
と。
感染症に対する不安や心配を少しでも減らし、正しい行動をとっていくためには
ウイルスや人体の仕組みについての知識を得ることが大切です。
そこで今日の記事では、一般向けに分かりやすく科学知識を解説するブルーバックスシリーズから出版されている、「免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ」を主な参考書籍に、
「免疫力」に関しての一般的な知識の解説を行なっていきます。
この記事を見ることで、「免疫」に対する常識レベルでの知識が身につくだけではなく、日頃から取り組める免疫力アップの方法を、その根拠も一緒に学ぶことができます。
是非最後までお楽しみください。
「免疫」とは何か
単刀直入に述べますと、免疫とは、人間に備わっている、病原体と戦う体内の仕組みのことです。
このシステムは、私たちを病気や風邪から守り、日々健康な生活を送るのに必要不可欠な仕組みです。免疫が強ければ強いほど感染症にも強くなるということです。
そのため、この免疫の仕組みについて正しく理解することは、より正しくかつより確実な感染症予防対策につながるのです。
免疫について説明をするために、まずは用語の整理からいきましょう。
病気を移す微生物のことを「病原体」と言います。
その病原体には、細菌・ウイルス・真菌などの種類があります。
これら病原体がもたらす病気を『感染症』と言います。
ここで大事なのは、感染と発症の違いです。
病原体が体内に侵入した状態のことを感染といい、病原体が体内でさらに増殖し異常な症状が見られる状態を発症と言います。
感染してしまったけど発症はしなかったという人もいれば、感染した上で重症化してしまった人もいるという事例をニュースで聞いたりすると思います。
この違いは、病原体の侵入・拡散を防ぐ仕組みである『免疫』の強さや働きの違いによって生じます。
免疫の種類
そして、実は、この免疫には大きく分けて2種類あるのをご存知でしょうか?
その2種類というのは自然免疫と獲得免疫です。
自然免疫
自然免疫とは生まれつき備わっている免疫で、獲得免疫は生後後天的に獲得されてくる免疫です。
自然免疫は具体的な例を見てみるとわかりやすいです!
口の中の唾液や、目から出る涙、皮膚表面にある角質や、気道の内側に分泌される粘液、これらは全て病原体が体内に侵入するのを防ぐ物理的バリアーです。
さらにこの唾液や涙などには殺菌性の物質が含まれており、病原体が体内に入らないようにするバリアーの役割も果たします。これは科学的バリアーと呼ばれます。
また、もし病原体がこれらのバリアーを超えてきても、血中の白血球が、病原体を食べたり、殺菌性の物質を放出したりして彼らを殺してくれます。これは細胞性バリアーと呼ばれます。まさしく、病原体を撃退してくれる軍隊です。
今あげた、物理的バリアー・化学的バリアー・細胞性バリアーを合わせて、自然免疫と言います。
この自然免疫は、健康な人なら誰でも持っていて、敵が侵入してきたらいち早く働いてくれます。
ただ、早く反応してくれるのはありがたいのですが、どんな敵が来ても毎回同じ攻撃しかできないのが欠点です。もしそうした同じ攻撃では太刀打ちできない敵が襲ってきたとしたら大問題です。
そこで、この問題を克服してくれるのが、獲得免疫です。
獲得免疫
獲得免疫は、自然免疫を突破してきた病原菌に対して働きます。
まず樹状細胞と呼ばれる細胞が病原菌を食べて、敵の侵入を「リンパ球」に伝えます。
このリンパ球は、とても賢くて、なんと以前に侵入してきた病原体を覚えているんです!
この能力を『免疫記憶』と言います。
リンパ球は覚えている病原体に再び出会うと、用意してあった設計図をもとに、その病原体のみを攻撃する抗体を大量に作り出し、前よりもより強く働き撃退します。
初めて出会う病原体が侵入してきたときは、そこから敵を分析し、抗体を設計し生産するので、反応にとても時間がかかり、病気を発症してしまうこともあるというのが欠点ですが、
次回のために、その病原体用に抗体を作ってためておいてくれるという、とてもありがたい機能を持ち合わせているのです。
免疫の強さとは?
