皮肉なリバウンド効果

皮肉なリバウンド効果とは?悪影響を避け活用する方法

  • 身近に溢れている!?「皮肉なリバウンド効果」とは何かがわかる!
  • 行動を禁止・制限・我慢しようとすると、かえってそれを強く意識してしまうのはなぜなのかがわかる!
  • 「皮肉なリバウンド効果」とうまく付き合っていくための3つの方法をご紹介!
今回の記事では、「皮肉なリバウンド効果」と呼ばれている心理効果について解説します。
それは一体何なのかを心理的な観点から解説した上で、
「皮肉なリバウンド効果」を防止、軽減、そして活用するためのライフハックをご紹介します。

「皮肉なリバウンド効果」の存在を知れば、あなたの毎日がほんの少しだけ楽しく、快適になるかもしれません。
是非参考にしてみてくださいね!

 

「やらない力」を発揮するのは難しい!?

みなさんこんにちは!

突然ですが、昔話「浦島太郎」で、浦島太郎が玉手箱をもらった時、
「開けてはいけない」と言われたのに、開けてしまったのはなぜだと思いますか?

「鶴の恩返し」でおじいさんは扉を「開けてはいけません」と言われたのに、開けてしまったのはなぜだと思いますか?

他にも、

「元カレ・元カノのことはもう考えないようにしよう」と思えば思うほど、気になってしまったり
「閲覧禁止」と書いてあると、むしろどんな内容なのか興味が湧いて見てしまったり

そしてあなたも、「見ないでください」と書かれていたこの記事(もしくは動画)を、なぜか見てしまったり。

みんな「してはいけない」と意識したことをなぜかしてしまうのは、偶然でしょうか?

ちょっぴり前置きが長くなりましたが、
今日のテーマは「皮肉なリバウンド効果」と呼ばれている心理効果について。

結論から言うと、私たち人間は「してはいけない」「考えてはいけない」を守るのが苦手。

この記事では「してはいけない」「考えてはいけない」を守るのが難しいのはなぜなのか、
その理由を心理的な観点から解説した上で、
「皮肉なリバウンド効果」を防止、軽減、そして活用するための3つのポイントをご紹介します。

是非最後までお付き合いください。

「してはいけない」ことをしたくなってしまう理由

「皮肉なリバウンド効果」を提唱した心理学者のダニエル ・ウェグナー博士によると、
「してはいけない」を守るのが難しいのは、脳が指令を処理するプロセスが
「モニター機能」と「オペレーター機能」の2つに分かれていることが関係しているといいます。

モニター機能とは、「自分は考えたくないことやしたくないことを考えている」という事実を自動的に認識する機能のこと。

一方、オペレーター機能とは、「考えてはいけない・してはいけないという指令」にしたがって、それ以外のことに意識を向けさせようとする機能のこと。

何らかの理由で、このオペレーター機能がうまく作動しなくなると、
モニター機能の暴走によって「してはいけない」内容が増幅されてしまい、
「してはいけない」ことを逆に強く意識してしまうということが起きます。

たとえば、
ダイエット中でお腹が空いてイライラも募ってきている時に、
オペレーター機能は弱まってきます。

そんな時「炭水化物は絶対口にしない!」などと我慢すればするほど、
なぜかほかほかの真っ白なご飯のことが頭から離れなくなってしまう・・・

こんなことが起きてしまいます。

ダイエットの事例以外にも、

  • 禁じられた恋ほど燃え上がってしまうという、いわゆる「ロミオとジュリエット効果」
  • 「二度と見たくない!」と思っているのになぜかクリックしてしまう芸能人のゴシップ記事
  • 「ミスしないように」といつも言っているのに、なぜかミスばかりする部下
  • 「風邪ひかないようにね」と毎朝声をかけているのに、なぜか風邪ばかりひくうちの子供

などなど、意識的であれ、無意識的であれ、
「皮肉なリバウンド効果」が関係する事例は身の回りに溢れています。

要するに、
「〜してはいけない」「考えてはいけない」など、行動を禁止・制限・我慢しようとすると、かえってそれを強く意識してしまうという傾向が脳にはあるのです。
これが、「皮肉なリバウンド効果」です。

「見てはいけないと書かれた記事をちょっと見てしまうくらいなら「皮肉なリバウンド効果」なんて大したことないではないか!」
このように思われたかもしれません。

しかし、自分がなぜかいつも我慢できない原因や、身の回りの人がなぜか自分が言っていることと正反対のことをする原因の一つが「皮肉なリバウンド効果」にあるとすれば、
どうにかしたいですよね。

大丈夫!どうにかする方法はありますよ!

「皮肉なリバウンド効果」の影響を受けやすいことを理解した上で、
その影響を出来るだけ防止・軽減、そして活用するためには、
一体どうすれば良いのでしょうか?

