エピクテトス, エピクテトス 名言

エピクテトスの名言に学ぶもっと気楽に生きる人生哲学とは

古代ギリシャの哲学者エピクテトスの教えを解説しています。紀元前から続く人間の悩みに対して深い見方ができるようになり、しがらみにとらわれることなく自由に生きるためのヒントを得ることができるでしょう。

「エピクテトス, エピクテトス 名言」については↑の動画でも詳しく解説をしております!

  • 古代ギリシャのストア派哲学者エピクテトスの考えがわかる!
  • しがらみに囚われがちな生き方から解放される具体的な方法がわかる!
  • 気持ちがふっと楽になるような考え方を学べる!

この記事では、古代ギリシャの哲学者エピクテトスの教えを解説しています。動画と合わせてご覧いただくことで、紀元前から続く人間の悩みに対して深い見方ができるようになり、しがらみにとらわれることなく自由に生きるためのヒントを得ることができるでしょう!

エピクテトスの教えをもとに、自分の足で人生を力強く歩める方法について解説!

みなさんこんにちは!

突然ですが、こんな悩みを持ってはいませんか?

  • 「自分の人生は上手くいかない…」
  • 「他人がうらやましい…」
  • 「本当はこうなっていたはずなのに・・・」

しかし、そのように考えてばかりでは、
悲しくなったり、怒りを覚えたりと、感情がかき乱されて辛くなってしまう一方です。

ただ人生には様々なしがらみがあり、そういった悩みを抱えてしまいやすいのもまた事実です。

そこで注目されているのが奴隷出身の哲学者であるエピクテトスの教えです。

今日の記事では、
しがらみに囚われず幸せに生きるためには、どのようにすればいいのかについて、

哲学者エピクテトスの教えをもとに解説していきます。

この記事を読み終わる頃には、
しがらみに囚われたり、感情に左右されることなく、自分の足で人生を力強く歩める方法が見つかるでしょう。

是非最後までお楽しみください。

どうして今エピクテトスなのか

エピクテトス_とは

エピクテトスは、紀元前50年から60年ごろに生まれた奴隷出身の哲学者です。

エピクテトスは後に奴隷の身分から解放されることになるわけですが、
そんなエピクテトスが哲学と出会ったのはとある哲学の講義への参加を、仕えていた主人に許されたことです。

この時、エピクテトスが受けたのはストア哲学の講義です。

ストア哲学は、いかに生きるべきか、いかに満足な人生を送るのかを教えるものです。
この時エピクテトスはこのストア哲学の考え方にとてつもなく感銘を受けました。

そんなエピクテトスは、奴隷から解放された後、ストア哲学の知識を深めながら町の教師として働き始めました。そして、教師として働くかたわら、ストア哲学の考えを「生き方のスタイル」として再解釈し、自身の考えをまとめていきます。

奴隷としての生活が長かったエピクテトスは、何かに囚われている人間の状態を不幸と考えました。

  • 貴族として生まれていたら幸せだったのに
  • 違う時代に生まれていたら幸せだったのに
  • 男だったら、女だったら幸せだったのに

このように、奴隷という身分ではなくても、まるで奴隷のように何かに囚われ、不幸になっている人があまりにも多いと気づいたのです。

ここでエピクテトスが問うのは、
何かに囚われて生きるのと、とらわれずに自由に生きるのとではどちらが幸せか?ということです。

その上でエピクテトスは、「自分ができること」と「自分ができないこと」とを区別するのが、まず大切であると考えました。

エピクテトスは、「自分ができないこと」に囚われると幸福になれないと言います。

奴隷として生まれた以上、
貴族の家に生まれていたらと考えても意味がありません。

奴隷出身のエピクテトスは、
自分の力ではどうにもならないことに囚われずに生きる、それが幸福な人生を歩む近道であると考えました。

そんなエピクテトスの教えを、具体的に見ていきましょう。

人はどのようなときに不安になったり感情的になったりするのか?