ここまでをまとめると、我々の体には、感染症を防ぐのに、自然免疫と獲得免疫があり、自然免疫が最初に速やかに働き、それでも病原体の侵入拡散が防げないときは獲得免疫が働きます。
よって、私たちヒトの免疫の強さとは、「自然免疫の強さ」と「獲得免疫の強さ」の総和ということになります。
一方で、病原体の強さとは、体内に侵入してきた「病原体の量」と病原体の「感染力の強さ」で決まります。
この「病原体の強さ」と「免疫の強さ」は、まさしくシーソーの関係に例えられます。
病原体の力が免疫の力を上回れば、感染症が発症しますし、
逆に免疫の力が病原体の力を上回れば、感染症は発症しません。
どちらがより強いかによって、病気になるかならないかが決まります。
つまり、感染症の発症を防ぐためには、免疫の力を病原体の力より大きい状態に維持しておくことが重要であるということが分かります。
ところが、免疫の力は、その時々の状態によって変化します。
一度かかったことのある病原体に対しては、先ほども紹介したリンパ球の免疫記憶によって獲得免疫の力が非常に大きくなります。
一方、睡眠不足や栄養状態の悪さ、ストレスによって免疫の力は低下します。
免疫の力を病原体の力より大きい状態にしておくためにも、この免疫の変化を上手くコントロールしなければなりません。
そこでこれから、そんな免疫の力を高める方法を紹介していきます。
免疫力を高める方法
ワクチン摂取
まず、免疫力全体を確実に増強する方法は、「ワクチン接種」です。
ワクチンとは、病原体あるいは細菌の毒素の力を弱めたり、無くしたりと、人工的に作り出されたものです。
これは、先ほど説明したリンパ球の免疫記憶を利用した予防法です。
弱めた特定の病原体を投与すると、その病原体に対する抗体が作られ、その病原体に対して直ちに作動できる出動待機状態を作り出すことができます。
ワクチン接種は、一度病気にかかった場合と同様の効果を得ようとするものなのです。
秋から冬になると多くの人がインフルエンザワクチンを打ちます。
インフルエンザワクチンは30%〜60%前後の有効率があります。
麻疹のワクチンの有効率は90%を超え、二回打てばほとんどの人が麻疹にかからなくなります。
しかし、科学的にも非常に有効性のあるワクチンなのですが、問題点があります。
それは、ある特定の病原体に対する免疫力しか増強されないということです。
インフルエンザワクチンはインフルエンザのみ、麻疹ワクチンは麻疹のみというようにです。
しかしながら、世界保健機関WHOがワクチンによって予防できると上げている病気は、たったの21種類のみなんです。
新型コロナウイルスも今現在ワクチンを開発中ですが、完成には至っていません。
そのため、ワクチン接種による特定の免疫力を上げることに頼るのではなく、全般的な免疫力を向上させる必要があるのです。
それでは一体どのようにして、全般的な免疫力を向上させることができるというのでしょうか。
血液循環やリンパの循環をよくする
確実な方法としてあげられるのは、血液の循環やリンパの循環を良くするということです。
これは免疫系の特徴を知れば理解できます。
免疫系では、リンパ球などの免疫細胞は骨髄や胸腺といった組織で作られますが、実際に機能するのは脾臓やリンパ節などの組織です。
つまり、作られる場所と働く場所が離れているのです。
これらの組織の間をつなぎ、免疫細胞を運ぶ役割をするのが、血管とリンパ管です。
そのため、血管とリンパ管の流れを良くすれば、免疫細胞が速く移動できるようになり、免疫系全体の能力が高くなるというわけです。
では、血液の循環やリンパの循環を良くする具体的な方法とは何でしょうか。
- 体を冷やさず温める
- 血流を悪化させる食生活を改める
- 過度なストレスをかけない
まず「体を冷やさず温める」ということですが、そのためにおすすめなのはなんといっても運動です。
運動をすることは筋肉を動かすことであり、それにより体温の上昇も伴って血流やリンパの流れが良くなります。
ウォーキングやランニング、ストレッチやヨガ、マッサージなどでも構いません。
風呂上がりのストレッチは体温を上げた上で、筋肉を伸ばすことになるので、効果的です。
次に「血流を悪化させる食生活を改める」ということに関してです。
これは食事に関することですが、取りすぎた過剰な糖分や脂肪分は、老廃物として組織や血管にたまりこむことで、慢性の炎症反応を起こし、組織の老化につながります。
血管やリンパ管や組織の老化を防ぐためにも、組織での代謝を良くするためにも、バランスの良い食事をとることが必要なのです。
そして最後に、過剰なストレスを避けることが重要です。
ストレスがかかると私たちの体では身体を活発化させる交感神経が強く働くのですが、
この状態が長く続くと、免疫組織が萎縮してしまうのです。
また、ストレスは脳下垂体を介して副腎を刺激し、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されるのを促します。
このコルチゾールという物質は、免疫細胞の働きを抑制してしまうのです。
したがって、免疫低下を引き起こすストレスを過剰に受けることは避けなければならないのです。
ちなみに、先ほど取り上げた「血流を良くする」ということに関してはこちらの記事で、また交感神経をはじめとする自律神経を整える方法についてはこちらの記事で、さらにコルチゾールの過剰な分泌につながる「副腎疲労」についてはこちらの記事で解説しており、どれも結果として免疫力を高めることにつながる内容ですので、是非合わせてご視聴ください。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今日の記事では、私たち人間を病原体から日々守ってくれているシステム、免疫についてお話ししてきました。
新型コロナウイルスの影響はこれからも続いていくと思いますが、この流行が収まってもなお、目に見えない感染症の脅威が私たちの周りには常に存在しています。
今回紹介した免疫の知識を駆使して、コロナウィルスをはじめとした病原体に決して負けない心と体を共に作り上げていきましょう。
この記事の内容が何か一つでもあなたのお役に立てておりましたら幸いです。
最後までご愛読いただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
- 免疫とは
- 人体に備わっている、病原体と戦う体内の仕組みのこと
- 病気を移す微生物のことを病原体と呼ぶ
- 病原体が体内に侵入した状態のことを感染といい、病原体が体内で増殖し異常な症状が見られる状態を発症と言う
- 2種類の免疫
- 自然免疫
・物理的バリア: 唾液や涙など
・化学的バリア: 唾液などに含まれる殺菌性の物質
・細胞性バリア:血中の白血球など - 獲得免疫
・リンパ球による獲得免疫
- 自然免疫
- 免疫力を高める方法
- ワクチン接種
・リンパ球の免疫記憶を利用した予防法
・特定の病原体にしか効果がなく現在21種類しかない - 血液の循環やリンパの循環を良くする
・体を冷やさず温める
・血流を悪化させる食生活を改める
・過度なストレスをかけない
- ワクチン接種
P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。
参考書籍:
宮坂 昌之(2019)免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ 講談社