「皮肉なリバウンド効果」を防止・軽減・活用するための3つの方法

皮肉なリバウンド効果

方法は3つ。

  1. 体調を整えてオペレーター機能を活性化
  2. 「禁止・我慢」を「実行」に変える
  3. 応用編:「実行」を「禁止・制限・我慢」に変える

では早速、見ていきましょう!

①体調を整えてオペレーター機能を活性化

先ほどお伝えしたように、「皮肉なリバウンド効果」が起きやすいのは、自分をコントロールしようとするオペレーター機能がうまく作動しなくなる時。

たとえば、

  • 体調不良
  • 精神的なストレス
  • 肉体的な疲れ
  • 睡眠不足
  • 空腹
  • 感情の乱れ

など、本調子ではない時に、オペレーター機能が弱まり、「皮肉なリバウンド効果」の影響が大きく出る可能性があります。

たとえば、
何ヶ月も禁煙を続けていたある日、仕事で大きなプレゼンが終わってほっとして、「今日は一本くらい吸ってもいいか」となる可能性があります。

毎日忙しい日々を過ごし、気を張ってお疲れをためていらっしゃる方も多いと思います。

ただでさえ忙しいのに、体調を保ち続けることは至難の技かもしれませんね。

しかし、まずは十分な睡眠や栄養バランスの取れた食事など、

必要最低限の体調維持から見直すことで、
「皮肉なリバウンド効果」を最小限に抑えましょう!

また、たとえ体調維持ができなかったとしても、「体調が悪いな」と感じた時に、

「あ、これは「皮肉なリバウンド効果」が起きやすい状態だな、注意しよう」

と思い出していただくだけでも、ある程度の抑止力になるはずです。

この知識をぜひ、頭の片隅においてみてくださいね。

②「禁止・制限・我慢」を「実行」に変える

  • 炭水化物は禁止!
  • ネットゲームをしてはいけない!
  • 愚痴を言ってはダメ!

など、禁止や我慢をすることを自分に課すと、
まんまと「皮肉なリバウンド効果」の餌食になってしまいますよ。

そこで、何かを「禁止・制限・我慢」をする代わりに、別の形で何かを「実行」することを考えてみましょう。たとえば、

  • ダイエットしたいなら、食べ物を制限する代わりに、どんな食べ物がダイエットに効くかを研究して食べてみる
  • ネットゲームをする回数を減らしたいなら、ネットゲームを我慢する代わりに、
    空き時間で資格勉強や副業、アルバイトに費やしたら1年後、10年後どんな生活が待っているかを想像して、資格情報や求人情報を検索してみる
  • 愚痴を言うのをやめたいなら、愚痴を禁止する代わりに、「ありがとう」と言えるような状況や人を探して、「ありがとう」と言ってみる。ありがとうと言える状況がどうしても見つからない日には、食事の時に、食べ物と、食べ物を作ってくれた人、食べ物がある状況に感謝の気持ちを込めて「いただきます」「ごちそうさまでした」を丁寧に言う

あくまで一例ですが、このような方策が考えられるでしょう。

さらに、自分の行動だけでなく、他者に言葉をかける時にも「皮肉なリバウンド効果」を応用することができます。
たとえば、

  • ミスが多い部下には「ミスに気をつけなさい」と注意する代わりに、「基本的にはよかったんだけど、ここをこうするだけでもっと良くなるよ」と言う
  • よく風邪をひく子供には「風邪ひかないようにね」と言う代わりに「帰って来たら一緒に手洗いうがいだけはしよう」と言う

もちろん、言い方を変えるだけで確実にミスが減るかどうか、風邪をひきにくくなるかどうかはなんとも言えませんが、
「禁止・制限・我慢」を「実行」に変えるように言い回しを少しだけ工夫することで、「皮肉なリバウンド効果」の影響を最小限に抑えることはできるでしょう。

③応用編:「実行」を「禁止・制限・我慢」に変える

最後は応用編として、「皮肉なリバウンド効果」を活用する方法を少しだけご紹介します。

「してはいけないこと」ではなく「しようと思っていること」がある場合には、「皮肉なリバウンド効果」を逆手に取りましょう。
たとえば、

  • 読書を継続したいと思っているなら、「一日10分しか読書してはいけない」と意識
  • 英単語を覚えたいと思っているなら、「その英単語のことだけは考えてはいけない」と意識
  • 美肌になりたいと思っているなら、「美肌になるのだけは絶対禁止!」と意識

などなど、しようと思っていることをあえて禁止・制限・我慢するように意識すると、
「皮肉なリバウンド効果」で無理なく実現できてしまうかもしれません!