負の感情が生まれる本当の原因

エピクテトス_負の感情原因

エピクテトスによると、人々を不安にさせるのは、事柄それ自体ではなく、事柄に対する考え方です。

エピクテトスは、負の感情に囚われると、
「親のせいで」「上司のせいで」「学歴のせいで」「貧しいせいで」

というように、
人間関係や自分の環境を恨むようになると言います。

例えば、
顔つきや態度から、上司が怖いと思うようになるとします。
一度、怖いと思うようになると、上司が近くを通るだけで恐怖を感じてしまいます。

しかし、エピクテトスによると、あなたを怖がらせているのは上司そのものではありません。
「上司は怖い」と思っている自分の考え方が、自分自身を怖がらせているのです。

また、悪口も、人々を不安にさせたり感情的にしたりする行為です。
「あなたはバカだ」と言われたら、頭にくることでしょう。

しかし、エピクテトスによると、心がかき乱されているのは、「あなたはバカだ」という言葉のせいではありません。

頭に来たり、怒り狂ったりする原因は
「あなたはバカだ」という言葉そのものではなく、「侮辱された」という解釈の方にあるのです。

それだけではありません。

私たちは、何かに失敗したとき、ひどく落ち込んだり自信を失ったりすることがあります。

しかし、失敗それ自体があなたを苦しめているわけではありません。

これもまた自分を苦しめているのは、出来事に対して「失敗してしまった」と思う解釈の方なのです。

ここで3つの例を取り上げましたが、

私たちは、恐怖や怒りや後悔や悲しみといった負の感情に囚われてしまいがちです。

負の感情にただ囚われているだけなのに、それが事実であるかのように考えてしまうのです。
それがまさに不幸の最大の原因であると、エピクテトスは考えました。

負の感情に囚われないために

エピクテトスによると、考え方というのはあくまでその人の主観であり、認識を誤っていることも少なくないと注意喚起しています。

  • 上司が怖いというのは、自分の考え方に過ぎないのでは?
  • 「あなたはバカだ」という言葉は、相手の認識の誤りなのでは?
  • 自分がした失敗は、そこまで落ち込むようなことではないのでは?

自分の考え方について、徹底した自己反省をすることで、
自分を負の感情から解放することができる
、これがエピクテトスの教えなのです。

それでは、このような負の感情から自分を解き放ち、自由になる方法はあるのでしょうか。
そこで次に、人生のしがらみから自由になるためのエピクテトスの教えを紹介していきます。

人生のしがらみから自由になるには?

