やる気が続かない原因とその脳内メカニズム

【モチベーションアップ連載#5】やる気が続かない原因とその脳内メカニズム

みなさんこんにちは!今回は連載企画「モチベーションアップ連載」の第5回目です。

今回からは、
人が挫折してしまう原因やメカニズム、そして挫折してしまった場合の復活方法について、数回に分けてお届けしていきます!

その中でも今回は、なぜ人は意図した行動を続けられなくなるのか、

その原因と3つのメカニズムについて解説していきます。まずは「仕組み」を知ることで、挫折のリスクを防いでいきましょう!

意図した行動を続けられなくなる原因

自分が意図した行動を続けられなくなる原因、

それを理解するキーワードは、これまでの投稿でも何度か登場してきた「2人の自分(いわゆる「本能」と「理性」)」です。

まずはあらためて、「本能」と「理性」の脳科学的な特徴を簡単におさらいしつつ、「2人の自分」の基本性格を押さえておきましょう。

まず、「本能」は、脳のより奥深い部位(「大脳辺縁系」とも呼ばれています)の働きによるものです。

本能は人類の初期の頃から備わっているもので、その主な役割は、体の生命維持などです。

そのため、本能が強く働くと、基本的には

「とりあえず今、楽な状態を作ろう」
「出来るだけ労力を使わないようにしよう」

という方向に向かいやすくなるのです。

もちろん原始時代であれば、本能は生き残るために必要不可欠なものであったでしょうし、現代であっても、体調を崩した時などに本能のサインに従って体を休めることが必要な場合もあるでしょう。

ただし、「長期的な目標に向かって計画的に行動する」という、現代ならではの複雑な課題に対処することは「本能」にとって苦手分野と言えます。

そんな中で進化してきたのが、「理性」(つまり意志力)です。

理性は、脳のより外側の部分、特に「前頭前野」の働きによるものということが知られています。

理性の主な役割は、意図した目的を実行することです。

「夢を叶えよう」
「より進化した自分になろう」

といったより長いスパンで意図した目的に合わせ、筋道立てて実行することが、理性の得意分野です。

このように、私たちの脳の中には性質の異なる「2人の自分」がいます。

そして、自分で意図した行動を続けられない原因は、理性が本能に負けてしまうからです。

では理性が本能に負けてしまうのは一体どうしてでしょうか?
そのメカニズムを3つの観点から掘り下げてみましょう。

理性(意志力)が本能に負けてしまう3つのメカニズム

①意志力は使いすぎると疲労する

以前の記事で、「意志力は筋力と同じように鍛えられる」というお話に触れましたが、「使いすぎると疲労を起こす」という点においても、意志力は筋力と似た性質があります。

筋力は、筋トレであまりにも負荷をかけすぎると疲労を起こし、かえって故障の原因になることがありますよね。意志力も、実はそれと同じなんです。

たとえば、心理学の研究によると、

  • 24時間禁煙した喫煙者は、アイスクリームを大量に食べる確率が高くなる
  • ダイエットをしている人は、浮気をしやすくなる

など、意志力を使っているうちに使い果たしてしまい、うまく機能しなくなってしまう傾向があることが分かっています。

そのため、あなたが意図した行動を継続する時にも、一度にあまりにもたくさんのことに対して意志力を働かせすぎると、意志力は疲労する可能性があるということを心に留めておきましょう。

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②「モラル・ライセンシング」によるリバウンド

①でご紹介した「意志力は使いすぎると疲労する」という点とも関連しているのですが、

「モラル・ライセンシング」とは、簡単にいうと「善いことををすると、その反動で悪いことをする自分に甘くなる」という心理的効果のことです。

たとえば、減量している人が、目標を達成できた途端に「頑張った自分へのご褒美」としてスイーツなどを大量に食べて、リバウンドしてしまう、
というのは「モラル・ライセンシング」のよくある事例と言えます。

その他にも、

  • 外できつい仕事を頑張っている分、たくさん買い物してもいいや・・・
  • 昨日たくさん勉強した分、今日はだらだら過ごしてもいいや・・・
  • ちゃんとスイーツを控えている分、焼肉は食べてもいいや・・・

などなど、どんな行動が「善」と「悪」になるかは人によって様々です。

いずれにせよ、理性と本能の間に相反する欲求がある場合に、脳はその葛藤を解消しようとします。その結果、理性が本能に負けてしまうことがあるわけです。

自分にとってのチャレンジが大きいものであればあるほど、

このような「モラル・ライセンシング」によるリバウンドも大きくなる可能性があるので、そのことも想定しておく必要があります。

③「遅延による価格値引」の思考・行動パターン

突然ですが、質問です。

すぐに手に入るけれど少ない報酬(好きなものやご褒美、成果など)と、
すぐに手に入らないけれどより大きい報酬、

あなたなら、どちらが欲しいでしょうか?

人間とチンパンジーの自制心を比較した実験によると、

なんと8割近くの人間が、「すぐに手に入るけれど少ない報酬」の方を選んだそうです。

この行動パターンには、人間に特有の「遅延による価格値引」という考え方が関係しているようです。

「遅延による価格値引」というのは元々は経済学の考え方で、

「報酬を得るために長く待たなければならないほど、その報酬の価値は下がる」という考え方です。

この「遅延による価格値引」によって、私たち人間は、
欲しいものはすぐに手に入れなければ気が済まず、逆に、やりたくないことは先延ばしにしてしまいやすくなるのです。

・・・と、言われても、今すぐに行動パターンを変えられるものではないとは思いますが、人間にはこのような思考・行動パターンがあるということを知っておけば、自分のパターンをある程度予測・修正することが可能になりますね。

「今夜は見たいドラマがあるから、明日でいいや」
「今日の分は週末まとめてやろうかな」

こんな気持ちが湧いてきたときにはぜひ、「遅延による価格値引」のことを思い出してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、意図した行動を続けられなくなる原因とメカニズムについて解説しました。

おさらいすると、意志力を司る「理性」の自分が「本能」の自分に負けてしまい、自分が意図した行動を続けられなくなる場合には、

  1.  意志力は使いすぎると疲労する
  2. 「モラル・ライセンシング」によるリバウンド
  3. 「遅延による価格値引」の思考・行動パターン

これら3つのメカニズムが関係していることをお伝えしました。

3つのメカニズムを知って、「どれも自分の状況に当てはまっているな・・・」とドキッとした方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんなあなたのために、次回は、このようなメカニズムに立ち向かっていくための実践方法について詳しく解説します。どうぞお楽しみに!

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