ちなみに、ウェグナー博士が実際におこなった心理実験でも使われていましたが、「〜だけ」「〜しか」といった限定的な表現を入れると、「皮肉なリバウンド効果」はさらに効果を発揮します。

また、自分の行動だけでなく、他者に何か行動を促す時にも「皮肉なリバウンド効果」を応用することができます。

  • テレビの近くに座っている人にテレビをつけて欲しい時には「頼むから、今テレビだけはつけないでね」とさりげなく言う
  • 友達以上恋人未満の人から明日連絡が欲しい場合には、「明日だけは絶対連絡してこないでね」とライン

などなど。
もちろん、本当にテレビをつけてくれるか、連絡が来るかどうかは保証出来ませんがちょっと試してみたくなりませんか?笑

「皮肉なリバウンド効果」を応用すれば、あなたの毎日がほんの少しだけ楽しく、快適になるかもしれません。ぜひいろいろ活用してみてくださいね!

まとめ

以上いかがでしたか?

今回は、「皮肉なリバウンド効果」つまり、「してはいけない」を意識するとかえってそれを意識してしまうという心理効果について解説しました。皮肉なリバウンド効果とうまく付き合っていくための3つのポイントはすでにお伝えした通りです。

  1. 体調を整えてオペレーター機能を活性化
  2. 「禁止・制限・我慢」を「実行」に変える
  3. 応用編:「実行」を「禁止・制限・我慢」に変える

今日お伝えしたポイントだけは、絶対「覚えてはいけません」よ!
今日ご紹介した方法だけは絶対に「使わないで」くださいね!

ちなみに、今日の記事と関連して、悪い習慣を止める方法であったり、続けたい行動を難なく続けられる方法について、こちらの記事で解説をしておりますのでご興味のある方は是非みてみてくださいね。 

関連記事

「腰が重い」については↑の動画でも詳しく解説をしております! どうして腰が重くなるのかが分かる! どうすればすぐに行動できるようになるのかが分かる! 重い腰を上げるための具体的な解決方法が分かる![…]

腰が重い人
関連記事

行動科学および行動科学マネジメントとは何かが分かる! 行動科学マネジメントの理屈が分かる! どうすれば意図した通りに自分のやる気を操れるかが分かる!この記事では、行動科学での学術的な知見を[…]

行動科学マネジメント
関連記事

「悪い習慣を断ち切る」については↑の動画でも詳しく解説をしております!  どうして悪い習慣ができるのかが分かる! どうしてやめたくてもやめられないのかが分かる! どうすれば効果的に悪い習慣から抜け出すことがで[…]

悪い習慣_悪い習慣を断ち切る_悪い習慣を断つ

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

この記事の内容はアニメーション動画でも解説がされていますので是非合わせて御視聴ください。

 

・心理学者のダニエル ・ウェグナー博士による「皮肉なリバウンド効果」
 ・行動を禁止・制限・我慢しようとすると、
  かえってそれを強く意識してしまうという脳の傾向
 ・意識的・無意識的であれ、ダイエットから人間関係、社会経済まで
 「皮肉なリバウンド効果」が関係する事例は身の回りに溢れている

・「してはいけない」を守るのが難しい理由
 ・脳が指令を処理する際に使う「オペレーター機能」が弱まる時に「モニター機能」が暴走
  ・オペレーター機能:「考えてはいけない・してはいけないという指令」にしたがって、
            それ以外のことに意識を向けさせようとする機能
  ・モニター機能:「自分は考えたくないことやしたくないことを考えている」
           という事実を自動的に認識する機能

・「皮肉なリバウンド効果」を防止・軽減・活用するための3つの方法
 ①体調を整えてオペレーター機能を活性化
  ・体調不良、精神的なストレス、肉体的な疲れ、睡眠不足、空腹、感情の乱れなど、
   本調子でない時には「皮肉なリバウンド効果」の影響が大きく出る可能性有
  ・体調維持を見直すことで、「皮肉なリバウンド効果」を最小限に抑えられる

 ②「禁止・我慢」を「実行」に変える
  ・何かを「禁止・制限・我慢」をすることを、何かを「実行」する形に置き換える
   例:ダイエットしたいなら、食べ物を制限するよりも、
     どんな食べ物がダイエットに効くかを研究して食べてみる
   例:ミスが多い部下には「ミスに気をつけなさい」と注意するよりも、
    「ここをこうするだけでもっと良くなるよ」と言ってみる

 ③応用編:「実行」を「禁止・制限・我慢」に変える
  ・「してはいけないこと」ではなく「しようと思っていること」がある場合には、
   「皮肉なリバウンド効果」を逆手に取るのもおすすめ
    例:読書を継続したいなら、「一日10分しか読書してはいけない」と意識
    例:明日連絡が欲しい場合には、「明日だけは絶対連絡してこないでね」とライン
  ・「~だけ」「~しか」といった限定的な表現を入れると、さらに効果を発揮

 

 

参考書籍:
ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳) (2015) スタンフォードの自分を変える教室 大和文庫