人間は起こった出来事に対して、自分の考え方により判断を下し、
負の感情に囚われていることを説明してきました。

エピクテトスは、
そのような負の感情に囚われた視点で物事を見るのを辞めるように助言しています。

とくに、偏った先入観に囚われやすいのが人間関係です。
お互いの関係性を正しく理解できず、感情に支配されやすいとエピクテトスは考えます。

そこで負の感情に囚われた自分を解放する方法としてエピクテトスの言葉から3つご紹介します。

①過剰な承認要求を捨てる

エピクテトス_承認欲求

一つ目は、過剰な承認要求を捨てることです。
エピクテトスは、承認要求が強すぎると、自分の行動を他人に握られると考えます。

一般的に人間は、他人によく見られたいと思い、
身だしなみを整えたり、化粧をしたり、かっこよく振舞ったりします。

しかし、他人によく見られたいと思っても、それは相手次第です。
自分がどれだけそれを望んでも、相手が同じように思ってくれるとは限りません。

気に入って欲しい、好きになって欲しい、愛して欲しい、というように、
「欲しい」と願う気持ちは、すべて承認要求と言えます。

承認要求が強すぎると、
自分はどのようになっていくでしょうか。

それは他人からの承認を求めるあまり、自分の行動を他人に支配されるようになってしまいます。

エピクテトスによると、これこそが奴隷最大の特徴で、
他人からの評価を気にするあまり、すべての行動が支配されてしまうのです。

そこでエピクテトスは、承認要求を捨て、
「自分で自分を承認できさえすればよい」と考えることを推奨しました。

②他人の行動の表面だけをみて善悪を判断しない

エピクテトス_動機や目的を重視

二つ目は、他人の行動の表面だけをみて善悪を判断せず、
どうしてそのように行動したのか、その理由を考えることです。

人間は、日々の生活のなかで、
他人の行動を見て、その良し悪しを判断するものです。

ご近所さんのごみの出し方が悪い、夫が家事を手伝ってくれない、
友だちが時間にルーズだ、このような行動を「悪い」と判断してしまいます。

エピクテトスは、ただちに他人の行動を善悪と結びつけるのではなく、
その人の動機目的を理解することを重視するべきだと言います。

一見すると、悪い、間違っている、正しくないと思われる行為にも、
やむを得ない事情が隠れている可能性を、頭に置いておく必要があるのです。

そして、すくなくともそのような心構えでいることで、とっさにわき起こる負の感情に自分が支配されるということを避けることもできるのです。

③他人を非難しない

エピクテトス_誰のせいにもしない

エピクテトスは、何かに失敗したとき、
誰かのせいであると、他人に責任転嫁しないことが大切であると考えます。

人間は生きていると、自分の思い通りにいかないことが沢山あります。
そのとき、このように思うことはありませんか。

  • 「失敗したのは親のせいだ」
  • 「仕事が上手くいかないのは会社のせいだ」
  • 「自分が不幸なのはあいつのせいだ」

エピクテトスは、何か問題に直面したとき、
誰を非難するのかにより、その人の人間としての成熟度が分かるとしています。

成熟度の低い人は、他人のせいにします。ある程度成熟した人は、自分のせいにします。
しかしながら、しっかりと成熟している人は、どちらのせいにもしないのです。

エピクテトスは、奴隷として生活していたとき、
「奴隷の生まれのせいで」と言いたくなることも多かったことでしょう。

しかし、自分の置かれた境遇を、親のせいにも、自分のせいにも、主人のせいにもしませんでした。
そう言ったところで、どうにもならないことを彼自身がよく知っていたからです。

記事の冒頭で、「自分ができること」と「自分ができないこと」を区別する、
このことがまず大切であるとお伝えしました。

エピクテトスは、「自分ができないこと」に囚われると
幸福になれないと言ったことも思い出してみましょう。

エピクテトスは、何かのせいにして負の感情に囚われるよりも、
感情はいったん脇に置いて、まずは事実を受け止めることを重視します。

感情に囚われないありのままの状態で事実に向き合うことで、
正しく物事を受け止められ、物事がよりよい方向に向かうと説いたのです。

まとめ

エピクテトス_まとめ

以上いかがでしたか?

この記事では、「負の感情に囚われた状態から自由になる」方法を、
エピクテトスの言葉からご紹介しました。

問題が起こったとき、すぐに他人や自分が置かれた環境のせいにしてしまい、
怒りや悲しみに支配されてしまう。

そんな状態では、自分の偏った考え方がしがらみとなり、幸せな状態を維持できなくなってしまうのです。

エピクテトスが伝えているいちばん大切な教えは、
自分が幸せになるか不幸せになるかは、自分次第ということです。

しがらみに左右されず、今できることを自分自身ですることで、
道は開けていくことをエピクテトスは伝えているのです。

ちなみに今日の記事と関連して、今に活かせる先人の教えを紹介している記事として、仏教禅の言葉ニーチェアドラーの教えについて解説したものもありますので、ご興味のある方は是非合わせてご覧ください。

この記事の内容が何か一つでもお役に立てておりましたら幸いです。

最後までご愛読ありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

  • エピクテトスとは
    • 奴隷出身の哲学者
    • ストア派哲学を学ぶ
    • 人生のしがらみから自由になって生きる考え方をまとめる
  • 人の悩みとは
    • 人は何かに囚われた時に不幸になる
    • 人を不安にさせるのは出来事自体ではなくそれに対する解釈
  • 人生のしがらみから自由になるには
    • ①過剰な承認欲求を捨てる
    • ②他人の行動の表面だけを見て善悪を判断しない
    • ③他人を非難しない

P.S.当記事の内容はYoutube動画でも解説しておりますので合わせて御視聴ください。

参考書籍:
荻野 弘之(2019) 奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業 ――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために ダイヤモンド社
山本 貴光,吉川 浩満(2020) その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。: 古代ローマの大賢人の教え 筑摩書房

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